• 2015年5月5日
  • 2021年10月14日

PNSの導入で新たな課題が浮き彫りに/他

 

PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)は、看護師が2人1組で協力し、効率的に看護業務を行う新体制です。医療ミスの防止、知識や情報の補完・共有、コミュニケーション活性化など、さまざまなメリットがあるのが特徴で、患者に安心・安全な看護を効率的に提供できるシステムとして導入する病院が増えています。

しかし、中には「パートナーの看護師と息が合わない」「ベテラン看護師への負担が大きすぎる」などの声も多く、賛否両論の意見が挙がっています。
多くの人員を必要とするため、看護師の人数確保が必要なこのシステム。十分な休日数の確保や現状の離職率など、さまざまな条件を考慮した冷静な判断が、導入成功の鍵を握っているといえるでしょう。

病院内移動支援システムの開発で負担軽減図る

慶應義塾大学の三村將教授、西山敏樹特任准教授が豊田自動織機と共同で開発した「病院内移動支援システム」。ステーション端末で利用を予約して、到着した移動用ユニットに乗れば、患者は病院内の目的地に自動で移動することができます。このシステムの導入により、スタッフによる移動介助の効率化が図られるため、患者と病院スタッフ、双方の負担軽減が期待されています。

移動中の運転操作は不要で、目的地設定や経路変更、オペレーションの中止も車載タッチパネルで行うことができます。移動速度は時速1.2~1.8km程度(乳児がハイハイする速度)であり、周囲に障害物を検出すると自動的に減速し緊急停止。患者が足を少し前に出しただけでも停止でき、安全性も考慮された移送手段です。今後はショッピングセンターや駅など、活動範囲を広げた使用も検討されています。

文:看護師 水谷良介

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