医療情報技師は、医療業界におけるITのスペシャリストです。近年では、専門学校でも医療情報技師を目指すコースが設けられており、医療情報技師の需要が増加していることが分かります。
当記事では、医療情報技師の概要と活躍できる場所、医療情報技師に関わる3つの検定、仕事のやりがいについて詳しく解説します。また、医療情報技師の求人例や給料相場についても説明するため、医療情報技師や検定に興味のある方はぜひ参考にしてください。
医療情報技師とは?
医療情報技師とは、医療の特性を踏まえたうえで、医療情報システムの開発・運用・保守を行い、データを安全に活用できる情報処理技術者のことです。医療情報技師には、優れた情報処理技術と、医療分野にまつわる専門知識が求められます。
医療現場では医療情報システムの導入が進んでいますが、システム障害に対応できず、収集した情報を有効利用できないといった問題を抱える施設が少なくありません。このような問題に対応し、医療業界におけるIT化およびICT化を促進するため、医療分野に特化したシステムエンジニアとして医療情報技師が生まれました。
医療情報技師と診療情報管理士の違い
医療情報技師と混同されやすい職種に、診療情報管理士が挙げられます。医療情報技師と診療情報管理士は、いずれも医療現場の情報管理において重要な役割を果たす職種です。
医療情報技師は、主に医療分野に特化したシステムエンジニアとして、電子カルテなど医療情報システムの開発・保守を担います。システムの正常な運用やメンテナンス、トラブル対応も重要な仕事です。
一方、診療情報管理士は、患者さんのカルテの管理やデータベースへの情報入力、病名の分類などを行います。医療情報技師が開発したシステムを活用するケースも多く、医療現場でスムーズな診療が行えるように貢献する職種です。
医療情報技師は「システムを作る側」の職種で、診療情報管理士は「システムを使う側」の職種といえます。医療情報技師と診療情報管理士の仕事はつながりが深いため、Wライセンスで働く方も少なくありません。
医療情報技師の職場
医療情報技師の主な勤務先は、医療情報システム開発会社や医療系コンサルティング会社、総合病院や大学病院、医療センターなどです。医療情報技師育成部会事務局の統計によると、2023年は医療情報技師能力検定合格者の約45%が企業に、約34%が保健医療福祉施設に勤務しています。
企業に就職した場合は、医療情報システムの開発・研究に携わるほか、導入先を訪問してシステム管理などを行います。医療機関では、電子カルテ運用や患者データの収集・分析、新システム導入や、IT環境の整備などが任されます。医療機関においては、医師や看護師と協同して仕事を進めることもあるでしょう。
そのほか、医療情報技師として、教育研究機関や医師会、医療系の研究センターなどで勤務することも可能です。
(出典:医療情報技師育成部会「医療情報技師 認定取得年別勤務先」)
医療情報技師の主な仕事内容

医療情報技師の主な仕事内容は、医療情報システムの企画開発や導入および運用管理、医療機関におけるデータベース構築、収集した情報の分析などです。医療情報システムは、医療における質の向上と業務効率化を図るためのもので、具体的には電子カルテや医事会計システム、臨床検査システムなどがあります。
医療情報技師の基本的な仕事内容は、以下の通りです。
- 医療情報システムの課題発見・導入提案
病院内で使用されている情報システムに問題点や改善点がないかを調査し、見つけた課題に基づいて、医師やほかの院内スタッフに新しいシステムの導入や既存システムの改善案を提案します。プレゼンテーションのポイントは、ITに詳しくないスタッフにも理解しやすいよう専門用語を避け、システムの有効性を分かりやすく説明することです。スタッフからの機能に関する要望を受けた場合は、それらを実装可能か検討します。 - 医療情報システムの開発
提案が受け入れられたら、電子カルテやWeb診察予約システムなど、医療機関で使われる情報システムの開発を開始します。1人で開発するケースもありますが、所属する医療機関や提携するITシステム会社と連携して進めるのが一般的です。開発時は、ITに詳しくない医師やスタッフでも使いやすいシステムを目指します。 - 医療情報システムの運用管理
システムを納入したら、そこで仕事が終わりではありません。医療情報技師には、システムトラブルへの迅速な対応が求められます。電子カルテのようなシステムがダウンすると診療活動に支障をきたし、患者さんの安全にも影響を与えかねません。そのため、システムの常時監視により通信障害やシステムダウンを未然に防ぐことが重要です。さらに、医療情報技師は医師や看護師さん、医療事務スタッフなど、システムを実際に使用する相手へ操作方法の指導も行います。操作マニュアルの作成やセミナーの開催などを通じて、効率的かつ効果的な指導を提供し、スムーズなシステムの利用を支援します。
- 医療情報のセキュリティ対策
医療情報のセキュリティ対策も、医療情報技師の重要な責務です。病院には患者さんの個人情報や病歴、現在の症状など、重要な医療情報が多く含まれています。これらの情報がセキュリティ問題や外部からの攻撃で漏洩すれば、患者さんのプライバシーと病院の信頼性への影響は甚大です。医療情報技師は、常時セキュリティ対策を整え、患者さんの情報が外部に漏れないように管理する必要があります。
近年は遠隔医療のニーズが増えており、その分野での新しいシステム開発のニーズも高まっています。患者さんの安全と医療の質向上に貢献する技術者として、医療情報技師は医療現場において欠かせない存在です。
医療情報技師になるには?

