• 2022年2月7日
  • 2022年2月7日

病棟にはどんな種類がある? 看護師の仕事内容も解説!

 

「病棟にはどんな種類があるの? 」「病棟勤務の職種には何がある? 」など、病棟に関してさまざまな疑問を抱えている人がいるでしょう。病棟では医師や看護師以外に、薬剤師や看護助手、保育士などが働いており、チーム医療を行っています。

この記事では急性期や回復期、慢性期など、各病棟の違いを解説。また、病棟看護師に求められている役割や業務内容、向いている人の特徴も紹介しています。

病棟とは

病棟とは、病室のある建物のことです。病棟の種類によって医療機能が異なり、提供する医療や看護にも違いがあります。

病棟と外来との違い

病棟は病室で入院患者の治療や看護を行いますが、外来は入院していない患者の診療を行う場所です。内科や外科、小児科、整形外科など、診療科目別に分けられています。

病棟と外来では、看護師の勤務時間も異なります。入院患者のいる病棟は基本的にシフト制で夜勤がありますが、外来は夜勤がありません。外来は平日と土曜の午前中のみ対応していることがほとんどのため、土曜の午後や日祝日はお休みです。外来は病棟勤務よりもワークライフバランスを保ちやすい職場といえるでしょう。

病棟で働く看護師の仕事内容

看護師の仕事内容は勤務する医療機関や診療科によって異なります。ただし、入院患者の治療の補助や身の回りの世話をするという点は共通しています。

病棟で働く看護師のおもな仕事内容は、以下のとおりです。

  • 体温、血圧、脈拍などのバイタルサインチェック
  • 点滴や内服薬などの管理
  • 採血
  • 食事や入浴、排泄などの介助
  • 体位交換
  • ナースコールの対応
  • 看護カルテへの記録
  • カンファレンス

上記のほかに、患者の移送や検査や手術に関する説明なども行います。また、患者の心のケアも病棟看護師の重要な仕事のひとつです。

病棟で働く医師・看護師以外の職種

病棟で働いているのは、医師や看護師だけではありません。薬剤師や看護助手、病棟クラーク、保育士など、さまざまな職種のスタッフが勤務しています。

・病棟薬剤師

病棟薬剤師は、入院患者の薬の調剤をしたり医師に薬の提案を行ったりします。

また、入院患者に服薬指導をするのも病棟薬剤師の仕事です。既往歴や服薬状況、副作用などを聞きいてから使用する薬の説明を行い、治療開始後はきちんと服薬できているかを確認します。

・看護助手

看護助手は看護師のサポートとして、食事・入浴・排泄介助や体位交換、衣類の着脱、移乗介助など、入院患者の身の回りのお世話を行います。また、ベッドシーツの交換や病室の清掃といった環境整備も看護助手の仕事です。

看護助手に資格はありません。そのため、看護師のように注射や点滴といった医療行為を行うことは禁止されています。

・理学療法士

理学療法士はPT(Physical Therapist)とも呼ばれる職種で、理学療法を専門に行います。

理学療法士は寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行など、患者の基本的動作能力の回復をめざします。入院患者に対して、治療体操や電気刺激、マッサージといった物理的手段を用いてリハビリを行うのが仕事です。

・作業療法士

作業療法士はOT(Occupational Therapist)とも呼ばれる職種で、手芸や工作、そのほかの作業に焦点をあてた治療やサポートを行います。作業には手芸や工作以外に、食事や家事、トイレといった日常生活で必要な動作も含まれます。作業療法士は患者の趣味活動のサポートをすることで、精神的なサポートも行うのです。

・病棟クラーク

病棟クラークは病棟専属の事務員としてナースステーションに常駐し、医師や看護師といった医療従事者をサポートします。

おもな仕事はカルテ管理や入院患者の名簿作成、病室のネームプレート作成、検査伝票の管理などです。また、電話対応や面会者の受付、入院患者への説明など、業務内容は多岐にわたります。

