• 2021年6月29日
  • 2021年11月2日

看護師になるには? 主婦や社会人でもなれる? 資格取得の方法や費用を解説

 

看護師になるには、看護師国家試験を受けて看護師免許を取得する必要があります。看護師になるまでにどのくらいの年数と費用がかかるのでしょうか。看護師資格取得までのルートや試験の合格率、かかる費用をまとめました。また、准看護師免許の取得方法も紹介しています。

看護師になるには

看護師になるには、国家試験を受けて免許を取得する必要があります。以下では、看護師免許の概要と看護師になるためのルートを解説。自分に合う資格取得ルートを考えてみましょう。

看護師免許の取得が必要

看護師免許には2種類あります。

1つめは国家資格である看護師免許です。文部科学大臣が指定する学校や都道府県知事が指定する看護師養成所を卒業し、看護師国家試験を受験して取得します。

2つめは准看護師免許です。都道府県知事が発行する看護師免許で、免許取得までの期間が国家資格である看護師より短く、費用も安く抑えられます。ただし「保健師助産師看護師法」により業務を行う際は医師・歯科医師または看護師の指示が必要です。

日本看護協会では看護師と准看護師を一本化する動きが進んでおり、すでに准看護師養成制度を廃止している都道府県もあります。

また、准看護師は看護師と責任範囲が異なるため、役職に就くことが比較的難しいとされています。そのため看護師としてキャリアアップを目指す方は国家資格である看護師免許の取得がおすすめです。

看護師になるためのルート

看護師になるためのルートを示した図

国家資格である看護師になるには、以下4つのルートがあります。

①高校卒業後、4年制の大学に通う
②高校卒業後、3年制の短期大学に通う
③高校卒業後、3年制の看護師養成所に通う
④中学卒業後、5年一貫看護師養成課程校に通う

高校卒業後に最短で看護師を目指せるのは、①の3年制の短期大学か、③の看護師養成所に通うルートです。3年制の看護師養成所は4年制大学よりも実技や実習が多い傾向にあるので、少しでも早く看護師になって働きたいという方に向いているでしょう。

①の4年制の大学では、看護に関する内容だけでなく一般教養科目も学べます。また、助産師や保健師のカリキュラムを修了することで、看護師国家試験と助産師国家試験、または看護師国家試験と保健師国家試験のダブル受験が可能です。

なお、②の3年制の短期大学は3年間で一般教養科目も学べますが、学校数は減少傾向にあります。

中学卒業後すぐに看護師を目指す場合は、④の5年一貫看護師養成課程校に通います。5年一貫看護師養成課程校では、高等学校の看護科3年間と看護師養成所の2年間が一貫して学べるため、中学卒業後5年で看護師国家試験の受験が可能です。

社会人や主婦の方が看護師になるには、①4年制の大学・②3年制の短期大学・③3年制の看護師養成所のいずれかに通う必要があります。費用を抑えて看護師を目指すのであれば、③3年制の看護師養成所がおすすめです。

また、大学を卒業している方は編入学制度を利用するのもひとつの手です。

編入学制度には2つあり、1つは看護系の短期大学か看護師養成所を卒業した人を対象とする編入学で、看護系大学の2年次または3年次に編入します。

もう1つは看護学以外の専攻で大学を卒業した人を対象とする学士編入学です。看護系大学によって編入学制度の有無は異なるため、各大学のホームページ等で確認すると良いでしょう。

なお、聖路加国際大学看護学部には学士3年次編入コースがあり、看護学以外の専攻で大学を卒業した人でも、最短2年で看護師カリキュラムを修了できます。

准看護師になるためのルート

准看護師になるには、以下5つのルートがあります。

①中学卒業後、2年制の准看護師養成所に通う
②中学卒業後、3年制の高等学校衛生学科に通う
③高校卒業後、4年制の大学に通う
④高校卒業後、3年制の短期大学に通う
⑤高校卒業後、3年制の看護師養成所に通う

准看護師になるには、①の中学卒業後に准看護師養成所に2年間通うのが最短ルートです。

准看護師養成所は朝から夕方にかけて授業を行う全日制と、午後や夜間に授業を行う半日制があるため、社会人や主婦の方でも自身のライフスタイルに合わせて通うことができます。もちろん、働きながらの通学も可能です。

