後輩に仕事を頼みたいけど、結局フォローしなきゃいけないし、自分でやったほうが早いと思ってしまう…。このお悩みに対して精神科医の井上智介さん、看護師兼ロリータモデルの青木美沙子さん、ブロガーのDJあおいさんがアドバイスします!
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
後輩に仕事を任せたいけど、自分でやったほうが早いと思ってしまう…。
そんな後輩に仕事を任せることが不安だし、自分でやった方が早いと思って、なんでも自分でやってしまいます。
後輩の成長の妨げになっているのかもしれませんし、これだと私だっていつまで経ってもラクにならないのはわかっています。特に夜勤時は連携が重要なので、このままでは良くないと思います。
でも、当事者意識がなくて成長しようとしない後輩に対して教えても暖簾に腕押し感が否めません。どうしたら安心して任せられるようになりますか?
スペシャリスト3人のアドバイスは?
最初から完璧を求めず、出来たことや得られたことに注目してポジティブなフィードバックを前提に、うまくいかなかったことは“伸びしろ”だと伝えていきましょう。少なくとも半年くらいは時間をかけて、粘り強いコミュニケーションが必要です。
仕事を任せるコツは、期間と目的を明示することです。
たとえば、患者のケアプランの更新の提出なら、『3日後まで』と期限を決めて、『術後の患者さんと家族に安心してもらうため』などの目的を伝えましょう。そのうえで『2日後の11時から10分ほど進捗確認しますね』と、途中で確認する予定も先に組み込んでおきましょう。
進捗状況を確認する際に本人の疑問点を聞くことで、より建設的なサポートも提供できて、相談者さんも過剰に心配せずに任せることができるようになるでしょう(by 井上智介さん)。
人それぞれ成長の度合いも違うので、自分の頃と比べず、必要以上の圧を与えず、根気よく指導していくのが大事かと思います。
任せることは不安でもあるけれど、本人にやらせて自信を持たせたり、自ら気づかせることも大切なので、あまり焦らずに指導していくことが後輩の成長につながると思います!
気長に待ちながら成長を見守っていけたらと思います(by青木美沙子さん)。
仕事を任せられると責任感が生じるじゃないですか。
責任感が生じるとさらに仕事に熱が入るじゃないですか。
そうなるとまたワンランク上の仕事を任せられて、ワンランク上の責任感が生じ、ますます仕事に熱が入るという円環が出来上がるわけです。
しかし、物覚えがゆっくりな人はあまり仕事を任せてもらえないじゃないですか。
いつも誰かが責任を持ってくれて、いつも誰かに先回りされて仕事を奪われてしまう状況。当然責任感なんて生じませんから、いつまで経っても当事者意識が持てない。
自分が居ても居なくてもなんら変わらない環境で育つ人なんていませんから、単なる物覚えの良し悪しの違いだけで埋め難い隔たりができてしまうんです。
責任感が人を育てる燃料になります。
仕事ができるから責任を与えるのではないのです。
責任を与えられることによって仕事ができるようになるのです。
どんなに小さな仕事でも構いませんので、まずはなんらかの仕事を任せるところから始めてください(by DJあおいさん)。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 後輩の成長の機会を無意識に奪っていないか確認し、長い目で見てあげるといいのかもしれませんね。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)
井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に「職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全」(大和出版)など。
青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌「KERA」「姉ageha」でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。
DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に「キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 」(ワニブックス)、「女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋」(KADOKAWA)、「結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。」(幻冬舎)など。