患者さんの寝衣交換は単なる「着替え」とは異なり、安全・安心が求められます。今回は寝衣交換時のマナーについてご紹介します。
チューブ類が挿入されている患者さんの寝衣交換
点滴のルートやドレーンなどのチューブ類が挿入されている患者さんの場合、接続部が外れたり管が抜けたりするリスクが高いため、十分注意して寝衣交換を行う必要があります。
寝衣を脱ぐとき
チューブ類がついていない側から寝衣を脱がせるようにし、輸液あるいは排液バックは左右の袖を脱がせたことを確認してから抜くようにします。
寝衣を着るとき
先にチューブ類を袖からとおし、次に手または足をとおします。輸液あるいは排液バックをスタンドにかけたあと、チューブ類がない側の袖をとおします。
※輸液など一時的に中断が可能な場合は、逆流防止のため、あらかじめクレンメを止めておくのが基本です。中断が不可能な場合は、血液あるいは排液などの逆流が起こらないよう注意しましょう。
プライバシーの保護
バスタオルやタオルケットを使用して不必要な露出を避けるよう留意し、患者さんの体を覆いながら着脱を行います。 寝衣交換は、日常的に行われる看護技術のひとつです。手際のよさやスピードを重視するあまり、患者さんに苦痛や不快感を与えることのないよう十分注意しましょう。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵
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