最近「ネイルはしたくないけど、手元はきれいにしておきたい」というナチュラル思考の方が増えています。その一方で、自己流の甘皮処理が原因で、手元が荒れたり、出血してしまったりする方も少なくありません。
そこで本記事では、自爪ケア専門サロンを経営するネイリストが、初心者の方でもできる簡単で正しい甘皮処理の方法を伝授します。
ネイルサロンに行かなくても、あるいはネイルをしなくても、ちょっとしたお手入れだけで、きれいな爪を手に入れることはできます。この機会に正しいセルフケアを覚えて、自信が持てる手元を目指しましょう。
甘皮処理はどこまで?セルフケアのために必要な基礎知識

「甘皮」という言葉は知っている方も多いかもしれませんが、具体的にどのようなものかご存じでしょうか?
甘皮とは、爪の根元にある薄い皮膚のことで「爪上皮」や「キューティクル」とも呼ばれます。甘皮処理は、甘皮を適切に除去することで、手元を美しく見せるための大切なステップです。
しかし、自己流で間違った処理をすると、必要以上に皮膚を押し上げてしまい、痛みを感じたり、出血したり、ひどい場合は膿んでしまったりすることもあるため注意しましょう。
セルフ甘皮処理をするために、まず甘皮について3つの基礎知識が必要です。
- 甘皮の種類と特徴
- 甘皮の重要な役割
- セルフケアで処理できる範囲
まずは、甘皮について理解したうえで、甘皮処理をしましょう。
甘皮の種類と特徴

甘皮は、大きく分けて「ルースキューティクル」と「エポニキウム(キューティクル)」の2種類に分類されます。ネイルケアでいう甘皮処理とは、甘皮の古い角質であるルースキューティクルの除去を指します。
ルースキューティクルとエポニキウム(キューティクル)のそれぞれの特徴は、以下の表を参考にしてください。
甘皮の種類 | 特徴 |
ルースキューティクル | 爪の生え際にできた古い角質。白っぽいカスのような見た目ではがれやすく、セルフケアでも比較的除去しやすい。 |
エポニキウム(キューティクル) | 爪の根元の薄い皮膚。神経や血管が通っておらず、ケアしても痛みはないが、通常の皮膚との見極めが難しく、セルフケアで処理するのは危険。 |
甘皮処理を行う際には、2つの甘皮の違いを必ず理解しておきましょう。
甘皮の重要な役割
甘皮は、健康な爪の成長に欠かせません。甘皮の主な役割は、以下のとおりです。
- 爪の根元を保護し、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ
- 爪の水分を保持し、健康な爪の成長をサポートする
- 爪の厚さを均一に保つ
甘皮は、爪の根元を保護し、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ役割を果たしています。また、爪の水分を保持したり、厚さを均一に保ったりする働きもあります。
セルフケアで処理できる範囲
セルフケアで処理する甘皮は、ルースキューティクルだけにしておきましょう。
エポニキウムは、神経や血管が通っていないため、ケアしても痛みはありません。ただし、エポニキウムと皮膚の境目を見極めるには、専門的な知識や技術が必要です。
