「忙しすぎる」「残業がつらい」など、現在の職場環境に不満があったり、自分に合っていないと感じていたりする看護師の方もいるでしょう。
この記事では、看護師がのんびり働ける職場の特徴を解説しています。また、のんびり働きたい看護師におすすめの職場や診療科も紹介しているので、就職・転職を考えている方は参考にしてください。
看護師がのんびり働ける職場の特徴
看護師の仕事は患者さんの健康に関わるうえ業務内容も多いので、楽に働ける職場というのはありません。しかし、人によっては「のんびり働ける」と感じる職場もあります。以下は、看護師がのんびり働ける職場の主な特徴です。
- 人員に余裕がある
- 仕事内容にゆとりがある
- ルーティンワークが多い
- 残業がない
- 休日出勤がない
- 日勤のみ
- カレンダー通りに休める
- 休みが取りやすい
- 連休が取得できる
- 有給休暇が取りやすい
- 人間関係が良好
- 医療行為が少ない
- 急患がいない
- 高度な看護技術を求められない
のんびり働きたいと思っていても、上記の項目すべてを満たす職場を見つけるのは難しいのが現状です。
のんびり働ける職場に転職したい方は、まずは「自分にとってのんびり働ける職場とは何か」「どういった環境なら心身共に余裕をもって働けるか」を考えるのがおすすめです。自分が無理せず働ける職場の特徴を知ることで、自分に合った勤務先を見つけやすくなります。
看護師の活躍の場は病院以外にもある

日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」によると、看護師の就業先としてもっとも多いのが病院で、85.3%の人が勤務しています。
一般的に病院勤務の看護師は医師が治療・処置をする際の補助をしたり、患者さんの療養上のお世話として健康状態や症状のチェック、食事・排泄介助、服薬管理をしたりなど、行う業務が多い傾向にあります。新卒看護師は多様な経験を積むために、病院に就職することがほとんどです。そのため、新卒で入職してそのまま病院勤務を続けている看護師の方も多いでしょう。
しかし、看護師が活躍できる職場は病院以外にもあります。2021年時点の看護師の主な勤務場所と就業者の割合は以下のとおりです。
勤務場所 | 割合 |
---|---|
病院 | 85.3% |
診療所 | 2.1% |
助産所 | 0.1% |
保健所・市区町村保健センター | 1.4% |
省庁・都道府県・市区町村(福祉・環境部門含む) | 0.8% |
検診センター・健診センター・労働衛生機関 | 0.2% |
企業・事業所の健康管理部門 | 0.1% |
学校・幼稚園・保育所等 | 0.4% |
訪問看護ステーション | 3.0% |
地域包括支援センター・在宅介護支援センター | 0.3% |
介護老人福祉施設 | 0.6% |
介護老人保健施設 | 1.0% |
ケアハウス・グループホーム・有料老人ホーム | 0.2% |
その他の居宅サービス事業所 | 0.2% |
その他の社会福祉施設 | 0.5% |
看護系教育研究機関(養成所・大学等) | 2.6% |
その他 | 1.3% |
病院に次いで看護師の勤務先として割合が高いのは、訪問看護ステーションです。そのほか、看護師養成所・看護系大学といった看護系教育研究機関、診療所、保健所・市区町村保健センターでも看護師は活躍しています。
のんびり働きたい看護師におすすめの職場

比較的落ち着いた環境でのんびり働きたいと考えている方は、病院以外の勤務先を考えると良いでしょう。以下では、各勤務先の特徴と働くうえでのメリット・デメリットを紹介します。
クリニック
クリニックには、病床が1~19床ある有床クリニックと病床のない無床クリニックがあります。のんびり働きたい方は、できるだけ無床クリニックを選ぶのがおすすめです。
クリニックは、主に外来患者さんの診察や注射を含む簡単な処置、健康診断などを行う医療施設です。患者さんにとって、気軽に病気や健康の相談ができる「かかりつけ医」といえるでしょう。詳しい検査・手術が必要な場合や症状が重い場合は、病院に紹介状を書くのが一般的です。
メリット
- 休診日がある
