コロナ第6波で、施設入所中の高齢者の状態が悪化した時、救急要請をしたものの行き先が決まらずに立ち往生してしまうことが多々起こっている。受け入れ側としても、入院患者さんや職員の感染が相次ぎ、なかなか24時間通して平時の受け入れを続けるのは困難な状況である。そして、感染者が存在する施設や、急性期以降の病院でも同様の状況となっており、受け入れられたとしても出口問題が解決できずに、次の患者が受け入れられなくなる。この問題は救急外来のみでは解決が難しい。
当院の界隈では、施設の嘱託医や訪問診療に携わる医師と病院が連携をすることにより、施設入所者の体調悪化時に入院先の確保をする体制がある程度整っている。発熱をしたが、入院が必要かどうかまではわからない、という状況でいきなり救急車を呼ぶと、搬送先の選定において、需要供給バランスが崩れているときには特に選定困難に陥りやすくなる。ここで、体調悪化時に入院をするか、できる限り自宅や施設で過ごすのか、どんな状態まで悪化したら入院を考えるか、という点などを整理し、病診連携がとれていると、受け入れ側も準備する猶予が発生するので、病床調整などの対応がしやすくなる。初療を訪問診療医が行うか、ある程度の規模のERで行うか、というのは都市の規模や医療の充実度によっても変わるかもしれないが、入口問題の整理は出口問題の整理にもつながる。どのような状態になったら退院を考えるか、ということも含めて受け入れると、治療目標も立ちやすい。
救急搬送先の選定困難の問題は今に始まったことではなく、既に需要と供給のバランスが限界だったところに、少し需要が増えて供給が減ることにより、もともと抱えていた問題が露呈しただけのことである。今後の連携強化につなげる好機としたい。
薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院院長)[新型コロナウイルス感染症][病診連携]
出典:Web医事新報
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