海藻類のなかでも、毎日の食事に取り入れやすい“わかめ”。みそ汁や酢の物、煮物や炒め物など、いろいろな料理に取り入れやすい食材ですが「毎日食べたり、たくさん食べたりしても大丈夫なの?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また「わかめには栄養があるの?」といった疑問をもつ方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、わかめに含まれる栄養素や、おすすめの調理法について紹介していきます。さらに、簡単に調理ができる「カット・乾燥わかめ」と「生わかめ」の栄養価の比較も紹介するので、日々の料理の参考にしてくださいね。
わかめの栄養と効能・効果
わかめというと、栄養があまりなさそうなイメージもありますが、そんなことはありません。わかめは低カロリーなうえに、体にうれしい栄養素が豊富に含まれているんですよ。
わかめに含まれている主な栄養素は、以下の通りです。
むくみを予防する:カリウム
カリウムは、塩分の取りすぎを調整する上で重要な栄養素です。余分な塩分を体外に排出してむくみを予防するほかに、筋肉の動きをよくする働きや血圧の上昇を抑制する働きもあります。
美肌づくりをサポートする:β-カロテン
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持したり免疫力をサポートしたりする働きがあります。また、抗酸化作用があるため、生活習慣病の予防や活性酸素の働きを抑制する働きもあります。
骨粗しょう症を予防する:カルシウム
カルシウムは、私たちの体にもっとも多く含まれるミネラルであり、骨や歯を形成することで運動機能を支える働きがあります。成長期はもちろん、成人も積極的に摂取することで骨粗しょう症の予防が期待できます。また、神経の興奮の抑制やホルモンの分泌促進、血液凝固作用の促進などにも関与しています。
精神の安定&イライラを鎮める:マグネシウム
マグネシウムには、カルシウムとともに骨や歯を形成したり、体のなかでさまざまな代謝を助けたりする働きがあります。また、神経の興奮を抑え、イライラを鎮めて精神を安定させたり、血圧や体温の調節をしたりといった重要な働きもあります。さらに、便秘改善の効果も期待できるでしょう。
成長ホルモンの代謝を促す:ヨウ素
ヨウ素は、基礎代謝を調整するのに欠かせない栄養素です。ヨウ素が不足すると、代謝が低下し、むくみや疲労感、便秘などにつながってしまいます。子どもの発育にも関与しており、成長ホルモンの代謝を促し、成長を助ける働きがあります。
血糖値の上昇を抑制&血中コレステロール値を低下させる:食物繊維
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、わかめは水溶性食物繊維を多く含んでいます。水溶性食物繊維には、食後の血糖値の上昇を抑える効果や、血中のコレステロール値を低下させる効果があるとされています。また、便をやわらかくして、便が腸内をスムーズに移動できるように促してくれるため、便秘改善にも有効です。
疲労回復&肩こりの緩和に期待:鉄
鉄は、赤血球のヘモグロビンをつくり、酸素を体全体に送り届ける働きをサポートします。また、エネルギーを生む手助けをしているため、疲労回復にも役立ちます。反対に欠乏すると、集中力や思考力が低下したり肩こりなどの症状が出たりすることも。効果的に取るには、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取するのが良いでしょう。
血液の凝固に作用する:ビタミンK
ビタミンKは「止血ビタミン」といわれ、出血時に血液の凝固を促す働きがあります。また、カルシウムが骨に沈着するのを助けるため、不足すると血が止まらなかったり骨が脆くなったりすることがあります。
栄養豊富でも・・わかめの食べすぎはNG
わかめには、体にうれしい栄養成分がたくさん含まれていますが、食べすぎると体に悪影響を与えることもあります。たとえば、ヨウ素を長期的にわたって過剰に摂取すると、甲状腺機能低下症や甲状腺腫につながる場合があるため、注意が必要です。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、18歳以上におけるヨウ素の1日あたりの推奨量は130μgとなっています。これは、一体どのくらいの量なのでしょうか?
生わかめでは約8.1g、水に戻した乾燥わかめなら約6.8gで、1日の推奨量を満たします。わかめを使用する際は、この数値を意識すると良いでしょう。ちなみに、生わかめ約8.1gはひとつかみ強、乾燥わかめ約6.8gは片手でひとつかみとなります。
みそ汁で使う乾燥わかめは、1人前で約1〜2gなので、3食使っても推奨量を超えることはないでしょう。ただし、わかめサラダやわかめ炒めなど、わかめをメインに使った料理をするときは、食べすぎにならないように注意してください。
カット・乾燥わかめにも栄養は残っている?