すぐにでも看護職に就きたいという方は、准看護師を目指すのも良いでしょう。また、准看護師の資格を取得してから、看護師資格の取得を目指すのも可能です。

准看護師から看護師になるためのルート

看護師養成所で2年課程を修了し、看護師国家試験に合格することで准看護師から看護師になれます。ただし、最終学歴が中学校で准看護師になった人は、3年以上の実務経験がないと看護師養成所の受験要件を満たせません。なお、准看護師の実務経験が7年以上ある方は、通信制で2年課程のカリキュラムを学ぶことができます。

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看護師国家試験の概要と合格率

看護師学校の女性

ここでは、看護師国家試験の試験日程や試験内容、合格率を紹介します。

概要

看護師国家試験は、毎年2月中旬頃に実施されています。

試験が行われるのは、北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の12都道府県です。試験では必修問題50問(1問1点)、一般問題130問(1問1点)、状況設定問題60問(1問2点)が例年出題されています。

科目は、「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」「基礎看護学」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護論」「看護の統合と実践」の11科目です。ただし、今後出題基準は変更される可能性があります。

合格率

2021年2月14日(日)に行われた第110回看護師国家試験は、出願者数66,778人のうち受験者は66,124人、合格者は59,769人で合格率は90.4%でした。
なお、新卒者だけで見ると出願者数59,936人のうち59,593人が受験。合格者は56,868人で合格率は95.4%でした。
看護師国家試験の過去5年間の実施状況と合格率は以下のとおりです。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
第110回 66,778人 66,124人 59,769人 0.904
┗うち新卒者 59,936人 59,593人 56,868人 0.954
第109回 66,250人 65,568人 58,513人 0.892
┗うち新卒者 59,736人 59,319人 56,174人 0.947
第108回 64,153人 63,603人 56,767人 0.893
┗うち新卒者 58,622人 58,308人 55,216人 0.947
第107回 65,070人 64,488人 58,682人 0.91
┗うち新卒者 58,288人 57,929人 55,764人 0.963
第106回 63,043人 62,534人 55,367人 88.5%
┗うち新卒者 56,706人 56,381人 53,177人 94.3%

参照元
厚生労働省
第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表
第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験及び第109回看護師国家試験の合格発表
第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験及び第108回看護師国家試験の合格発表について
第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験及び第107回看護師国家試験の合格発表について
第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験及び第106回看護師国家試験の合格発表について

過去5年間、新卒者と既卒者を合わせた全体の合格率は90%前後です。
新卒者だけの合格率を見ると95%前後で、既卒者を加えた全体の合格率よりも高くなっているのがわかります。

なお、2021年に行われた第110回看護師国家試験の合格基準は、必修問題で50点中40点以上および一般問題と状況設定問題で250点中159点以上でした。多少の点数差はありますが、過去4年も同じような合格基準となっています。

■関連記事
\合格速報/2021年【第110回】看護師国家試験
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/kangoshi/

看護師になるためにかかる費用

看護師になるには大学か看護師養成所に通わなければなりませんが、費用はいくらかかるのでしょう。以下では、看護師になるためにかかる費用と利用可能な奨学金制度について解説します。

私立と公立で金額差が大きい

学費は公立か私立かによって大きく異なります。また、通う学校によっても異なるので、以下はひとつの目安としてご確認ください。

・4年制大学
公立:250万円ほど
私立:500万円以上

・看護師養成所
公立:100万円ほど
私立:250万円ほど

大学と看護師養成所の学費は、公立と私立で倍近くの差があります。特に私立の4年制大学では、700万円以上かかる学校もあるようです。できるだけ安い金額で看護師を目指すのであれば、看護師養成所がおすすめといえます。

奨学金制度を利用するのもひとつの手

高い学費の負担を少しでも減らすなら、奨学金制度を利用するのもひとつの手です。奨学金制度は日本学生支援機構や病院、地方自治体、企業などがそれぞれ設けています。

・JASSO奨学金
JASSOの奨学金とは、日本学生支援機構が設けている奨学金制度です。貸与型奨学金と給付型奨学金の2種類があります。また、貸与型奨学金には無利子と利子付の2種類があり、利子付は無利子の奨学金よりも選考基準が緩やかです。

参照元
日本学生支援機構 – JASSOの奨学金とは
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.html

・病院奨学金
病院奨学金とは、各病院が独自に設けている奨学金制度のことです。病院が奨学金を負担するかわりに、学生は学校を卒業した後にその病院で一定期間働く「お礼奉公」をします。

お礼奉公の契約内容は病院によって異なりますが、下記のような約束を交わすのが一般的です。

・学校を卒業して看護師資格を取得したら、病院で3年間働くこと
・定められたお礼奉公期間を働いたら、奨学金は全額免除する
・お礼奉公期間中に退職する場合は、奨学金を即時一括返還すること
・お礼奉公期間中に退職する場合は、違約金を支払うこと

