看護師としてまだまだの私が管理職に。後輩からどうみられてるんだろう? 信頼関係はどうやって築くべき? 私、自信ない……。人気ブロガーのDJあおいさん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!
イラスト:菜々子
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
私が主任で大丈夫かな? 後輩看護師は誰に教わるか人を見てるだろうし……。
今年度から看護主任として、後輩・部下を取りまとめる役を任されました。若手看護師を育てていく立場を全うできる自信がありません。
教えることで学ぶことが多いと聞きますが、後輩も誰に教わるか人を見ていると思います。彼女たちにとって誇れる先輩でありたいのですが、自分も成長過程で、まだまだ学ぶことが多い身です。
それでも任されたからにはやるしかないので、管理職として後輩・部下を育てるときに心がけることや信頼関係の育み方についてアドバイスください。
スペシャリスト3人のアドバイスは?
最近は褒めながら教える人が多いようですが、褒めてはダメですよ。かといって貶してもダメだし、怒ってもダメ、叱ってもダメ。
これらは全て「他者評価」になりますので、褒めても叱っても結局は他者評価に依存してしまうことになります。他者評価に依存すると若手看護師の“内発的動機”が失われてしまうので、安易に他者評価を与えないように注意してください。
最も大事なのは、「その若手看護師自身がどう思ったのか」「自分自身にどのような評価を下したのか」、それをまるっと許容してあげることが重要です。
ミスをしたら叱るのではなく、どう思ったのかを聞き出し、それを否定することなく受け入れてあげること。よく出来たら褒めるのではなく、どう思ったのかを聞き出し、それを否定することなく受け入れてあげること。
何よりもその人の自己評価を尊重してあげることで信頼関係が生まれると思ってください(by DJあおいさん)。
まずはコミュニケーションをとることが重要です。看護業務以外の日常会話でも、その人を知ろうとすることを大切にしてください。
私も看護師1年目に指導ナースを担当した経験がありますが、その時の後輩がアイドルのキーホルダーをつけていたので、そのアイドルの話をしてみたら、心をひらいてくれました。
積極的に話しかけても後輩に悪い印象を与えることはないと思うので、そうやって信頼関係を築くことが大切だと思います。
ただ、後輩の前ではいつでもカッコイイ姿でいようとか、完璧な自分を見せなきゃと思う必要はありません。それだと余計なプレッシャーからコミュニケーションがとれなくなります。
人間なので完璧に出来るわけではないですし、「先輩だから」「指導者だから」と気負うことなく、後輩と一緒に学んでいく姿勢を見せるのも心に刺さると思います。
主任になると任されることも増えて大変かと思いますが、自分の成長にも繋がるので頑張って下さい!(by青木美沙子さん)
管理職になると、慣れない立場に不安を感じる人は多いものです。周りから見れば主任を任されたことは昇進なので、ネガティブな気持ちは口にしづらいですしね。
ただ、相談者さんの「後輩を育てたい」という気持ちは十分に伝わってきます。部下に「あなたから教わりたい」と思ってもらうためには、まず“安心”と“安全”を伝えてください。信頼関係はその先です。
安心と安全を伝えるためには「常に自分のことをさらけ出すこと」を意識してください。何を考えているかわからない人に相談や質問なんてできません。たとえ悪い状況だったとしても「ごめんね。今日は寝不足で不機嫌に見えるかも」と、伝えるだけで後輩は安心するものです。
さらに、部下と同じような時期に自分が経験した失敗談を共有すること、今もまだまだ勉強の身であることを素直に口にしてください。
また、部下と接するときは、集団の一員としてではなく個人として尊重することが大切です。人によって仕事に対する熱量や価値観は異なり、得意・不得意もちがうことも忘れないでください。
これらの意識があれば、どの部下とも自然と目線の高さをそろえて接することができますよ(by 井上智介さん)。
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三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 主任という役職にがんじがらめにならないためにも、等身大の自分で後輩と向き合いつつ、一緒に成長を目指していくのが良さそうですね。 相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。