やりすぎによる痛みや出血を防ぐためにも、セルフケアでは、やさしく押し上げる程度に留めておきましょう。エポニキウムを押し上げたときに出てくるルースキューティクルだけを取り除くのがおすすめです。
甘皮処理に必要な道具
甘皮処理は、プロ仕様の道具を購入しなくても、自宅にあるものや100均の商品などで簡単に代用できます。
甘皮処理に必要な道具は、以下の5つです。
- キューティクルリムーバー(ハンドクリームでもOK)
- フィンガーボウル(指先まで入る大きさがあればOK)
- タオル
- ウッドスティック(綿棒でもOK)
- オイル(ハンドクリームでもOK)
それぞれの道具を使用する場面について説明します。
キューティクルリムーバー(ハンドクリームでもOK)
キューティクルリムーバーは、甘皮処理をする前に、爪と爪周辺の皮膚に塗布します。固くなった甘皮をやわらかくするので、初心者の方でも処理がしやすくなります。キューティクルリムーバーは、100均でも購入できますが、用意できない場合はハンドクリームでも代用可能です。
フィンガーボウル(指先まで入る大きさがあればOK)
フィンガーボウルは、40度くらいのお湯を入れたものに指先を浸け、処理しやすいように甘皮をふやかすするネイルケア用品です。指先まで入る大きさの容器であれば問題ないため、洗面器でも代用できます。
タオル
タオルは、お湯に浸けていた指の水気を拭き取るときや、処理なかの白いカスのようなもの(古い角質)が浮いてくるのを拭き取る際に使用します。ケア中に焦らないためにも、事前に手元に準備しておきましょう。
ウッドスティック(綿棒でもOK)
ウッドスティックは、やわらかくなった甘皮を押し上げる際に使用します。100均で購入でき、複数本セットで売っている場合が多いため、一度購入すればしばらく活用できて便利です。ウッドスティックの先端にコットンを巻きつけて使用すれば、より安全にケアできます。なお、ウッドスティックは綿棒でも代用できます。甘皮処理に自信がない初心者の方は、皮膚や爪を傷つけにくい綿棒を使うほうがおすすめです。
オイル(ハンドクリームでもOK)
オイルは、甘皮処理後の手指の保湿に使用します。ネイルオイルも、100均や300均などで比較的安価で購入できます。用意できない場合は、ハンドクリームでも代用可能です。
甘皮処理のやり方
ここからは、具体的な甘皮処理のやり方をご説明します。
手順は、以下のとおりです。
【準備するもの】
- 甘皮をやわらかくする
- 甘皮をふやかす
- 水気を拭き取る
- ルースキューティクルを押し上げる
- 甘皮や汚れを拭き取る
- 保湿する
上記の工程を理解し、セルフでの甘皮処理をマスターしましょう。
①事前準備
まずは、ハンドソープで手指を清潔にし、ボウルに38℃〜40℃のお湯を準備します。お湯のなかにハンドソープを数滴たらし、よく混ぜておくと、甘皮をより早くふやかせます。
さらに甘皮をやわらかくするために、キューティクルオイル(またはハンドクリーム)を甘皮部分に塗布しておきましょう。
②甘皮をふやかす
次に、準備していたボウルのなかに指を浸け、甘皮をふやかします。3分間ほど温めるとよいでしょう。
③水気を拭き取る
甘皮が十分にふやけたら、ボウルから手を出し、用意していたタオルでやさしく水気を拭き取ります。
④ルースキューティクルを押し上げる