- 固定休みで生活リズムが崩れにくい
- 無床クリニックの場合、夜勤がない
- 自宅の近くで働ける
クリニックは土曜日の午後や日曜日を休診日にしていることが多く、休みが決まっているためプライベートの予定を組みやすいのがメリットです。無床クリニックの場合は夜勤がなく、シフトも日勤のみ、もしくは早番・遅番がほとんどのため、生活リズムが崩れにくいでしょう。
また、クリニックは病院と比べて数が多いため、自宅近くで勤務先を探しやすいといえます。自宅の近くで働ければ通勤時間も短縮できて、よりプライベートの時間を多く持てるでしょう。
デメリット
- 看護師が少ない場合、一人にかかる業務負担が大きい
- 看護業務以外の雑務も求められることがある
- スタッフが少なく、人間関係が狭い
- 看護技術を活かす機会が少ない
クリニックはスタッフの数が少ない分、一人にかかる業務負担が大きいといえます。なかには、看護師が自分一人しかいないというクリニックもあるでしょう。スタッフが少ないと、受付や患者さんの案内、掃除など、看護業務以外も求められる傾向にあります。
また、人間関係が狭いこともデメリットといえます。特に院長や経営者との相性が悪いと、働き続けるのは難しいでしょう。
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介護施設・高齢者向け施設
介護施設・高齢者向け施設には、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホーム・グループホーム・ケアハウス・サービス付き高齢者向け住宅・デイサービスなどがあります。
要介護状態の人を対象とした施設や自立状態の人を対象とした施設のほか、公共施設や民間施設、入居施設や通所施設など、施設形態・特徴はさまざまです。施設によって看護師の配置要件は異なり、夜勤がある施設もあれば、日勤だけの施設もあります。
いずれの施設においても、看護師の仕事は介護を必要とする人や高齢者を対象として、健康管理や日常生活の援助などを行うことです。看護師が季節のイベントやレクリエーションに参加する施設もあります。
メリット
- 高い看護技術を求められない
- ルーティンワークが多い
- 残業が少ない
- 夜勤がない
介護施設・高齢者向け施設は患者さんというよりも、介護を必要とする人や高齢者を対象として健康管理や日常生活の援助などを行います。そのため、それほど高い看護技術を求められることはありません。急患対応などはほぼないため残業も少なく、夜勤がない施設であればプライベートを重視した働き方も叶うでしょう。
デメリット
- 看護師業務以外に介護業務も求められる(生活援助・環境整備の範囲内で)
- 看護技術のスキルアップが難しい
- 看護師が少なく、プレッシャーが大きい
- 他職種との関係が難しい
介護施設・高齢者向け施設によっては、看護業務以外に介護業務やレクリエーション、掃除などを求められることがあります。看護業務に専念したい方は、事前にその施設で看護師がどのような働き方をしているか調べることをおすすめします。また、専門領域の異なる他職種とも連携しながら業務を行うため、はじめはどのような関わり方をしたら良いか悩む人もいるでしょう。
介護施設・高齢者向け施設では、看護師が自分一人しかいないということも少なくありません。利用者さんが急変したときは、看護師に対応を求められます。経験が少ない看護師にとっては、プレッシャーが大きいでしょう。
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健診・検診センター、献血ルーム
健診・検診センターは、病気の早期発見や予防のために検査をして健康状態をチェックする施設です。看護師は身長・体重測定のほか、血圧測定、視力・聴力検査、心電図検査、採血などを行います。
献血ルームで働く看護師は日本赤十字社に所属し、全国にある血液センターや附属施設、移動採血車で献血を行います。看護師が行う業務は、献血前の検査と献血です。
メリット
- 夜勤がない
- 残業が少ない
- 休みが取りやすい
- ルーティンワークがほとんど
