• 2022年8月5日
  • 2022年8月4日

働きながら看護学校に通って目指せる看護師の種類! 通うときの心構えも

 

最近は社会人経験者で看護師を目指す方も増えていますが、社会人が看護師になるにはどうすればいいのか、働きながらでも看護師になれるのか、など気になっている方もいるでしょう。

看護師は、看護学校を卒業し試験に合格すれば誰でもなれます。実際、多くの方が働きながら看護師資格を取得し活躍中です。

この記事では、社会人で看護師を目指している方に向けて、社会人から看護師になる方法や目指せる看護師の種類、働きながら看護学校に通うときのポイントなどをご紹介します。また、奨学金の利用や人間関係についてもご紹介します。将来に向けて希望を持って看護師を目指しましょう。

社会人から看護師になることはできる?

看護師資格取得には年齢制限がないため、社会人からでも看護師になれます。

看護師になるには、看護師国家試験を受験し合格する必要があります。また、受検資格を得るためには、指定された看護学校に入学試験を受け入学し卒業することが必須条件です。

厚生労働省は、社会人経験者の看護師資格取得に関する取り組みを行っており、PRポスターの作成や「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」を作成しています。
(出典:厚生労働省「看護師養成所における大卒社会人経験者等の養成について」
(出典:厚生労働省「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」

社会人から看護師を目指すメリット

社会人から看護師を目指すメリットは下記の2点です。

  • 高収入
  • 再就職のしやすさ

看護師は専門的な技術と知識を持った専門職なので、一般の職業よりも高い給料が期待できます。厚生労働省の資料によると、2021年時点で看護師の平均年収は約499万円です。
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

日本の医療施設は看護師が不足しているため、再就職や転職がしやすい職業であることも看護師を目指すメリットです。妊娠や出産、介護などで仕事を一度看護業務から離れたとしても、看護師としてもう一度働きたくなったら再就職先が見つけやすいといえるでしょう。

2022年4月の有効求人倍率を見てみると、一般職が1.23倍であるのに対して、保健師・看護師・助産師は2.14倍、パートを含むと1.9倍です。今後も看護師はほかの職業に比べて再就職しやすいことが分かります。
(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年4月分)について」

働きながら看護学校に通って目指せる看護師の種類

働きながら看護学校に通って目指せる看護師の種類

働きながら看護学校に通って目指せる看護師は下記の2種類です。

  • 准看護師
  • 正看護師

准看護師・正看護師になるには看護学校に通った後、准看護師試験や看護師試験に合格して免許を取得する必要があります。それぞれ免許の発行元が異なり、准看護師免許は都道府県知事が発行し、正看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格です。

准看護師と正看護師はともに看護を行う職業ですが、さまざまな違いがあります。以下では准看護師と正看護師の特徴について説明します。

准看護師

准看護師になるには、准看護師試験に合格して准看護師資格を取得する必要があります。

准看護師の主な業務内容は、医師や歯科医師、看護師の指示のもと看護・診療の補助をすることです。看護行為については保健師助産師看護師法で規定されており、正看護師のように自らの判断で看護行為を行えません。

准看護師になるには下記の2つの過程があります。

  • 全日制
  • 半日制

全日制は、朝から夕方まで授業があり、通学期間は2年間です。週に3日間授業がある准看護学校が多いですが、5日間授業をしている准看護学校もあります。

半日制は、平日の午後や夜間に週5日間授業を行い、通学期間は2年間です。午前中看護助手などの実務経験が積めるアルバイトをしながら、准看護師試験合格を目指せます。

准看護師は正看護師に比べると基本給が安くなる可能性があることと、准看護師取得者が正看護師になるにはもう一度学校に通う必要があることを念頭に置くとよいでしょう。

正看護師

正看護師になるには、看護師試験に合格して看護師資格を取得することが必要です。

正看護師の主な業務内容は、患者さんの看護・診療の補助をすることです。再就職・転職のしやすさ、高収入が期待できることに加えて、使命感・やりがいを持ってできる仕事といえます。

正看護師試験の受験資格を得るには、看護系大学や3年生短大の看護学科、看護専門学校を卒業する必要があります。夜間定時制の学校がなく、体力的に厳しい看護実習があるので、看護学生をしながらフルタイムで勤務するのは難しいでしょう。

