• 2019年4月23日
  • 2021年10月1日

訪問看護師の仕事とは 最新映画から学ぶ在宅医療のリアル

 

若手医師を中心にケアマネジャー、訪問看護師、介護福祉士、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、リハビリ職、管理栄養士――在宅医療に懸命に取り組む仲間たちの命と希望の物語『ピア まちをつなぐもの』が4月26日に劇場公開されます。
2018年診療報酬改定以降、医師や看護師、ケアマネジャーなど多職種連携や在宅対応は必須の時代。これからの時代、訪問看護師に求められる在宅医療のリアルとは。

<作品情報>
「ピア まちをつなぐもの」
4月26日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国順次公開

出演:細田善彦、松本若菜、川床明日香、竹井英介、三津谷亮、金子なな子、戸塚純貴、尾美としのり、水野真紀ほか
監督:綾部真弥 企画・原作・プロデュース:山国秀幸 脚本:藤村磨実也、山国秀幸
(C)2019映画『ピア』製作委員会

看護師の在宅医療とは 映画で学ぶ3つのポイント

1.訪問看護とは 在宅医療の多職種連携

厚生労働省の調査によると、最期を迎えたい場所は「自宅」が54.6%※で最も高く、在宅医療を必要とする患者数の増加にともない、訪問看護ステーションも年々増加傾向※。まもなく公開となる映画『ピア まちをつなぐもの』は、看護師にとっても今後ますます必要となる“在宅医療”の現場がリアルに描かれています。

主人公は、細田善彦演じる若き医師。細田は、テレビドラマ『3年A組』(日本テレビ系)に刑事役として出演していた注目の若手俳優です。ケアマネジャー役の松本若菜と医師を中心にストーリーが展開します。

看護師役は、田山由起。映画、舞台、CMで活躍する実力派女優であり、自身も介護ヘルパー2級を持っているため、患者に優しく声をかける演技が印象的。

看護師・坂本里美役の田山由紀は、介護ヘルパー2級の資格を持っているそう。

2.在宅医療における患者側の心理とは

医師や薬剤師など医療スタッフの葛藤を描く一方で、在宅医療を受ける患者と家族側の描写も見どころのひとつです。

映画のキーパーソンとなっているのが、乳がん患者を演じた水野真紀。がん患者とその家族の苦しみを描くシーンはとくに水野の迫真の演技に圧倒されます。

映画のプロデューサー山国秀幸さんによると、

「水野さんは、お知り合いを乳がんで亡くされた経験などがあり、この作品の社会的意義を感じて、出演を決められたそうです。役に合わせて食事制限をされ、体重をかなり絞った状態で撮影に入られました」

 医師役:細田善彦、ケアマネジャー:松本若菜、薬剤師:三津谷亮、介護福祉士:金子なな子、歯科医師:加藤虎ノ介、歯科衛生士:桜まゆみ、訪問看護師:田山由起、管理栄養士:枝元萌、理学療法士:村上和成、作業療法士:中野マサアキ、福祉用具専門相談員:大迫一平らが出演。在宅医療のチームとはどんなものかがわかりやすく描かれています。

3.在宅医療が進む映画のロケ地はどこ?

映画の主なロケ地となっているのは、在宅医療における先進地区ともいえる千葉県柏市。

主人公の父、升毅演じる高橋圭蔵先生は、柏市でいちはやく在宅医療に従事し、地域住民に親しまれていた実在の医師がモデルの一人となっています。

また、映画に登場する多職種連携会議のシーンには、現職の医師や看護師、介護福祉士らが出演しています。撮影場所として使われているのも、実際の会議が行われている地域医療連携センターとなっています。

しています。撮影場所として使われているのも、実際の会議が行われている地域医療連携センターとなっています。

プロデューサー山国秀幸さんは、映画製作にあたり、実際の医師、ケアマネジャー、介護福祉士、薬剤師、訪問看護師、歯科医師、リハビリ職、管理栄養士など在宅医療にかかわる医療関係者50人以上に取材や同行。研修や会議にも参加し、自ら原作を書き上げたそう。在宅医療とは何なのか、どんな仕事なのかが、その本質をリアルに実感できます。

在宅医療とは、患者の死と向き合うのではなく
幸せに生きてもらうための医療

もがき苦しむ医師がたどりついた言葉が、心にじんわり響きます。

まっすぐに、正直に、在宅医療を描いた稀有な作品。看護師として在宅医療にどうかかわっていくべきか、在宅医療におけるチーム医療とはどんなものかを知るよいきかっけになるのでは?

取材・文/ライター廉屋友美乃

※厚生労働省「在宅医療(その1)」より
※厚生労働省「訪問看護(参考利用)」より

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