「誰かがやってくれるだろう精神」の受け身な人が多すぎて、真面目で責任感の強い人がいつも取りまとめ役に…。このお悩みに対して精神科医の井上智介さん、看護師兼ロリータモデルの青木美沙子さん、ブロガーのDJあおいさんがアドバイスします!
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
責任感がある人ほど損な役回りに。「誰かがやってくれるだろう精神」の人に主体性を持ってもらうには?
だから責任感がある私がいつも率先して対応することになります。
それに対してみんな「ありがとう」とは言ってくれますが、真面目な私が損している気がしてしんどいです。
どうしたら周りの人も主体性を持って動いてくれるようになりますか?
スペシャリスト3人のアドバイスは?
たとえば、相手が先輩なら、できるだけ自分がへりくだって「自分だけでは荷が重いので、ひとつ相談させてください」と話しかけてみましょう。この言い回しであれば、先輩には自分が必要とされている喜びが伝わるうえに、「相談」という単語を使うことで、お願いしたい相手への負担感も減らすことができます。
一方で、後輩に手伝ってほしい時は、できるだけ「あなたにお願いしたい」と、ひとりに責任感を与える言い方は避けた方が賢明でしょう。最初のうちは二人チームで動いてもらうように仕向けてみて下さい。後輩には「これをやってもらったらみんなが助かる」という内容を伝えましょう。コンプライアンス意識の強い現代の若い世代では、「あなたにもメリットがあるからやろう」という働きかけより、職場全体のメリットの方が共感を呼んで、やる気を持って取り組んでくれるはずです(by 井上智介さん)。
でも負担が誰かに偏ってしまうのは不平等ですし、属人的になるので組織としても良くないはずです。
たとえば、「私はこれをやったからあなたはこれをやって欲しい」と仕事を振り分けるのがいいと思います。
黙って「自分ばかり…」と思いながら仕事をしているとストレスも溜まってきてしまうし、言わないと気づかない人もいるので、しっかり声をあげて業務分担をすることが大切だと思います(by青木美沙子さん)。
確かに真面目な性格と言えるのかもしれないし、責任感が強いとも言えるのかもしれませんが、それは独りよがりのスタンドプレーです。
「看護師はチームワークが重要」と本当に思っているのなら、なぜ話し合わないのか。
積極的な人がひとりいると一歩引いてしまう人もたくさんいます。
自ら手を挙げることが、でしゃばりだと思っている消極的な真面目さんもたくさんいます。
「私にやらせてください」と自己表現することができない不器用な人もたくさんいます。
みんながみんなの顔色を伺うのは、決してやりたくないから、イヤだからという理由だけではありません。
率先して仕事を奪う前に、「これ、どうしよう?」という相談の言葉がひとつあるだけで、一人に負担が偏ることもなく、その場の状況に応じた最適解や近似解が導き出されるのではないでしょうか。
これが「チームワーク」というものであり、相談も話し合いもなく仕事を奪ってしまうのはある意味チームワークを乱していることになってしまうのかもしれませんね(by DJあおいさん)。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか? メンバーの立場別の頼み方はもちろん、そもそも相談者さん自身が無意識に誰かの機会を奪ってしまっている可能性もあることがわかりました。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)
井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に「職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全」(大和出版)など。
青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌「KERA」「姉ageha」でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。
DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に「キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 」(ワニブックス)、「女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋」(KADOKAWA)、「結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。」(幻冬舎)など。