ウッドスティック(または綿棒)を鉛筆のように持ち、縦に長い円を描くようにクルクルと動かしながら、甘皮をやさしく押し上げていきます。
ウッドスティックを使用する際は、皮膚や爪を傷浸けるのを防ぐために、スティックの先端にコットンを巻きつけて行うのがおすすめです。初めての方は、まずは安全な綿棒ではじめましょう。
⑤甘皮や汚れを拭き取る
綿棒で押し上げているときに、白いカスのようなもの(古い角質)が甘皮部分についてきたら、タオルで拭き取ります。ゴシゴシすると皮膚を傷めてしまうため、やさしく丁寧に行いましょう。
⑥保湿する

片手のケアが終わったら、爪だけでなく手全体にオイルを塗って保湿してください(詳しいやり方は、次の項目で説明します)。同様に反対の手もケアしましょう。
オイルでの保湿について
お湯に浸けてふやかした甘皮まわりは、とても乾燥しています。甘皮処理の後は必ずオイルを塗って保湿するようにしましょう。
また、日々の生活でも、手洗いやアルコール消毒、空気の乾燥などによって、手や爪の水分はどんどん蒸発してしまいます。きれいな手元を目指すなら、オイルでの保湿を常に心がけましょう。理想は1日5回。少量でよいので、こまめに塗ることが大切です。
オイルを塗ると、甘皮まわりにささくれができにくくなるほか、弾力のあるしなやかな爪へと変化し、ツヤも出てきます。
<オイルの塗り方>
オイルは、いちばん乾燥している爪先からスタートし、爪裏、甘皮まわり、手の順に塗りましょう。
甘皮まわりは、塗るときにギュッと押すと血行がよくなり、元気な爪が生えてくるようになります。
<おすすめのオイル>
オイルは、ツバキ油、馬油、ホホバオイル、ココナツオイル、マカダミアナッツオイルなど、市販されているものでOKです。ご自分が好きなものを選んで使いましょう。
甘皮処理の注意点
爪まわりがきれいになってくると「もっときれいにできるかも!」という気持ちが芽生えて、甘皮処理の頻度が多くなりがちです。
しかし、先に紹介したように、甘皮には「爪の根元に細菌などが入らないよう守る」という大切な役目があるため、処理のしすぎは禁物です。
理想の頻度は、週に1回程度。それで十分にきれいな手元を維持できます。また、甘皮処理を行う際は、以下の5点に注意して、安全に甘皮処理を行いましょう。
①無理やり押し上げない
甘皮を無理やり押し上げるのは、絶対にやめましょう。無理やり押し上げてしまうと皮膚まではがれてしまい、痛みをともなうだけでなく、細菌などが入りやすくなってしまいます。
とくに、いままで甘皮処理をしたことがない方の場合、爪に甘皮がべったりとくっついてしまっていることがあります。そうしたケースでも「甘皮を一気に押し上げてケアしよう」と考えるのはNGです。
甘皮は、一度のケアですべて除去する必要はありません。週1回の頻度で、少しずつ押し上げるようにしてください。
ポイントは、日々のこまめなオイル保湿を続けることです。そうすることで甘皮がやわらかくなり、押し上げやすくなります。
②やりすぎに注意する
指先をきれいに見せるために甘皮処理は効果的です。しかし、甘皮には、外部からの刺激や細菌を防ぐ役割があるので、やりすぎは避けましょう。
健康的な手指を維持するために、甘皮処理は、最低でも1週間程度は間隔をあけて行いましょう。ただし、甘皮が伸びるスピードには個人差があります。期間があいても甘皮が生えてきていないときは、無理な処理は必要ありません。保湿やマッサージなどで、健康的な手元を維持しましょう。
③甘皮を切らない
セルフケアで甘皮を切るのはやめておきましょう。
サロンでは、ニッパーを使用して甘皮を切ることがありますが、専門的な知識や技術がないと、逆にささくれができてしまったり、出血したりするリスクが高くなり危険です。
甘皮を切らなくても、定期的にケアをすることで、爪まわりをきれいに保つことができます。
④ささくれができていても引っ張らない
みなさんのなかにも、ささくれを引っ張って出血したり、腫れたりした経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ささくれを見つけたら、根元ギリギリを爪切りで切るようにしましょう。無理に引っ張って取るのは禁物です。また、手指が乾燥しているとささくれができやすくなります。ささくれができるのは、保湿が必要なシグナルだと考えて、日々の保湿ケアを念入りに行いましょう。
⑤メタルプッシャーではなく綿棒を使う

「メタルプッシャー」とは、甘皮を押し上げる際に使用するネイルケア用品です。近年、100均やドラッグストアなどで気軽に購入できるようになりましたが、初心者の方にはおすすめしません。
メタルプッシャーは、甘皮を押し上げやすく便利な反面、力を入れすぎて周辺の皮膚や爪の表面を傷つけてしまう恐れがあります。
初心者が、セルフで甘皮処理をする際は、綿棒、あるいは、ウッドスティックの先端にコットンを巻きつけて行うのがおすすめです。
まとめ|簡単なセルフ甘皮処理で美しい爪を手に入れよう
この記事では、自宅で手軽にできる甘皮処理の方法を紹介しました。
セルフでの甘皮処理は、週1回程度を目安に、甘皮をしっかりふやかしたあと、綿棒やウッドスティックでやさしく押し上げ、タオルで拭き取るのが基本です。ケア後の保湿も忘れずに行ってくださいね。
無理やり甘皮を押し上げたり、甘皮を切ったりすると、出血や腫れなどトラブルのもとになりかねないので注意しましょう。
手は、他人から見られることが多いパーツであり、自分の目からも見えやすいパーツです。だからこそ、お手入れする時間を楽しみながら、しっかりとケアを継続してください。爪や甘皮が美しくケアされた手は、見る人に好印象をもたらすだけでなく、あなたの心までウキウキさせてくれますよ!
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