訪問看護をしている看護師として、利用者さんのご家族のケアや要望にどこまで対応するべき？ これって業務範囲外では？ このお悩みに対して人気ブロガーのDJあおいさん、実業家のワタナベ薫さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします！
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
訪問看護の仕事はどこまで？「前任者はやってた」と比較され業務外の仕事もやる羽目に。
掃除や洗濯などの家事はさすがに頼まれませんが、利用者さんの健康に関した話からどんどん飛躍して世間話に発展するので、切り上げ時がわかりません。
結構話も長くて、「これって看護師の業務？」と思い悩みつつも言えず……。
「前任者の方はこれもやってくれてた」「話し相手になってくれた」なんて比較されて、非常にやりづらいです。話を聞きたい気持ちは気持ちは山々ですが……。
スペシャリスト3人のアドバイスは？
産業医
井上智介さん
ただ「雑談は看護師の仕事ではありません！」とスッパリ切りあげるのも、なかなか難しいですよね。雑談から生まれる信頼関係によって、あなたになら相談できることも出てくるかもしれませんから。
ですが、業務となれば、ずっと雑談に付き合うことも出来ないでしょうから「次の訪問があるので15時に出ますね」など、最初から滞在可能な時間を伝えておくのもいい方法です。他にも事前にアラームをかけておいたり、物理的に話を切り上げる工夫も悪くないですね。
また、ご家族と話をする時は、できるだけあなたとご家族の間に「患者さんの話題という架空のボール」が置かれている意識をもって対話しましょう。そのボールを意識しながら話すことを心がけると、もし話が逸れそうになっても、あなたも早めのタイミングで軌道修正して必要な情報を効率よく聞くことができますよ（by 井上智介さん）。
作家・実業家
ワタナベ薫さん
訪問看護は、時間が決まっていませんか？ 一見看護とは関係ないと思えてもそこから何か拾えることがあるかもしれないので、時間までは世間話をするのも大切です。ヒアリングの一環と思えたら少しはラクかもしれません。
もちろん、時間が来たら話の途中でも切り上げる必要があります。それがまた難しいのですが……。
私が使っている方法は、話の途中でも、ちょっとだけ大きな声で「はっ、すみません！ もっとお話をお聞きしたいのですが、次の訪問がございますので、また続きは次回教えてくださいね！」で切り上げてみる。ぜひ活用してみてくださいね（byワタナベ薫さん）。
人気ブロガー
DJあおいさん
相手に会話の主導権を握られているということは、相談者さんはその会話にあまり積極的ではないということですよね。
受動的な人にありがちなことなのですが、受動的ゆえに相手に主導権を握られ、切り上げたくても切り上げられないというジレンマに陥ってしまうのです。
友人などの気心が知れた関係なら、勝手に喋らしておけばいいのですが、相談者さんが責任のある立場である以上、ただの世間話でも主導権は決して譲らないことです。
積極的に世間話をして主導権を握ってしまえば、いつ切り上げようとこちらのさじ加減になりますからね。決して受動的にならないように、積極的に話しかけて主導権を握るように心掛けてください（by DJあおいさん）。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか？ 利用者さんのご家族のケアも訪問看護の一環ですが、仕事においてはイニシアチブを握って取り組むのが良さそうですね。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成／藤田佳奈美（TAC企画）
井上智介さん
産業医／精神科医／yahoo!ニュース公式コメンテーター島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』（大和出版）など。
ワタナベ薫さん
株式会社ＷＪプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。
DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ！ 』（ワニブックス）、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』（KADOKAWA）、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』（幻冬舎）など。
