「忌引き休暇」とは、ご家族が亡くなった際に、葬儀の準備や参列のために会社を休める制度のことです。看護師はシフト制で働いていることが多いため、ほかの職業に比べて休暇取得が難しいと感じる方もいるかもしれません。日数などは職場の規定によるものの、忌引き休暇は、看護師にも適用される大切な権利です。
当記事では、看護師やそのほかの職業の方も含め、忌引き休暇を取得する際に知っておきたい情報を詳しく解説します。
忌引き休暇とは?
「忌引き休暇」とは、身内に不幸があった際に取得できる休暇のことです。葬儀の準備や参列のため、故人を悼む時間を確保するため、喪に服して気持ちの整理をするためなどの目的で設けられている休暇です。
会社によっては「慶弔休暇」という名称で扱われます。慶弔休暇は慶事(結婚、出産など)と弔事(死亡)の両方に利用できる休暇のことです。
忌引き休暇は有給?
忌引き休暇が制度としてあるかどうか、および有給か無給かは会社によって異なるため、まずは就業規則で確認するようにしましょう。就業規則には、一般的に以下の点が記載されています。
- 忌引き休暇の対象となる親族
- 忌引き休暇を取得できる日数
- 忌引き休暇中の給与の扱い
- 忌引き休暇を取得するために必要な手続き
会社の就業規則で定められている忌引き休暇の期間よりも長く休む必要がある場合は、残りの期間を有給休暇でカバーするか、無給で休むかの2つの選択肢が考えられます。
忌引き休暇の期間
忌引き休暇は、会社によって制度が異なるため、取得できる日数や対象となる親族の範囲も会社ごとに異なります。一般的には、故人との続柄が近いほど、より長い期間の休暇を取得できることが多いようです。
基本的には、以下のようなケースが一般的です。
- 配偶者:7~10日間
- 父母・子:5~7日間
- 祖父母・兄弟姉妹・配偶者の父母:3日間
- 孫・おじおば・配偶者の祖父母・配偶者の兄弟姉妹:1日間
なお、国家公務員の場合は、人事院規則によって以下のように定められています。地方公務員の場合は、各自治体によって規定が異なります。
【国家公務員の場合】
故人との続柄 | 一般的な休暇日数 |
---|---|
配偶者 | 7日間 |
父母 | 7日間 |
子 | 5日間 |
祖父母 | 3日間 (職員が代襲相続し、かつ、祭具などの承継を受ける場合は7日間) |
孫 | 1日間 |
兄弟姉妹 | 3日間 |
おじ・おば | 1日間 (職員が代襲相続し、かつ、祭具などの承継を受ける場合は7日間) |
父母の配偶者、配偶者の父母 | 3日間 (職員と生計を一にしていた場合は7日) |
子の配偶者、配偶者の子 | 1日間 (職員と生計を一にしていた場合は5日) |
祖父母の配偶者、配偶者の祖父母 | 1日間 (職員と生計を一にしていた場合は3日) |
兄弟姉妹の配偶者、配偶者の兄弟姉妹 | 1日間 (職員と生計を一にしていた場合は3日) |
おじ・おばの配偶者 | 1日間 |
忌引き休暇の連絡はどのように行う?

