• 2024年12月11日
  • 2024年12月10日

扱いづらくて困る「低モチベで上昇志向がない人」への接し方の最適解は?

 

ライスワークの人、ライフワークの人、働く上で仕事にかける熱量は人それぞれ。でもあまりにもドライな後輩に対して、どう指導したらいい? このお悩みに対して精神科医の井上智介さん、看護師兼ロリータモデルの青木美沙子さん、ブロガーのDJあおいさんがアドバイスします!

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

扱いづらくて困る「上昇志向がない人」への接し方の最適解は?

相談者
ライフワークの人、ライスワークの人、
自己研鑽して看護師道を極める人、仕事よりプライベートが大事な人……
看護師としての熱量がそれぞれ違う中で、どういう指導の仕方が最適解なのかわかりません。

看護師の仕事を選んだ以上、私の中では「看護師は患者さん第一」ですが、後輩指導で強要はできません。仕事のモチベーションが低い人やキャリア志向ではない後輩に、どこまで口を出していいのかもわかりません。こちらが熱く指導することで相手のやる気を削ぎたくありません。

後輩のモチベを保ちつつ指導するには具体的にどうしたらいいと思いますか?

スペシャリスト3人のアドバイスは?

産業医
井上智介さん
患者さんへの献身的な姿勢を大切にしている相談者さんの熱意は素晴らしいですね。だからこそ、後輩たちの仕事へのモチベーションを保つ指導に悩むのも理解できます。

ただ、相談者さんは自分と同じ考えを強要せず、後輩の働き方の多様な価値観への配慮が必要なことを十分に理解できているため、もう答えは出ているのではないでしょうか。

もし万人に当てはまる最適解があればラクですが、それは幻想です。結局は、一人ひとりとの対話で見つけるしかありません。そこで各々のモチベーションの源泉や仕事への価値観を探り、それに基づいた柔軟なアプローチが必要です。

ただ、その時には「どんな形で職場に貢献できるか」を考える機会を提供してみてください。たとえ、あなたから見れば程度が知れてる話になるかも知れません。

しかし、無理にキャリアを押しつけるより、その小さな貢献体験を実感してもらう方が、さらなる後輩のやる気を引き出すきっかけになる可能性がありますから(by 井上智介さん)。


ロリータモデル・看護師
青木美沙子さん
仕事をしているとモチベーションの違いを痛感することが多々あります。

私は人それぞれ考え方や生き方も違うので、自分の意見や常識を押しつけるのはよくないと思っています。

先輩としては、後輩の考え方、生き方を尊重しつつも、誰に対してもフラットに付き合っていく、指導していくのが大事かと思います。そして、付かず離れずの距離感を保つことで、自分にとってもストレスなく働けるようになるのではないでしょうか。

業務内容以外でもコミュニケーションを図ることが案外大事だったりするので、そうやって日頃から信頼関係を築いていき、付き合っていけたらいいですね(by青木美沙子さん)。


人気ブロガー
DJあおいさん
看護の現場では安定して高い実務力を発揮してもらえることが最も重要ですし、患者さんの安全やケアの質にも直結しますよね。

やる気があろうがなかろうが、ライフワークだろうがライスワークだろうが、やるべきことさえしっかりやってくれたらいいだけ。

したがって、本人のモチベーションに過度に介入するのではなく、実務を確実に行うための知識やスキルを身につけてもらうことに集中するのが合理的かと思いますよ。

モチベーションの維持は本人の問題で、基本的に他人が踏み込んでいい領域ではありません。相談をされたら真摯に向き合うべきだとは思いますが、先回りしてメンタル面までお世話してあげるのは少々過保護かと。

指導するのは基礎スキルの確実な習得と実務を通じたフィードバック、そして最低限のルールの明確化だけで結構です。くれぐれも熱血指導にならないように。価値観は人に押し付けるものではなく自分に課すものですからね(by DJあおいさん)。

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三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 仕事に対する思いが人ぞれぞれ異なる中で、相手をコントロールするのは不可能。やるべきことをやってもらうことだけ指導できていれば十分なのかもしれません。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に「職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全」(大和出版)など。

青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌「KERA」「姉ageha」でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に「キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 」(ワニブックス)、「女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋」(KADOKAWA)、「結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。」(幻冬舎)など。

著者プロフィール