・病棟保育士

病棟保育士とは病棟内で子どものケアを行う保育士のことで、「医療保育士」とも呼ばれています。おもに、小児病棟で勤務しています。

病棟保育士の仕事は、0歳から18歳の子どもに対して食事や着替えの世話をしたり、遊びの提供をしたりすることです。入院している子どもの中には、親元を離れて不安やストレスを抱えている子もいます。そのため、精神的なサポートをすることも病棟保育士の重要な役割なのです。

病棟の種類

回復期病棟の写真

病棟は「高度急性期病棟」「急性期病棟」「回復期病棟」「慢性期病棟」のように、医療機能によって名称が異なります。以下では、各病棟の特徴と看護師の役割について紹介します。

高度急性期

高度急性期の病棟が対応するのは、急性期の患者です。状態の早期安定化に向けて、診療密度がとくに高い医療を提供します。三次救急の受け入れを行っており、救急救命センターや集中治療室(ICU)、ハイケアユニット(HCU)などを有しているのが一般的です。

高度急性期は重篤な患者に対応するため、状態把握から判断までのスピードが求められます。また、人工呼吸器やドレーンの管理などもすることから、豊富な知識や高度なスキルが求められる傾向にあります。

急性期

急性期の病棟では急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けた医療を提供します。おもに二次救急や一次救急の受け入れを行っています。

急性期の看護師には、高度急性期と同様スピード感のある状態把握と判断力が求められます。また、重篤な患者が多いことから、療養上の世話よりも医師の診療補助を行う場面のほうが多いといえるでしょう。

回復期

回復期の病棟が対応するのは、急性期治療を経て病状が安定した患者です。在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供します。回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などが、代表的な回復期の病棟です。

回復期リハビリテーション病棟の最長入院日数は180日、地域包括ケア病棟の最長入院日数は60日です。急性期に比べて入院期間が長いため、患者とじっくり関わりながらケアを行えます。なかには、体が思うように動かず悩んでいたり、リハビリに消極的になってしまったりする患者もいるため、看護師は体のケアだけでなく心のサポートをすることも求められています。

【参照元】

慢性期

慢性期の病棟が対応するのは、長期にわたる療養が必要な患者です。糖尿病や慢性腎不全、がんなどの疾患を抱えた患者が多い傾向にあります。

看護師は疾患が悪化したときに早期発見できるよう、日頃から些細なことも見逃さない観察眼が必要です。また、高齢だったり回復が難しかったりする患者に、ターミナルケアを行うこともあるので、患者やその家族の心に寄り添ったケアが求められます。

病棟勤務に向いている看護師の特徴

病棟勤務に向いている看護師

病棟では医師や看護助手、薬剤師、介護職など、多職種で連携して業務を行うため、協調性が欠かせません。また、患者だけでなく患者の家族とも深く関わるので、円滑にコミュニケーションを取りつつ寄り添える力が必要といえるでしょう。

なお、病棟看護師は基本的にシフト勤務で、2交代の場合は日勤と夜勤、3交代の場合は日勤、準夜勤、深夜勤があります。さらに、体位交換や移動介助など力を必要とする仕事が多いので、体力は必要不可欠です。病棟看護師には、体力的にも精神的にもタフな人が向いているといえます。

まとめ

病棟では医師や看護師以外に、病棟薬剤師や看護助手、病棟クラーク、病棟保育士など、さまざまな職種の人が働いています。チーム医療で患者のケアを行うには、コミュニケーション能力や協調性が必要です。

なお、急性期や回復期、慢性期など、医療機能によって看護師に求められていることは異なります。看護師の方は各病棟の医療機能や看護師の役割をしっかりと理解しておきましょう。

マイナビ看護師では、病棟看護師の求人を豊富に掲載しています。業界に精通した専属のキャリアアドバイザーがご希望を伺い、あなたに合った職場を提案します。応募書類の作成や面接対策はもちろん、内定までサポートしているので、転職が初めての方も安心です。転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

■関連ページ

著者プロフィール