忌引き休暇を取得する際、直属の上司に直接、または電話で連絡するのが一般的であり、最も丁寧な方法とされています。しかし、やむを得ない場合はメールや社内チャットなどで連絡してもかまいません。
やむを得ずメールや社内チャットで連絡する場合の書き方、および送付タイミングの注意点は、以下の通りです。
【書き方】
件名
「忌引き休暇のお願い」など、一目で内容が分かるようにしましょう。
本文
- 亡くなった方の続柄と氏名を明記します。
- 休暇を取得する期間を具体的に記載します。
- 緊急の連絡に備え、連絡がつく電話番号やメールアドレスを記載します。
- 業務の引継ぎに関する事項を簡潔にまとめます。
- ご迷惑をおかけすることへのお詫びを述べます。
【送るタイミング】
可能であれば、早朝や深夜など、相手が迷惑に思う時間帯を避けつつ、なるべく早い段階で連絡しましょう。
以下の例文もぜひ参考にしてみてください。
件名:忌引き休暇のお願い
〇〇さん(役職で呼んでいる場合は、「○○課長」など)
お疲れ様です。○○(自分の名前)です。
突然のことで大変恐縮ですが、昨晩、父が急逝いたしました。つきましては、〇月〇日から〇月〇日まで、忌引き休暇を頂戴したいと考えております。
人事部には連絡済みであり、のちほど社内申請を上げさせていただきますので、ご承認のほどよろしくお願いいたします。
急なご連絡となり、大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
〇〇部
〇〇(氏名)
電話番号:〇〇
メールアドレス:〇〇
忌引き休暇を取得するときの注意点

忌引き休暇は、多くの場合が突然の出来事で慌ただしく取得することになります。周囲にかかる負担を最小限に抑え、ゆっくりと喪に服すためにも、忌引き休暇を取得する際には以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
就業規則を確認しておく
忌引き休暇を取得する際には、会社の就業規則をしっかりと確認することが重要です。会社の規定を事前に把握しておくと、忌引き休暇の取得手続きをスムーズに進められます。
就業規則が見当たらない場合は、人事部に問い合わせましょう。会社によっては、社内イントラネット上で就業規則が公開されている場合があります。
また会社の規定によっては、慶弔給付金が支給されるケースがあります。慶弔給付金とは、従業員やご家族に慶事や弔事があった際に、会社から支給されるお金のことです。忌引き休暇の場合、弔事に対する見舞金として支給されるケースが一般的です。慶弔給付金を受け取る際は、死亡診断書のコピーなど、証明書類が必要となる場合があります。慶弔給付金の有無・手続き方法も就業規則に記載されているので確認しましょう。
連絡は早めに行う
忌引き休暇を取得する際には、できるだけ早く上司や自分が所属するチームに連絡することが重要です。早めに連絡しておくと、会社側が業務の引継ぎや代替者を手配する時間を確保できます。
特に看護師の場合はシフト制で働く人が多いため、急に休むとなると、ほかのスタッフに少なからず負担がかかります。可能な限り早めに上司や関係者に相談し、シフトを調整してもらいましょう。
引継ぎはしっかり行う
忌引き休暇を取得する際は、ご自身の業務をしっかり引き継ぎ、同僚への負担をなるべく減らすことが大切です。
業務内容、進捗状況、今後のスケジュールなどを具体的に説明しましょう。可能であれば、口頭で説明・補足できると相手に対して親切な印象を与えられます。また、何かあったときに質問ができるよう、連絡先も共有しておくと安心です。
復帰後はきちんと挨拶をする
忌引き休暇中は、自分の業務を上司や同僚が代わりに負担してくれています。忌引き休暇から職場に復帰する際は、同僚や上司など、周囲の方々へ挨拶し、感謝を伝えることが大切です。挨拶は始業前に行い、同僚からは休んでいた間の仕事についてきちんと引き継ぐ必要もあります。
挨拶の内容としては、忌引き期間中に業務を代行してくれたことや、心配してくれたことに対して、しっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。休みをもらったことで、故人ときちんとお別れができた旨も伝えると丁寧です。
まとめ
忌引き休暇は、看護師にとってもほかの職業の方々と同じように、大切な制度です。職場によって、忌引き休暇に関する規定は異なるため、対象となる親族や休暇取得日数、手続き方法などを事前に確認しておくとスムーズです。
職場を選ぶときは、忌引き休暇をはじめとした休暇制度や福利厚生が充実しているかどうかも大切なポイントです。マイナビ看護師は、看護師のための無料で利用できる転職サイトであり、キャリアアドバイザーが転職活動をしっかりとサポートいたします。まだ転職を迷っている方でもご相談が可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※当記事は2024年10月時点の情報をもとに作成しています
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