【質問】患者さんのクレームどうすればよかったの?
【回答】次回からできる対応すべて行うつもりで
できるかぎりのことをする
患者さんの思いには必ず「その考えに至るまでの背景」があるため、「なぜ、その発言に至ったのか」を推測することで善処しやすくなります。騒音の問題は安全の欲求が侵害され、不眠による身体的苦痛だけでなく深刻な心理的苦痛をもたらします。入院生活によるストレスの蓄積も考えると、日ごろからさまざまなことを我慢している可能性があることを考慮する必要があったといえます。
今回の場合は単に「つらさをわかってほしい」というだけでなく、「何らかの策を講じてほしかった」という思いがあったことが推測できます。
人は「思いを受け止めてくれる環境」と「自分のためにできるかぎりのことをしてくれた実感」があれば、たとえ、問題の根本・原因を解決できなかったとしても納得することが多いです。
今後は「どうやったら解決するか」だけでなく、「どのように対応すれば納得してもらえるか」という視点も含め考えて対応するといいでしょう。
解決策の選択肢を増やして
具体的な解決策の案が少なければ少ないほど選択肢が狭まるため、その人にあった解決方法を提示することは困難になります。今回のケースの場合、「我慢をしてもらう」という解決策だけでなく、
・傾聴・共感をする
・可能であれば、一時的に別室で入眠できるかどうかを検討する
・翌日以降、睡眠薬の内服が可能かどうかを検討する
・不眠が続くようであれば、部屋移動も検討する
・耳栓の購入を提案する
・看護師長に相談する
・先輩の休憩後に、状況報告を行い、よりよい解決方法はないか確認する
など、さまざまな方法を洗い出したうえで、必要に応じて患者さんに相談・提案をしましょう。
患者さんにとって必要な看護を提供していくためには、「出来事から何を学び、どのように解決策の選択肢を増やしていくか」が大切です。
ぜひ、今後も「さまざまな解決方法」を考える習慣を身につけることをおすすめします。