お礼奉公の勤務年数は病院によってさまざまですが、3年間が多いようです。また、お礼奉公期間中に退職する場合の返還額は1年未満の退職は全額、2年~3年以内の退職であれば半額返還など、病院によって異なります。

・看護師等修学資金貸与事業
看護師等修学資金貸与事業とは、各自治体が看護職を目指す人を対象に設けている奨学金制度です。奨学金制度を利用する人は、奨学金を貸与する都道府県内の大学や看護師養成所を卒業後、同都道府県内の医療機関で一定期間働く必要があります。なお、指定された医療機関で5年間従事した場合、奨学金の返済は全額免除です。

参照元
厚生労働省 – 看護師等修学資金の貸与について
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6641&dataType=1&pageNo=1

・民間育英団体の奨学金
民間育英団体の奨学金とは、民間企業や個人が設けている奨学金制度のことです。貸与資格や貸与額などは、奨学金制度を設けている企業や個人によって異なります。

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看護師に向いている人の5つの特徴

看護師の男性・女性

看護師に必要なのは知識や技術だけではありません。患者さんやその家族と深く関わるため、コミュニケーション能力や共感力が大切です。また、ハードな仕事をこなすには体力も必要不可欠。以下では、看護師に向いている人の5つの特徴を詳しく解説します。

1.コミュニケーション能力が高い

看護師は医師や同僚の看護師、薬剤師、その他医療スタッフなど、数多くの人と関わる仕事のためコミュニケーション能力が高い人が向いています。さまざまな医療スタッフと情報共有をして患者さんのケアにあたるので、コミュニケーションが取れていないと医療ミスに繋がる可能性もあるのです。また、不安を抱えている患者さんやその家族の悩みを聞き、支えになるのも看護師の重要な仕事。そのため、コミュニケーションを円滑に取れて、誰とでも打ち解けられる人が看護師に向いているといえるでしょう。

2.共感力がある

患者さんの気持ちに寄り添って、共感できる人が看護師に向いているといえます。病気や怪我の治療をしている患者さんは、何かしらの不安を抱えているもの。看護師が辛い気持ちや不安を理解して、話を聞いたり相談に乗ったりするだけでも、患者さんの不安は和らぐでしょう。また、気持ちを理解してくれる看護師がいることが、患者さんの心の拠り所になることも。そのため、患者さんの気持ちを理解し、思いやれる人が看護師に向いているといえるでしょう。

3.体力に自信がある

看護師の仕事は夜勤があって不規則なだけでなく、力仕事も多いので想像以上にハードです。そのため、体力に自信がある人が向いています。たとえば、病棟勤務では入浴介助や体位交換、清拭など、体重の重い患者さんの身の回りの看護を行うこともしばしば。また、外来の看護師は、ほぼ一日中立ちっぱなしで業務を行います。仕事内容や忙しさは働く医療機関や診療科によっても異なりますが、体力があることに越したことはないでしょう。

4.精神的にタフである

どんなに治療を施して看護にあたっても、亡くなる患者さんはいます。そのため、大きなショックを受けたり、自身の力不足を痛感し落ち込んだりすることもあるでしょう。どれだけ辛いことがあっても、看護師はつらい気持ちを引きずったままではいけません。感情的になって冷静さを欠いてしまうと、ミスに繋がる可能性があるからです。そのため、精神的にタフである人が看護師に向いているでしょう。

5.向上心がある

医学や看護学は日々進歩しています。そのため、看護師になっても勉強は欠かせません。常に新しい情報をキャッチして実践できるよう、勉強会や研修会に参加して学ぶ姿勢が大切です。中には、スキルアップのために認定看護師や専門看護師、助産師などの資格を取得する人も。最善の看護が行えるよう、向上心を持って学ぶ姿勢を持つ人が看護師に向いています。

看護師のニーズは増加傾向にある

看護師の人手不足に悩む医療機関は少なくありません。そのため、看護師になって就職先に困ることは無いとされています。

また、2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、2030年には日本の人口の約3分の1が高齢者になると予測されているため、病院やクリニックだけでなく介護施設や訪問看護サービス、地域包括ケア事業施設などでも看護師の需要は増加するでしょう。看護師の活躍の場が増えることで、今後は認定看護師や専門看護師のような、より専門的な知識を持った看護師のニーズもさらに高まると考えられます。

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