• 2020年10月28日
  • 2022年5月13日

マスク着用下で高齢の患者さんと接するコツ

 

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、「新しい生活様式」の一つとしてマスクの着用が推奨されています。 しかしマスク着用下では、お互いに「声が聞き取りにくい、表情が伝わりにくい」という状況になるため、患者さんと接するときには、より一層注意が必要です。
中でも高齢の患者さんとコミュニケーションを取る場合は、特に接し方を工夫することが重要です。 今回は、マスク着用下の高齢の患者さんとの接し方についてご紹介します。

マスク着用時はお互いの声が聞き取りにくくなりがち

マスクを着用した状態での会話は、お互いにこもった声になりがちです。 特に聴力の低下がみられる高齢の患者さんと会話する場合、相手は懸命にこちらの言葉を聞き取ろうとしてくれますが、分かりにくさから途中で聞き取りを諦めてしまうことがあります。そういった諦めやお互いの聞き間違いは、インシデントにつながる場合があるので注意が必要です。 例えば初診の外来患者さんの場合、聞き間違いから、症状とは別の診察や治療につながってしまう可能性も考えられるのです。

マスク着用時は伝え方に注意して

看護師による確認不足も原因の一つですが、「伝え方やコミュニケーションの取り方」が聞き間違いの原因になることも考えられます。 マスク着用時は、普段よりも大きな声でゆっくり・はっきりと伝えるように心がけましょう。
また、大きく頷いたり、身振り手振りを交えて説明したりと、ジェスチャーも取り入れてみてください。 相手もマスクをしている場合は、相手の表情もわかりにくくなります。何度も聞き返されたり、言動から理解していないように感じたりした場合には、視覚的にも分かりやすい筆談も視野に入れましょう。

目元を意識した表情づくりを

「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、言語的コミュニケーション以外にも相手に伝える方法はあります。非言語的コミュニケーションで用いられる、目、表情、頷き、姿勢、態度、しぐさ、距離感など、言葉以外のものが徐々につくり出す雰囲気は安心感をもたらします。
しかし、マスク着用時は顔の半分がマスクで覆われ、患者さんにこちらの表情が伝わりにくくなります。 高齢の患者さんは特に、一人ひとりの顔を判別したり覚えたりすることが難しいという方も少なくありません。普段よりも表情がわかりにくいということだけで、相手に冷たい印象を与えてしまうこともあるので注意しましょう。
マスクの下で笑顔を浮かべても、口元だけで笑っていては伝わりません。マスク着用時は、マスクの外に出ている目元を意識してコミュニケーションを取るよう心がけてみてください。このとき、声のトーンにも注意し、高齢者が聞き取りやすい低めの声で、ゆっくり丁寧に話しましょう。

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患者さんの気持ちやニーズを汲み取り、異常の早期発見につなげるためにも、マスク着用下では相手の言動をしっかり確認し、普段よりもさらに表情・表現を意識したコミュニケーションを心がけてみてください。

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