• 2022年11月21日
  • 2022年11月17日

忘年会では新卒が一芸を披露する部署の伝統が…やりたくないけど従うべき?

 

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忘年会で一芸を披露しなきゃいけないんだけど、やりたくない。だけどやらないと今後の職場の人間関係に響きそう……。このお悩みに対して、人気ブロガーのDJあおいさん、作家の尾石晴さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

忘年会では新卒が一芸を披露する部署の伝統が…やりたくないけど従うべき?

相談者

最近いまの病院に転職をしたのですが、配属された部署には「忘年会の出し物はその年の新人と中途採用者が担当する」という伝統があります。

コロナ禍もオンライン忘年会が開かれており、回避するのは難しそうです。でもやりたくない……。

同時に頭をよぎるのが、いままで続いてきた伝統を異動してきた私なんかが破っていいのかということ。不参加だと今後の仕事にも影響しそうで少し怖いです。

どうしたらいいのでしょうか?

出典:マイナビ看護師

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スペシャリスト3人のアドバイスは?

人気ブロガー
DJあおいさん

新人の余興って何がおもしろいんですかね。

見ている方も共感性羞恥がフルスロットルに稼働してしまうのですが……。

余興自体のおもしろさを求めているのではなくて、「今年も新人にやらせてやったぜ」みたいな、権力による優越感を楽しんでいるだけなのかなと思ってしまいます。

まぁ、だいたいが「伝統だから」という理由で押し付けられることが多いと思うのですが、なんの意味がある伝統なのかを知りたいですよね。

どうせ体育会系にありがちな「私たちも我慢したんだからあなたたちも我慢してよ」というリベンジ精神が伝統になってるだけでしょ。

恥をかけばかくほどリベンジ精神が大きくなり次世代に受け継がれてしまうというただの負の連鎖でしょ。

そんな悪しき伝統なら次世代のためにも新人が団結して「余興お断り組合」でも作った方がいいと思いますけどね(by DJあおいさん)

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作家
oishi haru/尾石晴さん

それは、困りましたね。コロナで忘年会の一発芸が撲滅して、喜んでいる人たちも多かったと思いますが、一方根強いファンも多かった。今年は、「忘年会の一発芸」復帰に、悲喜こもごもの人が多そうです。

相談者さんは「悲」側。残念ながら職場の慣習は、これまで作り上げてきたものなので、この先も今の職場で頑張るなら合わせるしかなさそうです。この場合、相談者さんには3つの選択肢があります。

①職場での雰囲気が悪くなってもいいから断る(自分の「嫌」を大事にする)

②とりあえず波風を立てたくないからやる(職場の伝統を優先する)

③今年、自分はやるが、来年以降の新人さんがやるときに中止を提案する(後輩たちに嫌な思いをさせない、悪しき習慣を断つ側にいく)

大事なのは、選択には必ずトレードオフがあると思うことです。どれを選んでも少しの痛みは伴う。自分らしい選択をされてください。応援してます(by oishi haru/尾石晴さん)


産業医
井上智介さん

人前で一芸を披露するのは勇気がいりますね。余程でない限り気分がのらないものです。実際のところ、ハラスメントを糾弾する時代なので、相談者さんがお断りをすれば、参加を強要されることもないでしょう。

しかし、そのあとの人間関係も気になりますね。

そこで、相談者さんは、今の職場の人とどのような関係性を望むのかを改めて考えてみることをオススメします。

ただ、それは自分の希望だけではなく、自分の業務スキルとの兼ね合いも忘れないようにしてください。

たとえば、病院には孤高の一匹狼キャラの人もいますが、やはり“仕事ができる人”です。もし相談者さんにその自信がないなら、最低限の付き合いはあったほうがいいでしょう。ご存じのとおり、医療はチーム戦ですから。


出し物による人付き合いも0か100で判断するのではなく、50くらいの関わり方もあります。見てる人も100のクオリティを求めていませんし、事前の時間やエネルギーの割き方はそこそこにして『参加することに意義がある』くらいの気持ちで臨んでみてはいかがでしょうか(by 井上智介さん)


三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 部署の伝統を変えることより、出し物への力の入れ具合を変えたり、人間関係を円滑にしておくためと割り切ったりして、ちょうどよい距離感を保つことが現実的かもしれません。相談者さんの周囲に同じ思いを抱えている人が多い場合は、余興の中止を提案しても良さそうです。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。

oishi haru/尾石晴さん
作家・Voicyトップパーソナリティ・兼業大学院生・オンラインヨガ『ポスパム』代表。
ワンオペ育児の合間に、会社員以外での収入経路を複数確保し現在に至る。2020年4月退職。音声メディア「Voicy」では4,000万回再生超えのトップパーソナリティ。SNSの総フォロワー数は16万人超え。2児の母。著書に『ワーママはるのライフシフト習慣術』など。

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター

産業医・精神科医。大阪府在住。島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。すべての人に「大ざっぱ(rough)」に「笑って(laugh)」人生を楽しんでもらいたいという思いから「ラフドクター」と名乗り、赤縁の眼鏡、金色のアフロヘアと白衣姿でSNSや講演会などで心をラクにするコツや働く人へのメッセージを積極的に発信中。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

著者プロフィール