健診・検診センターや献血ルームで働く最大のメリットは、プライベートと両立しやすいことです。基本的に日勤のみで夜勤はなく、残業もほとんどありません。そのため、子育て中の方や家庭を大事にしたい方にとって最適な勤務先といえるでしょう。また、基本的に健康な人を相手にしているので急変等がなく、精神的負担が少ないといえます。
デメリット
- 早くて正確な採血技術が求められる
- 夜勤手当がない分、給料が少ない
- 土日祝に仕事になることがある
- 看護技術のスキルアップが難しい
健診・検診センターや献血ルームでは、基本的に採血を行うので正確で迅速な採血スキルを求められます。採血に自信がない人には、難易度が高い勤務先といえるでしょう。また、夜勤がない分、病院勤務の看護師と比べると、給料が低い傾向にあります。
なお、献血ルームの場合は土日祝も仕事があり、家族や友人と休みを合わせにくいというデメリットがあります。土日祝や長期連休時には人が集まりやすいため、希望通りに休めないことがあるでしょう。
保育園・幼稚園
厚生労働省は、私立保育園に最低1名の看護師配置を義務付けています。また、公立保育園でも看護師の常駐を努力義務としています。そのため、保育園の看護師の需要は高い傾向にあります。また、幼稚園でも看護師を採用しているところがあります。
保育園や幼稚園に勤める看護師の役割は、園児の体調管理やアレルギーへの対応、保育補助のほか、保護者へ向けた保健指導や予防接種の情報提供などです。
メリット
- 子どもと関われる
- 子育ての経験を活かせる
- 夜勤がなく、日曜日と祝日は休み
- 医療行為がほぼない
保育園や幼稚園で働く最大のメリットは、子どもと関われることです。保育園や幼稚園では、子どもの成長を間近で見られます。子どもが好きな人にとっては、最適な環境といえるでしょう。また、育児経験がある方は、自身の経験を活かしながら看護師として働けます。
デメリット
- 一人で判断や対応をしないといけない
- 保育業務を求められる
- 保護者対応が大変なことがある
- 看護技術のスキルアップが難しい
保育園や幼稚園では、看護師が自分一人ということも珍しくありません。そのため、子どもが怪我や病気をした際には、一人で判断・対応をする必要があります。子どもは体調を崩しやすいため、看護経験が浅い人や子どもの看護・育児をしたことがない方は、戸惑うこともあるでしょう。
また、ときには保護者対応をすることもあります。なかには、対応が難しい保護者もいるため、困ってしまうことがあるでしょう。
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訪問看護ステーション
訪問看護ステーションに勤務する看護師は、病気や怪我により在宅療養が必要な患者さんの自宅を訪問して看護を行います。行う業務は健康状態の確認や服薬管理、体温・血圧・血糖値などの測定、呼吸器の管理、日常生活のサポートなどです。
メリット
- 一人の患者さんと密に関われる
- 自分のペースで働ける
- 夜勤がない
- 土日祝日は休みの場合が多い
訪問看護ステーション勤務の看護師は、基本的に一人で訪問するため自分のベースで働けるのがメリットです。ほかの看護師の目がないため、ケアをしているときに緊張しづらいという人もいるでしょう。また、一人の患者さんと密に関われるのも訪問看護の醍醐味です。
デメリット
- オンコールがある
- 高い看護知識や技術を求められる
- 患者さんと人間関係の構築が難しい場合がある
- 訪問先の環境が過酷なことがある
訪問看護は夜勤がない代わりに、オンコール対応があることがほとんどです。オンコール当番のときには、つねに電話を意識して気が休まらない人もいるでしょう。患者さんから連絡があれば、たとえ深夜であっても対応せねばならず、場合によっては実際に訪問しなければなりません。
訪問看護は患者さんと密に関われる一方で、信頼関係を構築するまでに時間がかかる場合があります。また、訪問先によっては冷暖房完備がなかったり、不衛生だったりする場合もあります。
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企業の健康管理部門
