自分で判断して仕事をしても、指示を仰いでも怒られる……。何をやっても難癖をつけられるのは期待のあらわれ?そんなお悩みに、 産業医の井上智介さん、作家のワタナベ薫さん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!
イラスト:菜々子
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
「それくらい自分で考えて」「確認してからやって」上司の相反する指示、どうすべき?
「初めての業務なので教えていただきたい」と伝えても「自分で考えて」と突っぱねられます。一方で、自分で判断して行動しても、「勝手にやらないで。確認してからやって」と怒られます。
下調べをしてきたノートを見せても、重箱の隅をつつくようなダメ出しから始まり、詰めが甘いと怒られる毎日です。何をやっても難癖つけられます。
他の同期はそんなことないのに、なぜ自分だけ怒られるのでしょうか?
期待のあらわれと信じたいのですが、どう思いますか?
スペシャリスト3人のアドバイスは?
現実的にできることは、「鍛えてもらっている」「これに耐えたらどこでもやっていける」と前向きに考えながら、やり過ごすことかもしれません。
しかし、いくら心を無にしているつもりでも、心は傷ついているはずです。怒られた時に心を無にするのではなく、つらさや苦しみを素直に感じてみてください。
そして、傷ついた心を癒してください。たくさん寝たり、カラオケに行ったり、友達にグチったり、あなたなりの方法でリフレッシュを心がけ、心を癒してください。
「まだ大丈夫…」と思っている時点で、すでに心が悲鳴をあげています。そのときは配置転換の申し出や転職など、新しい環境に身を移すことも前向きに検討してくださいね(by 井上智介さん)。
▶︎私にだけ態度が違う先輩看護師。無視されることも…どう対応すればいい?
勇気がいるかもしれませんが、ここでご質問されていることを、その上司に、丁寧に言葉を変えて相談という形でお伝えしてみるのはいかがでしょうか?
コミュニケーション術、及び、人間関係の問題解決の一番良い方法は、「誰に相談するか」よりも、「当人に本当の気持ちをお伝えすること」です。ただし、言い方を吟味しなければなりませんが……。
もしかして、相談者さんにも落ち度があるのかもしれませんし、ただ単に上司の人格が未熟なために、後輩の行動を寛容に受け入れられないのかもしれません。
いずれにしても、相手に敬意を払いながらも当人に聞いてみることが1番早い解決策だと思います。もしかしたらあなたにとって成長につながる大きな学びが得られるかもしれません。しかし、勇気を持って話してみても上司の態度が変わらないのであれば、上の人に相談するのが近道です(by ワタナベ薫さん)
▶︎前の職場と何もかも違いすぎてモヤモヤ。郷に入ったら郷に従うべき?
私も1年目の時に同じような経験をしました。その時は、心を無にして働いていたら、2年目には何も言われなくなりました。
私に後輩ができると、私も先輩らしくなっていったので、上司に成長を感じてもらったのだと思います。
怒ってくれることは相談者さんがおっしゃるとおり、まさに期待のあらわれ。
怒るほうもエネルギーを使う訳なので、「自分のためにありがとうございます」という気持ちで受け止めて、前向きに頑張ってください!
絶対に上司から言われなくなる日は必ずきます。試練があるだけ成長します!
上司が怖いと怯えながら働くと逆にストレスも増え、患者さんに良い看護が出来なくなってしまいます。患者さん第一でありながらも、自分の成長のために頑張ってください。応援しています(by青木美沙子さん)。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 上司が怒る原因はなんなのか、上司はどう思ってそう接してくるのか、上司の視点で考えてみるのもいいのかもしれませんね。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・内山直弥(TAC企画)、構成/藤田佳奈美(同)
井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など
ワタナベ薫さん
株式会社WJプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。
青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。