• 2023年11月1日
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第111回(2022年)看護師国家試験合格発表まるわかりガイド

 

2022年3月25日(金)14時より、厚生労働省のウェブサイトにて、2月13日(日)に実施された「第111回看護師国家試験」の合格発表が行われています。さっそく、気になる合格率やボーダーラインをチェックしていきましょう!

第111回看護師国家試験 合格状況

合格者数59,344人 合格率91.3%(昨年90.4%)
∟新卒者57,057人 合格率96.5%(昨年95.4%)

厚生労働省や看護師国家試験運営臨時事務所での掲示による合格発表は、前回試験に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止の観点から行われません。厚生労働省のウェブサイトにアクセスし、受験番号の有無を確認するかたちとなります。多くの受験生が発表当日の14時に閲覧しようとするため、例年以上にサイトにつながりにくくなるかもしれません。

そうなったとしても、一時的なことなので慌てず、少し時間を置いて「更新」してください(電話による照会は受け付けていないので、関係機関へ直接問い合わせることは控えましょう)。

第111回看護師国家試験 合格率の詳細

第111回看護師国家試験は、2022年2月13日(日)に行われ、出願者数65,684人、受験者数65,025人、合格者数59,344人となり、合格率は91.3%(昨年90.4%)。そのうち、新卒者は出願者数59,440人、受験者数59,148人、合格者数57,057人、合格率は96.5%(昨年95.4%)でした。

看護師国家試験 過去5年の合格率

看護師国家試験 過去5年の合格率推移グラフ

第111回看護師国家試験 合格基準

ボーダーライン(合格基準点)は、(1)必修問題(1問1点:50点満点)、(2)一般問題(1問1点:130点満点)および状況設定問題(1問2点:120点満点)において、(1)40点以上、(2)167点以上となりました。

看護師国家試験「一般問題+状況設定問題」得点率推移

当第111回看護師国家試験 採点除外等問題の対象は4問

・午前の問題
∟[1] [6] [34]

・午後の問題
∟[7]

「択一式でありながら正答が複数ある」「難易度が高すぎる」「状況設定が不十分で正解が得られない」といったものは「不適切問題」とされます。不適切とされた理由に応じて、すべての受験生について採点除外とする、正解者のみ採点対象(不正解者は採点除外)とする、複数の選択肢を正答として扱うといった対応が取られます。厚生労働省の発表によると、第111回看護師国家試験で採点除外等の対象となったのは4問でした。

今回の看護師国家試験について

第111回看護師国家試験の受験生は、実際に試験を受ける前からCOVID-19との闘いを強いられることになりました。COVID-19に罹患して入院中、宿泊療養中、自宅療養中の方はもちろん、試験会場入り口でサーモグラフィーカメラによる検温が実施され、37.5℃以上あれば迅速抗原検査の対象となり、陽性であれば受験が認められませんでした。100%確実な感染予防が難しい中で、これらの措置により涙を飲んでしまった受験生もいたのでしょう。

その上、試験の質の維持や会場確保が難しいといった理由から、COVID-19罹患者に対して追試の設定はありませんでした。過去には大雪による交通障害を理由に追試が認められたこともあったため(第103回試験)、もう少し受験生のために何とかならなかったものかと思わざるを得ません。コロナ以前の受験生と比べて、さまざまな重荷を背負っての受験となったことは間違いないでしょう。

第112回看護師試験に向けての対策

看護師国家試験の難易度は、周知の通り、合格発表の際に「合格基準」「合格率」で示されます。ここ10年の合格基準は、必修問題が40点以上であることは変わりませんが(採点除外のある年を除く)、一般・状況問題では最大24点の開きがあります。 一方で、合格率は90%前後を推移しています。単純な問題の難易度を示す合格基準ではなく合格者の割合を示す合格率が重要であることはいうまでもなく、今後も上位90%以内に入る学習方法が必要となるでしょう。

第111回看護師国家試験においても、近年の流れである5肢1択・5肢2択問題の増加、問題の長文化、アセスメント能力を問う問題、科目横断的な知識が必要となる問題が出題されています。5肢問題に関しては確実な知識が必要となる「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」からの出題が多く、低学年からの学習の反復が必要です。アセスメント能力や科目横断的な知識に関してはコロナ禍で全国的に臨地での実習機会が減少しているいま、対象を中心としながらも各看護領域特有の視点のみならず、多岐にわたる視点から対象を取り巻く状況及び環境をとらえる実習をすることが必要となるでしょう。(※2022年3月14日取材時点での内容です)

学校法人日本教育財団 名古屋医専
高度看護保健学科
藤澤浩美先生

「エッセンシャル」であることの誇りと責任を

コロナ禍において看護師は「エッセンシャルワーカー」(人々の生活を支える必要不可欠な職種)の一つとされ、社会から感謝と賞賛を寄せられました。実際、逼迫する医療現場を支えるために、多くの看護師が奮闘したことは記憶に新しいところです。また、医療従事者であるということで、親族や友人からコロナ関連の情報や判断を求められ、大いに頼りにされたという声もよく聞かれました。もちろん、緊急事態であろうがなかろうが看護師はエッセンシャルワーカーですが、コロナ禍においてその存在がよりクローズアップされたということなのでしょう。後に続く皆さんも、この素晴らしい職業に就くことの誇りと責任を胸に、社会に羽ばたいていただければ幸いです。

一方で、ある程度やむを得ないとはいえ、コロナ禍の現場で踏ん張る看護師に負担がかかりすぎたことも否定できません。感謝と賞賛だけでよしとするのではなく、労働環境や待遇の改善も必要になってくるでしょう。「働きやすい職場」「働きがいのある職場」にめぐり合うためには、自身の希望や適性とのマッチングを意識した就職活動に加え、将来的には転職活動も必要になるかもしれません。マイナビ看護師では、就職や転職をお考えの看護師を対象に、個別の無料キャリア相談会を行っています。気になることや不安なことなど、何でもお気軽にご相談ください。看護師としてのキャリアに関する悩みを解決できるように、専任のアドバイザーがサポートさせていただきます。

参照:厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」


■専門学校 名古屋医専
専門学校 名古屋医専(愛知県)は、名古屋駅前、徒歩3分。(地下歩道経由)の救急・看護・歯科・リハビリ・スポーツ・東洋医療・福祉分野まで学べる専門学校。多彩な学科がある環境で、チーム医療に対応するエキスパートを育成します。資格取得・就職においては、学校独自の保証制度『国家資格 合格保証制度』『完全就職保証制度』のもと、一人ひとりに合わせ、徹底してバックアップします。
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