• 2023年4月20日
  • 2023年4月17日

夜勤のお菓子係や議事録係など、無償で押し付けられた仕事を回避するには?

 

夜勤のお菓子係や議事録係など無償の仕事を押し付けられる……。持ち回りにしたいけど、うまく伝えられる自信がない。このお悩みに対して人気ブロガーのDJあおいさん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

夜勤のお菓子係や議事録係など、無償で押し付けられた仕事を回避するには?

相談者

月に数回、病棟内で研修や勉強会があるのですが、毎回私が議事録をとることになっています。去年までは議事録係は持ち回りでやっていたのですが、いつからか私が議事録を取る係で定着してしまいました。

何度か「これって持ち回りじゃないんですか?」と上司に聞いても「あなたの議事録が一番わかりやすいの」と言われてしまい……。それは素直に嬉しかったのですが、この仕事を引き受けたからといって役職手当などがつくわけではありません。

ほかにも私の病棟では、夜勤のお菓子を買ってくる係など暗黙の了解で決まっている役職みたいなものがあります。このようなふわっとした取り決めはどうやって断ち切ればいいのでしょうか?

やはり、私がメンバーにはっきりと「みんなで順番に担当しましょう」と提案すべきなんでしょうか? それはそれで上司やほかの看護師を敵に回してしまいそうで怖いです……。

スペシャリスト3人のアドバイスは?

人気ブロガー
DJあおいさん

議事録なんて、グーグルドキュメントに音声データを食べてもらえば割と簡単に出来そうですけどね。技術介入はそれほど個人差も出ないし、誰が上手いとか誰が下手とか、あまり関係ないような気もします。

相談者さんにだけ任せるなんて、これも古来より代々伝わる“シキタリ”ってやつなんですかね? 非公式の役職を各々に持たせて、責任感を養う儀式のようなもの。「議事録をまとめるのが上手だから」という便宜上の理由をつけてはいますが、本来は誰でもいいのかもしれませんね。

業務時間内に議事録の作成をやってもいいというのなら割とラッキーな役回りかもしれませんが、多くの場合は通常業務はしっかりこなし時間外で居残り作業、またはお持ち帰りになってしまうことが多く、しかも無償ときたら完全なるストレスの素。私なら夜勤のお菓子係に立候補するでしょう。

新時代は旧時代を壊すところから始まります。次世代のためを思うのなら、そろそろそんなガチャ要素満載のシキタリは壊した方がいいのかもしれませんね(by DJあおいさん)。


ロリータモデル・看護師
青木美沙子さん

病院によって暗黙の了解的なルールはありますよね。側から見たら変なルールなのですが、病院にいるとそれがわからず、辞めてから気づくことも多々あります。

とはいえ、看護師はチームで動いているのもの。仕事量(しかも無償)が増えた上に、それを1人で負担するのは誰が聞いても不平等だと思うので、持ち回りにするよう提案しても角は立たないと思います。

もし言いにくい状況なら、後輩に「議事録を書く練習になるからやってみて」と提案し、指導的な立場も理由に入れつつ、順番制にするのはいかがでしょうでしょうか? 実際に、相談者さん以外がきちんと議事録を書けないようでは、組織としてもよくない状態です。

改革して働きやすい環境にすることは、決して悪いことでも自分勝手なことでもありません。ぜひ提案してみてください! 応援しています(by青木美沙子さん)。


産業医
井上智介さん

あからさまに面倒な役を押しつけられると嫌ですね。相談者さんの、何とかしたいけど周りを敵に回したくない気持ちもよくわかります。

そもそも職場という場所は、合理性や能率性よりも“個々の感情”が主になることが少なくありません。ほとんどの人が「面倒なことは誰かにやってほしい」と思っています。その一方で「面倒なことは平等に」という暗黙の了解もあるので、みんなに負担が分配されることも珍しくありません。

しかし、相談者さんの職場では、負担が誰かに偏っている状態がまかり通っているので、そのような風習をどこまで変えられるか不透明ですね。

もちろん、アサーション(相手と対等な立場で自己主張するためのコミュニケーションスキル)を活用して、相手を刺激せずに意見を伝えたり、仲間を作って提案したりする方法もあると思います。しかしその結果、誰かを敵に回したり、傷ついたりする覚悟も必要です。

そこまでの覚悟がないなら、波風立てずに今の役割を甘んじて受け入れるのもひとつでしょう。今後、何か面倒なことを押しつけられそうになれば、「私は議事録の係りをやっているので」と、防御の盾として使うことを考えておく方が現実的ではないでしょうか(by 井上智介さん)。

▶看護師同士で夜勤時のお菓子の持ち寄りって必要? 職場の悪しき慣習を断ち切るには?


三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 暗黙の了解を打ち破る方法と、後輩に指導的観点でバトンタッチする方法、あえて引き受けることでほかの面倒ごとを回避する方法、意見がきっぱり割れました。負担はさておき、議事録を取るのが得意なのかどうなのかで選んでみても良いかもしれませんね。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。

青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

著者プロフィール