看護師の勤務先として、一般企業の健康管理部門があります。企業で働く看護師は「産業看護師」といわれており、主な業務は職員の健康管理や急病・怪我の処置、メンタルヘルスケアなどです。主に大手企業が産業看護師を導入している傾向にあります。
メリット
- カレンダー通り休める
- 給料水準が高い
- 医療行為が少ない
勤務先が一般企業ということもあり、カレンダー通りに休めるのがメリットです。ゴールデンウイークやお盆、年末年始などの長期休暇もあるため、家族や友人と予定を合わせやすいでしょう。
また、看護師を雇用している企業はほとんどが大企業であるため、給料水準が高めに設定されているのも魅力です。
デメリット
- メール確認や資料作成など、看護業務以外が多い
- 相談相手が少ない
- PCスキルやビジネスマナーを求められる
一般企業で働く看護師は看護業務以外にメール確認や資料作成などを行うため、PCスキルを求められます。また、病院勤務では馴染みのないビジネスマナーにも最初は戸惑ってしまうでしょう。
なお、産業看護師の求人は数が少ないうえ、非公開求人の場合がほとんどです。そのため、自分ではなかなか探しにくく、仮に求人を見つけたとしても、すでに採用が決まっている場合があります。企業での勤務を希望する方は、転職サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめです。
美容クリニック
美容クリニックは、特に若い看護師に人気の勤務先です。美容医療がメジャーになってきた近年、看護師の需要も伸びています。
美容クリニックでは、看護師は主にカウンセリングや医師の診療・オペの補助、レーザー治療、ピーリングなどの薬剤塗布、美容点滴、術後のアフターケアなどを行います。
メリット
- 美容の知識が身につく
- 残業が少ない
- 夜勤がない
- 通勤しやすい立地にある
美容クリニックは基本的に予約制のため、残業が少ない傾向にあります。入院施設がないクリニックであれば、夜勤もありません。集客力をあげるために駅の近くに立地していたり、駅ビルに入っていたりするので、通勤しやすいのも大きなメリットといえます。業務上、最新美容の知識が身につくため、美容に興味がある方にとって魅力的な勤務先です。
デメリット
- 接遇マナーが求められる
- ノルマがある場合がある
- 土日祝や大型連休は休みが取りにくい
- 看護師経験としてカウントされにくい
美容クリニックでは患者さんではなく、お客様として対応するため接遇マナーが求められます。クリニックによってはノルマが設定されていることもあり、営業力が求められるでしょう。また、お客様が多いのは土日祝や大型連休のため、一般的な休日には休みが取りにくいといえます。
美容クリニックでの施術は一般的な看護とは異なるので、看護師経験としてはカウントされにくいのもデメリットです。たとえ美容クリニックで10年勤めても、看護技術の向上は難しいといえます。
ツアーナース・イベントナース
ツアーナースとは、学校や企業などの団体旅行に添乗して、参加者の体調管理や傷病人の看護をする看護師のことです。同行するツアーが決定したら、前日までにツアーのスケジュールや参加人数などの打ち合わせも行います。
イベントナースは、スポーツイベントやライブ会場、お祭り会場などの救護室で傷病人の看護をする看護師のことです。
メリット
- 自分の都合にあわせて働ける
- ツアーナースは仕事をしながら旅行を楽しめる
- 煩わしい人間関係に悩まなくて良い
- 単発であるため、毎回新鮮な気持ちで仕事ができる
ツアーナース・イベントナースともに、単発バイトでの仕事が多いのが特徴です。そのため、煩わしい人間関係に悩まなくて済むほか、自分の都合にあわせて働けるのがメリットといえるでしょう。
ツアーナースの場合は、仕事をしながら旅行を楽しむことも可能です。また、ツアーナース・イベントナースともに傷病人が出なかった場合、行う看護業務はありません。
デメリット
- 業務時間が明確ではない
- 時期によっては求人が少ない
- 旅行・イベント中に何が起きるかわからない
- 一人で判断・対応しなければならない
