患者さんにとって、身体的・精神的負担の少ない方法でオムツ交換を行うことは大切ですが、そのほかにも気をつけたいことがあります。今回は、成人患者のオムツ交換の際に注意したいマナーについてご紹介します。
羞恥心や自尊心に配慮する
患者さんにオムツ交換を行うことを説明し、ベッドサイドのカーテンを閉める、不必要な露出を避けるなどの配慮をしましょう。また、臭気をともなう場合は速やかに消臭するなどの対応を行います。
皮膚状態の観察を行う
オムツ交換は、陰部や殿部の皮膚トラブルを早期発見・対処できる貴重な機会です。表皮剥離やただれ、発疹・発赤などがないか観察し、必要な時は軟膏塗布などを行って、悪化防止に努めましょう。
清潔保持に努める
陰部や殿部は排泄物による汚染や、オムツ着用によるムレなどにより、清潔保持がしにくいもの。陰部洗浄や清拭などは、適宜行うことをおすすめします。 また、軟便や泥状便が排泄された際、拭き残しによる皮膚のただれが起こりやすいため、しっかりと拭き取るようにしましょう。
オムツ交換は、皮膚状態以外にも、排尿・排便などに異常がないかを把握する重要な機会でもあります。患者さんの安楽を保つのはもちろんのこと、生命の安全を守るための観察もしっかりと行いましょう。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵
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