• 2020年3月27日
  • 2021年11月15日

【看護師の悩み】入職までに準備しておくことはありますか?

 

【質問】入職までに準備しておくことはありますか?

看護師国家試験も終わり、合否の結果はまだわかりませんが、自己採点の感じから4月から内定をもらっている病院で働くことになりそうです。入職までに準備しておくことはありますか?(神奈川県在住 新人ナース予定 20歳)

【回答】学校で学んだことを職場で使える形に変換しておきましょう

臨床でよく使いそうな知識や技術から身につけましょう

国試の勉強、本当にお疲れさまでした。入職前に準備をしておくという心構えは本当に素晴らしいことだと思います。
新人看護師に日々の学習内容を聞くと、一人前の看護師に早くなりたいという理由から、心電図波形、急変時対応、人工呼吸器管理など、習得する難易度が比較的高い専門知識を勉強しようとする傾向にあります。しかし、新人看護師が受け持つ患者さんを考えると、先に習得すべきことは、無菌操作、輸液ポンプ・吸引、移乗介助、栄養剤の注入、創傷処置といった患者さんの日々のケアに関わるスキルです。

<早期に習得したいスキル>
無菌操作、輸液ポンプ・吸引、移乗介助、
栄養剤の注入、注射法、創傷処置など

<将来的に習得したいスキル>
心電図波形・急変時対応・人工呼吸器管理・心臓カテーテル検査・パウチ交換・血液ガスなど

手順や注意点を看護系サイトや看護技術動画で繰り返し学んでおくことで、新人看護師としてスムーズに業務を身に付けることができます。習得する難易度が比較的高い手技についてはあとから身に付けていけばよいのです。

この考えは、おもな疾患の勉強をするときにも生かせます。
就職先でかかわりそうな疾患について、「病態生理」「よく見られる症状」「行われる検査」「薬剤や手術などの治療」「看護」についてネットで検索していきます。
検索方法は「脳梗塞 症状」のように2つの単語で検索をかけ、その中にわからない内容があれば、さらに検索していきます。

学校の授業や看護師国家試験の勉強で、多くの知識をすでに得ていると思います。
今度は、臨床でよく使いそうな知識や技術という視点で、復習を兼ねて学ぶようにしてください。

本番の前にアウトプットをして理解度の確認をしよう

ここでひとつ注意しておかなければいけないことは、看護学校や自宅で勉強した座学の知識は、なかなか臨床で活用できないという事実です。
理由はとてもシンプルで、テキストや専門書を読んだり、レポートに書き出したりする行為はインプットなので、身についていません。アウトプット、すなわち臨床で実践しないと身につきません。

臨床で実践する前に、先輩看護師からの質問を想定しイメージトレーニングをしてみましょう。

例えば
「何も見ずに手順を言ってみてください」
「先に○○をする根拠は?」
「バイタルサイン以外でどんな症状を確認する?」
「どんな血液データが異常になりそう?」
などです。

臨床で先輩は新人看護師にこういった問いを、投げかけてくることがよくあります。
質問にスムーズに答えたり、実践したりできるように、自宅でアウトプットの練習として「何も見ずに暗唱してみる」ことをおすすめします。自宅で手順を暗唱し、ポイントや根拠を自分に投げかけてみることで、自分の理解の曖昧なところがよくわかります。肝心なことは、ひとりで事前に失敗しておくことです。

この学びの仕組みは、習得に少し時間がかかるので、これから臨床に出る方におすすめです。
就職までに、学校で学んだことを職場で使える形にどんどん変換しておきましょう。

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