なお、看護系大学の多くは3年制ですが、大学既卒者であれば最短2年で正看護師になれるルートを提供する学校もあります。
(参考:聖路加国際大学「聖路加国際大学看護学部学士3年次編入」

准看護師と正看護師のどちらに向いているかは、置かれている環境や考え方によって異なります。自分の考えや働き方に合った選択をしましょう。

■関連記事

社会人が働きながら看護学校に通うときのポイント・心構え

社会人が働きながら看護学校に通うときのポイント・心構え

ここからは、日々忙しい社会人の方が看護学校に通う際に意識したいポイントや心構えを紹介します。

高齢化社会が進む日本において、看護師さんは今後も高い需要が見込まれています。働きながら看護師を目指すという目標・夢を叶えるためにも、ぜひ参考にしてください。

奨学金や給付金を利用する

3年制の看護学校に通うために必要な学費の相場は、入学金約10万円、年間授業料約65万円、テキスト代・教材費15万円〜30万円で、初年度は90万円〜105万円です。3年間の総額では、約300万円になります。ほかにも、入学試験を受けるための受験料や勉強するためのテキスト代などが必要です。

経済的負担を軽減する方法として、奨学金や給付金の利用があります。

代表的な奨学金は下記の3つです。

  • 病院奨学金
  • 看護師等修学資金貸与制度
  • 看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金

病院奨学金は病院が貸与する奨学金制度で、国家試験に合格したら奨学金を借りた病院で働くことを条件に貸与が受けられます。

看護師等修学資金貸与制度は、都道府県や市町村が貸与する奨学金制度です。自治体が指定する施設で3~5年程度働けば返還が免除されます。
(出典:東京都福祉保健局「看護師等修学資金貸与事業」

看護師学校養成2年課程(通信制)進学者に対する奨学金は、日本看護協会が貸与する奨学金制度です。対象者は、准看護師が正看護師を目指して通信制の学校に進学する方となっています。
(出典:日本看護協会「看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金」

なお、看護学校は、専門実践教育訓練給付の対象となっており、最大3年間学費の最大50%(年間上限40万円)が半年ごとに支給されます。
(出典:厚生労働省「専門実践教育訓練給付制度のご案内」

「必ず看護師になる」という強い気持ちを持つ

働きながら看護学校に通って看護師を目指すうえで必要不可欠なことは、必ず看護師になるという強い気持ちを持つことです。

社会人が看護師になるには、学業だけに専念できる学生よりも負担が大きくなることは避けられません。仕事と勉強・実習の両立は、肉体的にも精神的にも負担が大きく、経済面での心配もあると、心が折れそうになることもあるでしょう。

仕事と勉強・実習の両立などで心が折れそうなときに重要なのが、看護師になるという強い気持ちです。強い気持ちを持ってどのようなことにも前向きに取り組めば、困難を乗り越えられるでしょう。

学生との人間関係をうまく構築する

社会人が学生の中に入ると、人間関係で悩むこともあるでしょう。

看護学校に入学後、比較的早い段階でグループができます。孤立を避けるためには、最初が肝心です。早い段階で気が合いそうな人を見つけて、自分から話しかけて一緒に過ごす時間が多くなれば、自然と仲良くなれます。

もし孤立しても、前向きに捉えて一人で過ごす時間を大切に使いましょう。

社会人から看護学校に入学した目的は、友達を作って学生生活を楽しく過ごすことではありません。看護師になるために看護師国家試験合格を目指し、働きながら学校に通っています。一人で過ごせる時間は、授業や実習の予習や復習をしたり、試験勉強をしたりして有意義に使いましょう。

まとめ

社会人が働きながら学校に通い、看護師を目指すことはできます。正看護師と准看護師のどちらを目指すかは、現在の環境や考え方に合っているほうを目指しましょう。奨学金や給付金を利用すれば、経済的負担を軽減できます。

看護師免許を取得し求人を探すときは、マイナビ看護師にご相談ください。マイナビ看護師は、看護師のための無料転職サイトです。看護業界に精通したキャリアアドバイザーが、求人紹介や面接対策、書類作成、条件交渉など転職活動をサポートいたします。

※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

著者プロフィール