• 2023年11月1日
  • 2023年11月1日

第112回看護師国家試験(2023年)まるわかりガイド

 

2023年2月12日(日)に 第112回看護師国家試験が実施されました。受験された皆様、お疲れ様でした!
本記事では、試験直後の受験者の皆様の声や、3月24日(金)の合格発表までに確認しておきたい合格基準(ボーダーライン)などについてまとめました。受験生の皆さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

看護師国家試験日程一覧_第112回_2023年

速報!2023年(第112回)看護師国家試験、難しかった? SNSの反応は?

Twitter上では、試験後の感想や自己採点結果に関する投稿が多く見受けられました。受験者の皆さんのリアルな感想をピックアップしています。

▼2023年2月12日実施:第112回看護師国家試験速報はこちら
速報!2023年(第112回)看護師国家試験、難しかった? SNSの反応は?

第112回看護師国家試験(2023年)の振り返り

第112回看護師国家試験は例年と比較して難しかったのでしょうか?難易度や出題傾向、来年度の第113回看護師国家試験に向けた対策について、大阪医専の関谷浩一先生、名古屋医専の村上信子先生が解説します。

第112回看護師国家試験では、昨年までに比べて臨床を想定した問題が頻出していました。コロナ禍において臨床での実習の経験が少なく、対象の置かれている状態がイメージしづらい傾向にあったからだと思われます。日本看護協会の看護基礎教育検討会での報告書にも「臨床判断能力の強化が必要」とあり、国家試験でも問われることにつながっていると推測します。
また、過去問からの改編問題については、過去問を解いた知識で解ける問題もありましたが、設問文が長くかつ問い方がひねられていたために、いままでの知識に加えてより深く学習しておかないと解けない問題もありました。

そして、必修問題のなかにも難易度が高い問題もあり、一般問題では法律や薬や検査に関する問題でそれぞれ難易度が増していた印象です。状況設定問題においては、母性看護学にて一部助産師レベルの内容が問われる問題もありました。さらに新出題基準からの問題や初出題の問題もあり、試験問題を目にした学生は動揺や難易度の高さを感じたのではないでしょうか。
過去問に加え、模擬問題にも十分に知識を深めなければ解けない問題もあることから、問題を解くだけではなく、テキストまで戻り臨床判断能力を働かせてより深く学習することが今後はさらに必要になるといえます。
  
学校法人日本教育財団 大阪医専     
実践看護学科
関谷浩一先生
※主な職歴:医療法人社団 更生会 草津病院
※保有資格:看護師

第112回看護師国家試験からは新出題基準となり、必修問題を含め全体的に思考を追究する問題が増加したことから難易度が上がりました。合格予想を出している各予備校なども、昨年と比べ平均点が15点下がっていることを公表しています。
今年度の試験の動向として注目すべき点としては、単に過去問や参考書だけの知識にとどまらず、看護実践から学ぶ知識についての問題が多く出題されていました。たとえば血液透析の半透膜の原理を理解して解く問題や、意識レベルをGCSで答えたり、糖尿病患者の事例から必要な栄養量を答えたりする問題などです。また、新たに設定された地域在宅看護論の分野では、災害時や臨死期の支援、使える社会資源や多職種の連携など幅広く、法律に関する問題も11問と増加していることを合わせて対象の状況と関連づけた学習の重要性が増しています。

以上より、今後も臨地実習が制約される状況であっても、可能な限り事例等を活用してさまざまな状況を設定し、多職種連携や社会資源の活用を含む学習をできるだけ早期から講義に取り入れることが大切となります。さらに、過去問を活用する際には解説書にとどまらず、しっかりと教科書に戻り理解していくことが合格につながる道と考えます。

学校法人日本教育財団 名古屋医専
高度看護学科
村上信子先生
※主な職歴:偕行会名古屋共立病院・厚生連海南病院(救急夜勤専従)
※保有資格:看護師


■専門学校 大阪医専
専門学校 大阪医専(大阪府)は、梅田駅前徒歩9分(地下歩道経由)の救急・看護・歯科・リハビリ・スポーツ・東洋医療・福祉分野まで学べる専門学校。多彩な学科がある環境で、チーム医療に対応するエキスパートを育成します。資格取得・就職においては、学校独自の保証制度『国家資格 合格保証制度』『完全就職保証制度』のもと、一人ひとりに合わせ、徹底してバックアップします。
https://www.iko.ac.jp/osaka

■専門学校 名古屋医専
専門学校 名古屋医専(愛知県)は、名古屋駅前、徒歩3分。(地下歩道経由)の救急・看護・歯科・リハビリ・スポーツ・東洋医療・福祉分野まで学べる専門学校。多彩な学科がある環境で、チーム医療に対応するエキスパートを育成します。資格取得・就職においては、学校独自の保証制度『国家資格 合格保証制度』『完全就職保証制度』のもと、一人ひとりに合わせ、徹底してバックアップします。
https://www.iko.ac.jp/nagoya


第111回看護師国家試験(2022年) 合格率

【昨年の国家試験の合格率です】

第111回看護師国家試験は、2022年2月13日(日)に行われ、出願者数65,684人、受験者数65,025人、合格者数59,344人となり、合格率は91.3%(昨年90.4%)。そのうち、新卒者は出願者数59,440人、受験者数59,148人、合格者数57,057人、合格率は96.5%(昨年95.4%)でした。

看護師国家試験 過去5年の合格率

看護師国家試験 過去5年の合格率推移グラフ

第111回看護師国家試験 合格基準

ボーダーライン(合格基準点)は、(1)必修問題(1問1点:50点満点)、(2)一般問題(1問1点:130点満点)および状況設定問題(1問2点:120点満点)において、(1)40点以上、(2)167点以上となりました。

看護師国家試験「一般問題+状況設定問題」得点率推移

参照:厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」

第112回看護師国家試験当日までの準備

当日の持ち物リスト

「計算機能や通信機能がついたデジタル時計」は使用禁止です。 ナースウォッチも避けましょう。 (過去にNGとされた試験会場も)

その他確認事項

 ・集合時間(余裕を持って出発しましょう)

 ・試験会場までのルートと所要時間 ※1

  ・試験室区分 ※2

  ・昼休み時間の過ごし方  ※3

 ・試験会場内のトイレ、仮設トイレの場所(混雑に備えましょう)

 ・自己採点用に、問題冊子に解答をチェック

※1:公共交通機関は平日と休日でダイヤが異なる場合もありますので、注意しましょう。また遅延などのトラブルに備え、会場への行き方を2~3パターン調べて紙やスマホにメモしておくと、何かあったときに慌てずに対応できます。

※2:試験室は受験番号ごとに割り当てられます。当日も掲示で確認できますが、万一試験室を間違えた場合、他の試験室では受験できないので、事前に把握しておきましょう。

※3:勉強する内容は事前に決めておくのがおすすめ。リラックスできるよう、糖分摂取できるチョコや飴なども準備しておくと良いかもしれません。昼食はおにぎりなどすぐ食べられるものを用意しておきましょう。

新型コロナウイルス感染症対策について

受験票と一緒に送られる「受験者留意事項」内に記載がありますので、必ずチェックし、体調管理に努めましょう!

※新型コロナウィルス感染症対策については、厚生労働省が別途受験者に向けた通達を出しています。詳しくは厚生労働省のサイトをご確認ください。

試験会場

出典:令和5年 医政局所管国家試験 試験場(予定)一覧|厚生労働省
 試験場等の状況によっては試験場が変更になる場合があります。必ず事前に厚労省HPをご確認ください。