医療情報技師になるために必須の資格はありません。しかし、実際に医療情報技師として活躍するには、プログラミングスキルやシステム開発の知識といったITスキルのほか、医学・医療分野の知識が求められます。
また、医療情報システムを適切に取り扱える技術力も必要となるため、大学で情報工学やITに関する学部を選択すると有利です。ITエンジニアとしてシステムエンジニアリングの経験を積んだ後、医療情報技師として転職する道もあります。
スキルさえあれば、資格がなくても医療情報技師として勤務することはできますが、資格があったほうが採用されやすい傾向にあるのは事実です。可能であれば、医療情報技師育成部会事務局が実施する3つの検定に合格し、資格を取得しておくとよいでしょう。
医療情報技師育成部会事務局では、医療情報技師の育成や生涯教育をサポートするために、講習会やセミナーの開催・能力技能検定の実施・教材作成などを行っています。
下記は、医療情報技師育成部会事務局で実施している検定試験です。
- 医療情報技師能力検定
- 上級医療情報技師能力検定
- 基礎知識検定
上記の民間資格は、医療情報技師としての専門性を高め、知識や技能を証明します。医療情報技師能力検定と基礎知識検定であれば、受検するための資格条件はありません。
医療情報技師能力検定の概要

医療情報技師能力検定は、医療情報技師としての能力・資質が十分にあることを示す試験です。医療情報技師能力検定では、医療情報システムを適切に取り扱い、医療現場のIT化に貢献できる人材が求められています。
医療情報技師能力検定に合格すると、認定証と認定カードが交付され、日本医療情報学会により医療情報技師として認められます。求人では資格取得者が歓迎される傾向にあるため、医療情報技師として就職したい方は、ぜひ医療情報技師能力検定に挑戦してください。
試験概要
医療情報技師能力検定の試験は、年1回開催されています。
下記は、医療情報技師能力検定の概要をまとめた表です。
試験日時 | 年1回(8月) |
---|---|
試験会場 | 全国13地区 |
受検資格 | 不問 |
試験科目 | 情報処理技術系(60分) 医療情報システム系(90分) 医学・医療系(60分) |
試験方法 | マークシート方式 |
検定料 | 初回受検者・再受検者:15,000円(税込) 科目合格者:13,000円(税込) |
医療情報技師の資格を得るためには、3科目すべてに合格する必要があります。不合格の場合、合格した科目は「科目合格」として2年間適用され、不合格となった科目のみ再受検することが可能です。
出題範囲・到達目標
医療情報技師能力検定の試験科目は、「情報処理技術系」「医療情報システム系」「医学・医療系」の3つで、各科目より50~60問が出題されます。
各科目における出題範囲・到達目標は、以下の通りです。
情報処理技術系 |
---|
医療現場のニーズに応じた医療情報システムの開発・導入および運用・管理を行うために、必要な情報処理技術能力を身につけることがねらいです。試験では、情報処理技術やシステム開発における基礎知識が問われます。 |
医療情報システム系 |
---|
医療情報の特性や情報の取り扱い方を学び、医療情報システムの内容や導入の流れ、維持管理の方法について理解することが目的です。試験では、さまざまな医療分野における医療情報システムについて出題されるほか、医療情報分野の状況や今後についても問われます。 |
医学・医療系 |
---|
医療情報システム構築のために必要となる医学医療・医療プロセス・医療記録について理解することが目的です。試験では、診療報酬をはじめとする医療制度や臨床医学、検査方法などについて問われます。さらに、情報を利活用するための統計学や、データ収集・分析についても出題されます。 |
医療情報技師育成部会事務局から、医療情報技師能力検定に向けた標準テキストが出版されているため、試験勉強に活用するとよいでしょう。また、制度改正の内容なども試験で出題される可能性があるため、情報技術や医療業界の動向は日頃から把握しておくことが大切です。
合格率・難易度
医療情報技師能力検定の合格率は、2003年の第1回試験を除き30%台で推移しており、難易度はやや高いといえます。
下記は、過去3年間における医療情報技師能力検定の合格率をまとめた表です。
受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第21回(2023年) | 3,170人 | 1,153人 | 36.37% |
第20回(2022年) | 3,400人 | 1,161人 | 34.15% |
