• 2016年7月22日
  • 2021年11月15日

看護師の「9割超」が身体、精神の疲労を訴える/「高学歴看護師」が増加

 

看護師の「9割超」が身体、精神の疲労を訴える

全国大学高専教職員組合が国立大学病院勤務の看護師を対象に行った「労働状況に関する調査」によると、9割の看護師が「疲れる」と回答したことがわかりました。
看護師の仕事は交代制勤務が多く、不規則で体力的にもきついもの。とくに夜勤は、休憩も満足にとれない働き詰め状態でありながら、時間通りに終わらず残業という看護師も少なくありません。

さらに、医療ミスに対する看護師への直接的な訴訟や、クレーマー患者の対応、認知症や精神不安の強い患者との関わりで精神的に追い込まれてしまうことも。そういった現場の背景が、この調査結果に反映されていることが考えられます。
この状況を打開するためにも看護師の人数を増やすことが求められますが、超高齢化社会の影響で手術件数や外来患者が増加し、現場では増員を実感できないという声も。
このような現状を受け、近年、看護協会を中心に労働条件の見直しや看護師向けのカウンセリング、ストレスマネジメント研修などが検討されており、看護師の疲労軽減が期待されています。

4年制大学卒の「高学歴看護師」が増加

近年、4年制大学で看護系の学部・学科の新設が続いており、4大卒の「高学歴看護師」が増えてきています。
4年制大学の看護学部の数はこの25年で約20倍以上、定員数で38倍超に増加。この要因として、医療の高度化、チーム医療における看護師の役割が大きくなっていることが考えられます。 看護師に要求されるレベルは年々上がっており、最近では看護師が患者の状態変化を早期発見し、治療に向けて主体的に医師へ働きかけることを要求されることも。ヨーロッパ先進9カ国の調査では、4大卒以上の高学歴看護師が増えると患者の死亡率が下がるという研究データもあり、看護師に高度な知識、技術が求められていることがわかります。
実際に、4年制大卒の看護師はアセスメント能力に優れ、リーダー的立場になっている人も多いため、4年制大卒の看護師の初任給を短大・専門卒に比べ5~10%程度高めに設定している病院もでてきています。

文:看護師 水谷良介

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