近年では国際化が進み、日本で暮らす外国人の数も増加しています。保健師や看護師など、医療や福祉、公衆衛生の現場で働く人の中には、今後のキャリア形成や転職に「英語が必要になるのでは」と考えている人もいるでしょう。
当記事では、保健師が英語を習得する必要性や働くうえでのメリット、英語を生かせる職場や必要となる英語力のレベルについて解説します。保健師が英語を身に付ける方法や、英語力を強みとして転職する方法も併せて確認し、スキルを存分に発揮できる職場で一段と輝くことを目指しましょう。
保健師に英語は必要? 英語を学ぶメリットはある?
保健師として勤務する場合、職場によっては英語力を求められる場合があります。この理由の1つとして、日本の医療や福祉、公衆衛生などの看護職が活躍する分野で、外国人をケアする機会が増えていることが挙げられます。
日本に在留する外国人や訪日外国人は増加傾向にあり、たとえば2019年末時点の在留外国人の数は、日本の総人口の約2.3%にあたる293万3,137人となっています。新型コロナウイルス感染症などの影響により、2020年末時点の在留外国人の人口は前年比で1.6%減少したものの、収束後には再び増加に転じると考えられるでしょう。
(出典:厚生労働省「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」)
(出典:出入国在留管理庁「令和2年末現在における在留外国人数について」)
在留外国人や訪日外国人が増加すれば、保健師が外国人をケアする場面も増えると考えられます。企業で働く産業保健師の場合、外国人従業員への対応で英語を使うケースも増加するでしょう。職場・職種にもよりますが、保健師が英語を習得する必要性は年々高まっていくことが予想されます。
また、保健師が英語を身に付けることには、「就職先・転職先の幅が広がる」「収入アップが期待できる」などのメリットもあります。今後、保健師としてさまざまな場所で活躍したいと考えている人には、「仕事で使える英語」を習得しておくことをおすすめします。
【保健師】英語を生かせる仕事と必要な英語力

保健師の資格を持つ人が英語を生かせる仕事にはさまざまな種類があり、活躍できる場は多岐にわたります。そのため、職場によって求められる英語力の種類やレベルも異なることに留意しましょう。
ここでは、英語を話せる保健師が活躍できる代表的な勤務先を4つ紹介します。それぞれの勤務先において保健師が担う役割や英語力を発揮できる場面、求められる英語力などについて確認しましょう。
外資系企業
外資系企業とは、「海外企業の日本法人」「日系企業と海外法人の合同出資企業」など、海外企業が出資する世界的企業のことです。外資系企業はIT業界や製薬業界、金融・証券業界などさまざまな業界で成長しています。
就職・転職の際は、自分が関心のある分野・事業内容の外資系企業を中心に検討するとよいでしょう。外資系企業において、保健師資格を持つ人は、「産業保健師」として主に次のような仕事に従事します。
■外資系企業における産業保健師の業務(例)
- 健康診断・健康指導の実施と従業員の健康管理業務
- ストレスチェックの実施および実施後のフォロー
- 職場環境・作業環境の維持管理
- 産業医のサポート(産業医補助業務)
- 衛生教育(感染症対策・予防) など
基本的な仕事内容は、日系企業の産業保健師と大きな差はありません。しかし、外資系企業では外国人従業員に接する機会が多いため、高い英語力を求められる可能性があります。英語圏での日常生活をスムーズに送れるレベルの実力があれば、活躍のチャンスが一段と広がるでしょう。
製薬・医療系企業
医薬品の研究開発や製造販売を行う製薬企業や、医療機器メーカー・医療情報提供サービス企業などの医療系企業も、保健師が英語力を発揮できる職場の1つです。これらの企業で保健師が従事する業務は多岐にわたりますが、英語力を生かせる主な業務には次のようなものがあります。
■製薬・医療系企業における保健師の業務(例)
- サービス会員への医療情報の提供
- 医薬品の安全管理業務(医薬品の有害事象の収集や解析など)
医療情報提供サービスの会員や、有害事象の聞き取りを行う相手が外国人である場合は、対面や電話での面談、メールでのやりとりを英語で行う可能性があります。また、英訳・和訳の翻訳作業を担当することも少なくありません。日常会話レベルの英語力に加えて、医学・薬学の専門用語などのビジネス英語が求められる可能性も高いでしょう。
治験関連企業
医療施設などで治験をサポートする治験施設支援機関や治験関連企業は、保健師が活躍する職場の1つです。これらの機関・企業では、保健師は主に新薬開発時などの治験がスムーズに進むよう、治験を実施する機関を補助する役割を担います。
■治験関連企業における保健師の業務(例)
- 治験に関係する契約業務
- 各種の文書作成・治験の記録・分析などの事務業務
大手企業やグローバル企業・大規模な大学などで治験が行われる場合、治験の対象となる人や、関連会社に在籍する職員が外国人であるケースも少なくありません。保健師としてのスキルに加えて、医療の現場で使える高度な英語力が必要となる可能性もあるでしょう。
教育機関
外国籍の留学生や教職員が多い大学・高等学校などの教育機関では、医務室や健康管理室の保健師として英語力を生かすことができます。教育機関の医務室・保健室などでは、主に下記のような業務を担当します。
■教育機関の医務室・保健室における保健師の業務(例)
- 学生や教職員の健康診断・健康管理
- 学生や教職員の健康相談および病院への紹介
- 健康教育・保健教育
- 衛生管理
留学生や外国人教職員が多い大学や高等学校の場合は、上記の業務を日本語と英語の両方で行う必要があると考えられます。専門用語を使いこなすビジネス英語というよりも、コミュニケーション能力や自然な会話が重要となる傾向です。そのため、英語力そのものは日常会話レベルで対応できる可能性が高いでしょう。募集要項の「英検○級以上」「TOEIC○点以上」などの基準を参考にするとともに、実践的な会話スキルを高めることがポイントです。
保健師が英語を身に付ける方法