第19回(2021年) | 3,489人 | 1,357人 | 38.90% |
医療情報技師能力検定では、情報技術と保健医療福祉の両方の知識が問われるため、苦手な分野を克服することが合格するポイントです。
医療情報技師認定者の年齢は25~39歳が最も多く、次いで20代前半・40代が多くなっています。このことから、医療情報技師能力検定はスキルアップを目指す社会人の受検者が多いといえるでしょう。
上級医療情報技師能力検定の概要

上級医療情報技師は、豊富な経験と知識を持ち、包括的視点から医療業界におけるIT化や情報の利活用を率先して行える人材のことで、医療情報技師の上位資格にあたります。上級医療情報技師には、リーダーとして活躍できるマネジメント能力やコミュニケーション能力が必要です。
医療情報技師として専門性を高めたい方は、ぜひ上級医療情報技師の資格取得を目指してください。
試験概要
上級医療情報技師能力検定には、一次試験と二次試験があります。
下記は、上級医療情報技師能力検定における各試験の概要をまとめた表です。
●一次試験
試験日時 | 年1回(8月) |
---|---|
試験会場 | 全国13地区 |
受検資格 |
(1)医療情報技師の資格保持者 (2)次のうち、いずれかに該当すること |
試験内容 |
上級医療情報技師の到達目標に基づき出題される 午前試験(60分) |
試験方法 |
・午前試験、午後Ⅰ試験…マークシート・記述方式 ・午後Ⅱ試験…小論文 |
検定料 | 15,000円(税込) |
●二次試験
試験日時 | 年1回(12月) |
---|---|
試験会場 | 東京、大阪 |
受検資格 | 医療情報技師の資格保持者で、本年度・前年度・前々年度の一次試験合格者 |
試験内容 | 面接(約20分) |
検定料 | 15,000円(税込) |
上級医療情報技師能力検定では、一次試験において3つの試験すべてに合格した場合のみ、二次試験を受けることが可能です。
出題範囲・到達目標
上級医療情報技師の到達目標には、8つの一般目標と、一般目標を達成するための行動目標が定められています。
上級医療情報技師の到達目標における概要は、下記の通りです。
一般目標および行動目標の概要 | |
---|---|
1 | 病院の組織体系や経営戦略を理解したうえで潜在的な要求を汲み取り、問題を解決に導ける。 |
2 | 医療情報システムの管理・調整を行い、各方面においてリーダーシップを発揮できる。 |
3 | データの信頼性・安全性を保守し、情報の分析・利活用ができる。 |
4 | 論理的思考ができ、質の高いプレゼンテーションができる。 |
5 | 情報処理技術を理解し、適切な判断のもと活用できる。 |
6 | 情報セキュリティについて理解し、必要に応じた対策や説明を行える。 |
7 | 保健医療福祉分野について、国内外における制度や指標などの知識を持つ。 |
8 | 人材育成や自己啓発ができる。 |
上記は、改定後のver.1.4における上級医療情報技師の到達目標です。受検する上級医療情報技師能力検定では、対象となる到達目標を確認しておきましょう。
合格率・難易度
上級医療情報技師能力検定の合格率は、実施年により差はあるものの、一次試験合格率は約30%、二次試験合格率は約20~40%となっています。
以下は、上級医療情報技師能力検定の合格率をまとめた表です。
●上級医療情報技師能力検定 一次試験合格率
受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第17回(2023年) | 129名 | 30名 | 23.3% |
第16回(2022年) | 112名 | 25名 | 22.3% |
第15回(2021年) | 132名 | 23名 | 17.4% |
第13回(2019年) | 165人 | 34人 | 20.6% |
第12回(2018年) | 172人 | 18人 | 10.5% |
第11回(2017年) | 170人 | 51人 | 30.0% |
●上級医療情報技師能力検定 二次試験合格率
受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第17回(2023年) | 33名 | 30名 | 90.9% |
第16回(2022年) | 29名 | 26名 | 89.7% |
第15回(2021年) | 25名 | 20名 | 80.0% |
第13回(2019年) | ・旧制度 20人 ・新制度 34人 |
・旧制度 9人 ・新制度 30人 |
・旧制度 45.0% ・新制度 88.2% |