カットわかめや乾燥わかめは、包丁を使用する手間がいらないため、さっと使えて便利ですよね。でも、一体どのくらいの栄養素が残っているかは、気になるところ。以下の表で、生わかめと水で戻した乾燥わかめの栄養価(100gあたり)を確認してみましょう。 なお、ここでいうカットわかめ・乾燥わかめは、生わかめや塩蔵わかめ(生わかめを湯通ししたのち塩漬けにしたもの)の保存性を高めるために、乾燥加工させたものを指します。
エネルギー | カリウム | ナトリウム | カルシウム | マグネシウム | ヨウ素 | 食物繊維 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
生わかめ | 24kcal | 730mg | 610mg | 100mg | 110mg | 1600μg | 3.6g |
乾燥わかめ (水戻し) |
22kcal | 260mg | 290mg | 130mg | 130mg | 1900μg | 5.8g |
乾燥わかめは、乾燥させることで栄養素が凝縮されるため、カルシウムやマグネシウム、ヨウ素、食物繊維は、生わかめよりも多くなっています。反面、カリウムやナトリウムの含有量は、生わかめのほうが多く含まれます。
生わかめは、旬の時期でなければなかなか手に入りませんが、乾燥わかめは1年中手に入り、しかも調理の手間も省ける便利な食材です。どちらを使っても、十分な栄養がとれるので、利用シーンにあわせて使い分けるのが良いでしょう。
わかめの栄養を効率よく取れる調理方法
みそ汁に入れたりサラダに入れたりして、そのまま食べることも多いわかめですが、ひと手間加えることで、栄養素をより効果的に摂取できます。
ここでは、おすすめの調理法を紹介しましょう。
油を使用して調理する
わかめに含まれるβ-カロテンは、体内で必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしての効果も発揮します。ビタミンAには、粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保つ働きがあるので、ぜひ覚えておいてください。なお、β-カロテンは熱に強く、油と合わせることで効果的に栄養素を吸収することができるので、炒め物やあえ物など、油を使った調理がおすすめです。
水で戻すときは素早く
わかめに含まれるアルギン酸などの水溶性食物繊維は、水に溶けて流れてしまう性質があります。そのため、わかめを水で戻す際は、長時間水にさらさないようにしてください。
みそ汁にするときはビタミンDが豊富なきのこ類と合わせる
わかめの水溶性食物繊維を効率的に取るなら、汁ごと食べられるみそ汁がおすすめです。その際、カルシウムの吸収を助けるビタミンDと一緒に取ると良いでしょう。ビタミンDは、きのこ類に豊富に含まれていますが、生椎茸よりも干し椎茸のほうが栄養価が高くなるため、みそ汁の出汁として活用しつつ、丸ごと食べましょう。
酢と合わせる
わかめを酢と一緒に食べることで、水溶性食物繊維の一種であるフコダインなどの栄養素が吸収されやすくなります。さらに、酢に含まれているクエン酸には、効率的にカルシウムを摂取する効果が期待できるため、わかめの酢の物や酢とエゴマ油としょうゆなどでつくったドレッシングと一緒に食べるのがおすすめです。
簡単&栄養たっぷり!わかめのおすすめレシピ
身近な食材でできる、簡単わかめレシピを紹介します。
わかめのナムル
- 乾燥カットわかめ……10g
- ほうれん草……60g
- にんじん……50g
- もやし……1/4袋(50g)
- ☆ごま油……大さじ1/2
- ☆白いりごま……大さじ1/2
- ☆しょうゆ……大さじ1/2
- ☆鶏ガラスープの素……小さじ1/4
- わかめは、たっぷりの熱湯に約2分間つけて戻し、水けをきる。
- ほうれん草は熱湯でゆでて水にとり、4cm幅にカットする。にんじんは千切りにし、熱湯でゆでて水けをきる。もやしは熱湯でさっとゆでて、水けをきる。
- ボウルに☆の材料を混ぜ合わせ、①②を入れて、全体をあえる。
まとめ|わかめの栄養を上手に摂取しよう
わかめは低カロリーなだけでなく、むくみ予防が期待できるカリウムや骨を丈夫にするカルシウム、抗酸化作用があるβ-カロテンや血糖値の上昇を抑制し、血中コレステロール値を低下させる食物繊維など、うれしい栄養素が含まれている食材です。乾燥わかめにも栄養素は十分に含まれているので、生わかめと乾燥わかめを上手に使い分けながら、日々の食事に取り入れていきましょう。
わかめの栄養を効率よく取るためには、油と一緒に調理する、汁ごと食べる、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富なきのこ類と一緒に食べる、酢と合わせるといった一工夫がおすすめです。
ただし、食べすぎると体に悪影響を与えることもあるので、注意が必要です。賢く美味しく日々の食事に“わかめ”を取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう!
<参考文献>
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省e-ヘルスネット
抗酸化による老化防止の効果 | 健康長寿ネット
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