保健師が英語を身に付けるための主な方法には、「英会話スクールに通う」「独学で勉強する」の2種類があります。ここでは、この2つの勉強方法とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。
・英会話スクールに通う
英会話スクールでは、講師やクラスメイトと実際に会話しながら英語を勉強します。日常会話レベルから学べるスクール、医療用英語を勉強できる専門的なスクールなど、選択肢は豊富です。
メリット |
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デメリット |
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英会話スクールでは、英語でアウトプットする機会が充実していることから習得スピードが速い傾向にあるため、英語を早く習得したい人におすすめです。ただし、独学よりもコストがかかる点や、自身の習熟度によってはほかの生徒と学習ペースが合わない可能性もある点に留意しておきましょう。
・独学で勉強する
参考書やアプリ、動画サイトなどを活用して自分で勉強する方法です。自分のライフスタイルや勉強方法に合ったツールを選びましょう。
メリット |
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デメリット |
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教材やアプリなどをうまく活用すれば、隙間時間にコツコツと勉強を進められます。自分のペースで、コストを抑えて英語を勉強したい人に向いているといえるでしょう。ただし、アウトプットの機会が少ない傾向にあるため、英会話を実践できる場を探し、積極的に取り組むことがポイントです。
保健師が英語を生かして転職するには?

保健師が英語を生かせる職場を見つけて転職するための第1歩は、英語が得意な人を歓迎する求人を見つけることです。募集されている仕事の内容や「英検○級以上」などの応募条件を確認し、自分の英語力や価値観、希望条件に適した求人を選択しましょう。
英語力が求められる保健師の求人情報は、看護職の求人を豊富に掲載する「マイナビ看護師」で探すことができます。求人紹介から面接対策、履歴書などの書類添削、条件交渉の連絡まで無料で対応させていただきますので、「マイナビ看護師」をぜひご利用ください。
まとめ
在留外国人や訪日外国人が増加傾向にあることから、今後は保健師に英語力が求められる機会も増えると推測されます。そのため、英語を話せる保健師は活躍の場をさらに広げられるでしょう。英会話スクールや独学など、自分に合った勉強方法で英語力を「仕事レベル」にまで高め、ご自身のキャリアの選択肢を広げてみてはいかがでしょうか。
保健師として英語を生かせる職場に転職する際には、業界最大級の看護職専門求人サイト「マイナビ看護師」をご利用ください。キャリアアドバイザーが転職活動への疑問や不安に寄り添い、サポートさせていただきますので、ご自身の英語力を存分に発揮できる転職先を一緒に見つけましょう。
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