第12回(2018年) | ・旧制度 56人 ・新制度 18人 |
・旧制度 15人 ・新制度 18人 |
・旧制度 26.8% ・新制度 100% |
第11回(2017年) | 105人 | 19人 | 18.1% |
※第14回上級医療情報技師能力検定試験(2020年)はCOVID-19の影響で中止
上級医療情報技師能力検定合格者の年齢は30~40代が多く、経験豊富な医療情報技師が受検していることが分かります。
基礎知識検定の概要

基礎知識検定は、医療情報にまつわる基礎知識の理解度を測る検定です。基礎知識検定では、ユーザーとしての立場から、IT知識や医療情報システムの取り扱い方までを問われます。
基礎知識検定では、医療情報に関わる人が習得しておくべき知識が出題されます。今後、医療情報技師能力検定の受検を目指す人や、医療分野への就職を希望する方は、基礎知識検定を受検しておくとよいでしょう。
試験概要
基礎知識検定は年2回開催されており、約2か月前から受検申し込みの受付を開始しています。 下記は、基礎知識検定の概要をまとめた表です。
試験日時 | 年2回(6月、11月) |
---|---|
試験会場 | 全国各地 |
受検資格 | 不問 |
試験科目 | 医療情報基礎知識(80問、60分) |
試験方法 | マークシート方式 |
検定料 | 5,000円(税込) |
基礎知識検定では、得点率75%(80問中60問正解)で合格とされており、合格者には合格証が発行されます。
出題範囲・到達目標
基礎知識検定では、医療情報に関わる基礎知識を7つの領域に分けています。
下記は、基礎知識検定の出題範囲についてまとめた表です。
出題範囲 | 学習ポイント | |
---|---|---|
1 | 医療制度と医療関連法規 | 社会保険や保健医療福祉専門職について学ぶ。 |
2 | 病院業務と病院の運営管理 | 病院における体制や主要部門を把握し、保健医療福祉分野の基本用語を学ぶ。 |
3 | 医療情報の特性と医療の情報倫理 | 医療情報の基本を理解し、プライバシー保護について学ぶ。 |
4 | コンピュータの基礎 | ハードウェアやソフトウェアにおける基本的な知識を学ぶ。 |
5 | 情報システムの基盤技術 | ネットワーク、情報システムにおける基礎とリスクを学ぶ。 |
6 | 医療情報システムの構成と機能 | 保健医療福祉分野で使用される情報システムについて理解する。 |
7 | 医療情報の標準化と活用 | 医療情報システムで使用されるコードや用語を理解し、情報分析の基礎を学ぶ。 |
医療情報技師育成部会事務局のホームページでは、医療情報基礎用語集や出題例を無償で公開しているため、基礎知識検定の勉強に役立てるとよいでしょう。
また、基礎知識検定では、受検者に対して合計得点と領域別の得点を公開しているため、自分の苦手分野を把握することが可能です。
合格率・難易度
基礎知識検定の合格率は約70%となっており、難易度は高くありません。
下記は、基礎知識検定の合格率についてまとめた表です。
受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第29回(2023年) | 414人 | 304人 | 73.4% |
第27回(2022年) | 449人 | 351人 | 78.2% |
第25回(2021年) | 477人 | 381人 | 79.9% |
第23回(2020年) | 577人 | 418人 | 72.4% |
平均点は60点台であることが多く、第29回では63.7点となっています。
基礎知識検定の合格者は20代前半が最多となっており、次いで10代後半と20代後半~30代が多い傾向です。基礎知識検定は、学生や医療情報技師を目指す若い人が受検していることが分かります。
医療情報技師のやりがい

医療情報技師は、技術力と医療知識を活かして医療現場に関わる職種であり、大きな達成感を得られる仕事です。
以下では、医療情報技師のやりがいとして多く挙げられる、「スタッフへの助け」「患者さんへの貢献」という2点をそれぞれ紹介します。
医療現場で働くスタッフの負担軽減につなげられる
医療情報技師の仕事は、医療現場で働くスタッフの負担軽減に大きく貢献しています。これまで手書きや手作業で行われていた多くの作業が、医療システムの導入により簡略化されました。
たとえば、電子カルテの導入です。電子カルテは、医師のカルテ記入作業を効率化し、院内での患者さんの情報共有をスムーズにしました。薬の処方や診察料の計算など、書類作成も簡素化されたため、作業にかかる手間や時間が大幅に短縮できています。また、手書き文字の読み違えや、手作業によって起こる計算ミスなどが起こりにくくなったのも、電子化の功績です。