旅行やイベントはある程度終了時間は決まっているものの、必ずその時間に終われるとは限りません。そのため、予定よりも長い勤務になる可能性があります。
また、旅行・イベント中は何が起きるかわからないうえ、傷病人が出た際は基本的に一人で対応しなければならないので、精神的負担は大きいといえます。
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コールセンター
一般企業や製薬会社、自治体のコールセンターに勤務し、健康相談や問い合わせに対応します。2020年からは、新型コロナウイルスに関連するコールセンターの求人が増えました。看護師の知識を活かして働けるデスクワーク業務です。
メリット
- 体力的な負担が少ない
- 休憩がしっかり取れる
- お手洗いや給水が自由にできる
- 残業が少ない
コールセンターでは基本的に座りっぱなしなので、患者さんの介助をしたり動き回ったりといった看護師特有の体力的負担はありません。患者さんに左右されないため、休憩時間をしっかり確保できるほか、お手洗いや給水も比較的自由にできます。
デメリット
- 繰り返しの作業で仕事が単調
- 暇な時間がある
- 聞き取りにくい電話がある
- クレームの電話がある
コールセンターは座りっぱなしで体力的負担が少ない反面、繰り返しの作業で仕事が単調というデメリットがあります。時間や時期によっては電話が掛かってこないこともあるため、暇疲れすることもあるでしょう。
また、相手の状況や電波によって電話の声が聞き取りにくいことがあります。何度も聞き返すと不機嫌になってしまう人もいるので、注意が必要です。ときには、クレーム電話の対応をすることもあります。なかには、理不尽なことを言ったり、暴言を吐いたりする人もいるため、精神的負担は大きいといえます。
のんびり働きたい看護師におすすめの診療科

病院でのんびり働きたい方は、自分に合った診療科を選ぶのがおすすめです。以下では、各診療科の特徴と働くうえでのメリット・デメリットを紹介します。
皮膚科
皮膚科は外来診療がメインの診療科です。看護師の主な業務は医師の診療の補助としてガーゼの交換や軟膏を塗布するほか、薬の使用量や使用方法などを説明することです。
メリット
- 夜勤がない
- 重症の患者さんが少ない
- ブランクがあっても働きやすい
皮膚科は外来診療がメインで病床を持つ病院は少ないため、夜勤がない勤務先がほとんどです。重症の患者さんも他科に比べたら少なく、難しい処置はそれほどありません。そのため、ブランクがある方も働きやすいといえるでしょう。
デメリット
- 病棟経験・看護経験を活かしにくい
- 器具や薬を覚えるのが大変
- 残業が発生する可能性がある
皮膚科は他科では見ない特殊な器具を使うことが多いため、はじめは一つひとつの名前や使い方を覚えるのが大変です。また、他科では総称として呼ばれる外用薬も、皮膚科では名前・種類・用法用量などが細かく決められています。実務よりも器具や薬を覚えるのが大変といえるでしょう。
なお、皮膚科はやけどやアレルギーなど突発的な症状で来院する患者さんが多いため、駆け込みの受診があるときは残業になる場合があります。
眼科
眼科では検査を行うことが多く、医療行為は少ない傾向にあります。視能訓練士が在籍している場合は、視能訓練士が検査を行うため、看護師はサポート役に徹することがほとんどです。看護師は医師や視能訓練士の検査の補助、患者さんへ検査や点眼の説明、点眼の実施などを行います。
メリット
- 夜勤がない
- 体力的負担が少ない
- 生死に関わる病気が少ない
眼科も夜勤がある病院は少なく、手術を行っても日帰りの場合がほとんどです。主な業務は検査で、生死に関わる病気が少ないため、体力的・精神的負担は少ないといえます。
デメリット
- 専門性が高い
- 手術を行う眼科は覚えることが多い
- 機械操作が多い
眼科は専門性が高い診療科です。手術を行う眼科では、特に覚えることが多いでしょう。視能訓練士が在籍していない場合は看護師が検査を行うため、機械操作も覚える必要があります。
耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科では、耳、鼻、咽頭・喉頭、食道・気管などの症状を診察します。主な疾患は風邪や花粉症、アレルギー、中耳炎、外耳炎、突発性難聴、メニエール病、副鼻腔炎、睡眠時無呼吸症候群などで、花粉症の時期は特に忙しいのが特徴です。看護師は、医師の診療補助や聴力検査、注射・採血などを行います。
メリット
- 夜勤がない
- 生死に関わる病気が少ない
- 身近な病気について詳しくなる
耳鼻咽喉科も夜勤はほとんどありません。身近な疾患が多く、予防や対処法が身につくでしょう。
デメリット
- 検査機器の種類が多い
- 耳が聞こえない・声が出しにくい患者さんの対応に留意が必要
- 繁忙期はとても忙しい
耳鼻咽喉科では扱う検査機器の種類が多く、名前や使い方を覚えるのが大変です。また、耳が聞こえなかったり、聞こえにくかったりする患者さんが来院するため、患者さんの疾患を把握して声掛けに留意する必要があるでしょう。
なお、花粉症の時期は患者さんが次から次に来院し、一息つく暇もないほど多忙です。繁忙期は残業になることも考えられます。
精神科・心療内科
精神科は心の症状や病気を専門としており、主な疾患はうつ病や認知症、統合失調症、パニック障害、双極性障害などです。一方、心療内科はストレスなどが原因で身体に現れる症状を扱います。いずれも心に不調を抱えた患者さんが来院する診療科で、併設している病院が多い傾向にあります。
精神科・心療内科の看護師の役割は、医師の診療を補助したり、患者さんの緊張や不安を和らげたりすることです。
メリット
- メンタルケアに関する知識が身につく
- 心療内科は夜勤がない
精神科・心療内科は投薬治療が中心のため、高度な医療技術や看護技術を求められることはありません。業務上、メンタルケアに関する知識が身につくため、プライベートで役に立つこともあるでしょう。また、心療内科であれば外来診療がほとんどで病床を持っていることは少ないので、夜勤がないのも魅力です。
デメリット
- 医療・看護技術を学ぶ機会が少ない
- 人によっては大きなストレスを感じる
精神科・心療内科は投薬治療が中心であるため、医療・看護技術を学ぶ機会は少ないといえます。看護技術のスキルアップを目指す人には、物足りない環境といえるでしょう。
また、精神的に不安定な患者さんとコミュニケーションを取るのは難しく、なかには暴れる人もいます。
人工透析科
人工透析科は、病気によって腎臓が正常に機能しなくなった患者さんに対して透析治療を行う診療科です。患者さんは、週に3日ほど来院して約4時間の透析治療を受けます。人工透析科の看護師の役割は、透析の準備、穿刺・抜針・止血、透析中の看護、健康管理・指導を行うことです。
メリット
- 基本的に日勤のみ
- ルーティンワーク
- 患者さんと長期間関われる
一部の病院以外は日中に透析治療を行っていることがほとんどなので、日勤のみで働けます。また、行う業務は同じなので、ルーティンワークに魅力を感じる人にとって最適な診療科といえるでしょう。透析治療は多くの場合一生行う必要があるため、患者さんと長期間関われることも魅力です。
デメリット
- 透析に必要な技術を身につける必要がある
- 透析以外の知識・技術が身につかない
- オープンフロアのためプレッシャーを感じやすい
人工透析科では、ほかの診療科では馴染みのないシャント穿刺の技術を身につける必要があります。特にシャントを造設したばかりの患者さんは穿刺するのが難しく、高い技術が必要です。また、その専門性の高さゆえに、透析に関する知識・技術以外のスキルアップは難しいといえます。
なお、人工透析室は基本的にオープンフロアなので、ほかの患者さんや看護師の目が気になって、プレッシャーを感じる人もいます。
まとめ
「人員にゆとりがある」「残業がない」「ルーティンワークが多い」「医療行為が少ない」など、看護師によって求める職場環境は異なります。のんびり働きたいと考えている方は、まずは「自分にとってのんびり働ける職場とは何か」を考えてみましょう。無理せずにのびのびと働ける職場の特徴を知ることで、自分にぴったりの勤務先を見つけやすくなります。
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