業界ニュース情報便

vol.43

看護師の「夜勤72時間ルール」が変わる

2016年の診療報酬改定で、看護師の月平均夜勤時間を72時間以内にするというルールが変更されました。これは通称「72時間ルール」と呼ばれているもので、変更点としては計算方法、要件となります。今までの制度内容との比較で、変更点について説明していきます。

そもそも72時間ルールって?

「72時間ルール」とは、「夜勤をする全看護師の夜勤時間の合計」から「夜勤をする全看護師の人数」を割った数字が72時間以内にならなければいけないというもの。これは、看護師が過剰な夜勤労働をしないために設けられています。
意外と知られていませんが、看護師の夜勤時間は、病院が請求する入院基本料に大きく関わっており、病院が国に入院基本料を請求するためには、看護師の平均夜勤時間が72時間以下であるというルールを厳守する必要があります。
2016年の診療報酬改定では、回復期・慢性期(7対1および10対1入院基本料以外)の病棟での「72時間ルール」の計算方法・要件が変更になりました。現在、回復期・慢性期で働いている看護師は、勤務体系に大きく関わるので目を向けてもらいたいトピックです。

どこが変更されたの?

これまでは、夜勤勤務が16時間以下/月の看護師は上記の計算式に含むことができませんでしたが、今回の改定で「16時間以下の者は含まない」→「8時間未満の者は含まない」と変更されました。
つまり、子育てなど家庭の事情や、健康面の理由から夜勤の回数を減らしたいという人が準夜勤、深夜勤に分かれて1回だけ入っても、72時間ルールの対象に含まれることになったのです。

夜勤勤務が増える可能性も?

「72時間ルール」に含む看護師の人数が増えたことによって、いっけんすると看護師全体の夜勤時間が減り、看護師の負担が軽くなるように思うかもしれません。しかし、人員が確保されていない病院の場合は、逆に夜勤勤務が増えてしまう可能性も。
実は、「72時間ルール」の計算式は、病棟単位で72時間以内に収められていればいいので、一人当たりの夜勤時間が増えても、最終的に病棟単位で守られていれば問題ありません。そのため、8時間夜勤勤務の人員が増えたことによって、余剰した看護師を人員が足りていない他の部署へ異動。その結果、長時間夜勤のできる特定の看護師の夜勤時間ばかりが増え、看護師によって夜勤時間数に偏りが出るという可能性があるのです。

よく勤務表を見ている看護師から「今月、私だけ夜勤が1回多い」という不満の声が聞こえることがありますが、必ずしも全員が同じ回数になるわけではありません。今回の「72時間ルール変更」を機に、自分のライフスタイルや求める給与額などを加味し、夜勤の必要性について考えてみてはいかがでしょうか。

文:看護師 水谷良介

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