結果として、医療スタッフの作業負担が大きく減少し、より効率的な医療提供が可能となっています。医師や看護師からの感謝の言葉を受けることもあり、医療情報技師にとって大きなやりがいの1つといえるでしょう。
患者さんにより安心・安全な医療を提供できる
医療情報技師の仕事は、患者さんにも大きく貢献しています。システムの電子化により、患者さんの既往歴や手術情報などのデリケートなデータがより確実に管理できるようになりました。データの伝達・共有にかかる時間も少なくなり、医師は患者さんの情報を素早く正確に把握できます。命に関わる情報を取りこぼしにくくなるのは、患者さんやその家族にとって非常に安心できることです。
このように、医療情報技師の役割は、患者さんがより安心・安全な医療を受けられる環境を作ることに直結しています。適切な情報管理によって医療の質が向上し、よりよい治療結果につながるのは、医療情報技師にとって大きなやりがいといえるでしょう。
医療情報技師の将来性

医療情報技師は、IT技術の進歩と医療ニーズの拡大という2つの大きな流れに支えられた、将来性が極めて高い職種です。現状でも既に電子カルテやWeb診療予約システムが普及していますが、今後はオンライン診療や遠隔医療ロボットなどの技術の進展が予想されます。これら医療スタッフの労働負担軽減や医療の質と効率を高める技術に、医療情報技師の存在は欠かせません。
AIの導入やサイバーセキュリティの強化も、医療情報技師の将来性を高めています。AIを適切に管理し、システムのメンテナンスやアップデートを行う仕事は、医療情報技師が担う分野です。また、サイバー攻撃への備えや職員へのリテラシー教育も、重要な任務となります。
加えて、医療業界自体が社会に欠かせない存在であることも、この職種の将来性を支える要素です。医療業界は常に進化し続けるため、新しい技術やスキルを研究して身につけ、変化に適応していける人材の就職先がなくなることはないでしょう。医療情報技師の仕事は、AIに置き換えられることのない、医療とITの橋渡し役として、今後もますます重要になっていく職種といえます。
医療情報技師の求人例

医療情報技師の求人は、通常の求人サイトだけでなく、医療情報技師育成部会事務局の公式サイトにも「公募情報」として掲載されています。
公募情報における求人例は、下記の通りです。
求人元 | 職種 | 仕事内容 |
---|---|---|
大学附属病院 総合病院 |
|
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医療センター |
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医療情報システムを取り扱う企業 |
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|
公募情報では、大規模な病院からの求人募集が多い傾向です。上記のほか、総合情報センターにおける準教授の募集などもあります。医療情報技師として勤務したい方は、ぜひ医療情報技師育成部会事務局の公募情報を確認してください。
医療情報技師の給料相場
医療情報技師の給料相場は、職場や経験により異なります。
医療センター・総合病院におけるシステムエンジニアやシステム担当事務員などの場合、月収約15万~20万円です。ただし、優れた能力を持つ特命技術員の求人などでは、月収約30万~40万円となり、経験や実力に応じて40万円を超えることもあります。いずれの職場においても、経験・能力に応じて昇給が見込まれます。
職場により、資格手当や時間外手当のほか、扶養手当や住居手当などが支給されます。総合病院などの正社員は福利厚生が手厚く、年2回の賞与が支給されるケースも多いため、安定して働けるでしょう。
まとめ
医療情報技師とは、医療情報システムの開発・運用・保守や、情報の利活用などを行う、医療分野に特化した情報技術者のことです。医療情報技師の資格を取得するためには、「医療情報技師能力検定」に合格することが必要です。
マイナビ看護師では、医療情報技師をはじめ看護師の皆さんにお役立ていただけるコンテンツや求人情報を掲載しています。看護職専門のキャリアアドバイザーが全面的にサポートするので、転職をご検討中の方はぜひマイナビ看護師にご相談ください。
※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています
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