毎日の仕事で忙しい看護師は、時間の使い方や人間関係で神経をすり減らしがち。忙殺されるあまり、自分にとって本当に大切なことが見えなくなってしまっている人も多いのではないでしょうか?
もっと余裕を持って生活したいと思っても、何をどうすればいいのか分からない。そんな忙しい看護師さんに向けて、毎日の時間と人間関係の質を上げるコツをライフスタイルコンサルタントの横田真由子さんが語ります。
自分の気持ちに素直になることは難しい

かけがえのない人生の時間を何に使うか、どう使うかは重要ですが、やはり「誰と過ごすか」で質が変わってきます。
スケジュール表を見ながら、「気の乗らない約束を入れてしまったな」と、憂鬱になってしまうことはありませんか?
私は、「どうして、行くと言ってしまったのだろう……」と何度も後悔したことがあります。「みんなが行くと言っているから仕方ない」とか、「行った方が〇〇さんの顔も立つから」と、無理に自分を納得させようとしている時は、必ず、不具合が生じます。
その日に限って、ずっと疎遠だった友人が上京してきて、「久しぶりに会いましょう」と連絡が来たりするのです。けれど、参加費も振り込んだし、今更キャンセルはしづらいとモンモンと悩みます。
いつも「自分の気持ちに素直になること」「他者と正直に向き合うこと」が大切だと思っているのですが、とても難しいと感じます。
自分の率直な心の声を聞くことが後回しになっている

先輩や同僚に気を遣いすぎてない?
状況や雰囲気を察したり、相手の顔色を伺うことに慣れてしまい、瞬時に「こうした方がいいのでは?」と思ってしまう自分がいます。 「○○しなければ」「○○した方がいいのでは」というのは、自分の気持ちを修正、補正した状態です。「本当は、どうしたいの?」と、自分の率直な心の声を聞いてみることを、いつも後回しにする癖がついてしまっているのです。
この率直な声をスルーしてしまうと、だんだんと本当の自分からズレていきます。
自分の時間は自分のものなのに、正直に時間を使えていない自分になります。
そして、悩んだ挙句、直前になってキャンセルすることになり、何だかどんよりとした気持ちになります。だったら、最初から「NO」と言えばよかったと自分を責めるのです。
自分の気持ちをちゃんと見つめないで、ごまかし続けていると、どんどん苦しくなります。
賢い看護師の仕事管理術 – スケジュールの「棚卸し」

これは、仕事も同じです。「私でなくてもいいのでは?」と感じている仕事や、気の進まない仕事でスケジュールを埋めてしまうと、本当にやりたい仕事が入ってきた時に、入るスぺースがなくなってしまっています。
むやみやたらに詰め込まず、スペースを空けておくことで、新しいものが入ってきます。こんな時は、一度、棚卸しをしてみます。
「やるべきこと MUST」=私の役割は? 私に求められていることは?
「やりたいこと WILL」=本当にやりたいことは? 未来に向けて始める最初の一歩は?
「できること CAN」=経験値から獲得した得意なことは? 自分を活かせることは?
これらを書き出していくと整理できます。
余白を作ると時間の質が上がる

モノだけでなく仕事も、ミニマムリッチの核である、「量より質」を意識して、時間を埋めていくことは大切だと思っています。
本当に納得していないムダなスケジュールを手放して空けたスペースや時間は、ひとつひとつの質を上げるために使うことができます。インプットする時間や作戦タイムを設けることは、「自分にしかできない仕事」にするためにも必要なスペースです。
「スケジュールに少しの余白はあるか?」「運転している車のハンドルに『遊び』はあるか?」 を常に意識してみませんか。
勇気を出して「 NO 」ということで、ほんの少しの余白ができます。それが後々、大きな膨らし粉の役目をしてくれます。
◉minimum action
仕事もスケジュールも量より質。納得していない予定は手放して、本当に大切なことを呼び込む余白をつくっておく。
ストレスの多い看護師の人間関係

モヤモヤ、ザワザワは人間関係の赤信号
「あの人と会うと、帰ってきてからモヤモヤする」「この人の話を聞いていると、いつもザワザワする」ということはありませんか? これは、誰もが感じる「本当の自分から送られてくる赤信号」だと思っています。
けれど、日常では、この違和感を特に重要視しなかったり、適当にスルーしながら、みんな、暮らしているのではないでしょうか?
このザワザワ、モヤモヤが心の中で知らず知らずのうちに増殖していくと、ある日、熱を出したり、お腹が痛くなったりと体の方に表れたりします。そこで、やっと「あー、やっぱり、私、無理してたんだ」と気づくのです。
人間関係では赤信号を無視しない

苦手なあの人と付き合うコツ
転職を自分が本来持っている直感を大事に守り磨いていくことで、状況も体調も修正されていきます。「快、不快」「好き、嫌い」という感情を見つめ、その素の自分からの声に正直に生きることで、本当の満足感を得られます。
なかなか難しいかもしれませんが、人間関係では、赤信号を無視しないことです。
例えば、とても仲の良かった友人だとしても、最近は会っていても「何か違う」と感じる時は少し距離を置いて、様子を見る方がいいと思っています。「友達だから我慢しなくちゃ」 と気持ちを修正してしまうと、未来が変わってしまうこともあります。 なぜなら、お互いの学びは終わっているのに我慢していると、次の学びに出会うことができないからです。
古い殻を被ったままだと、生まれ変わって羽ばたくことができません。 「一緒にいた時間は楽しかったし、またあんな時間が過ごせたら」と思って、もう一度会ってみるけど、「やっぱり違う」と感じてしまう。二人の間に何か事件があった訳でも、嫌いに なった訳でもないけれど、拭えない違和感があるなら、それを認めていくことです。
「もうひとりの自分」の成長を認めよう

絶え間なく時間は流れているし、人の細胞は日々、新陳代謝を繰り返しているから、今の自分と今の友人の波長は、もう合わなくなっているのかもしれません。
これは恋愛関係でも同じかもしれません。その人との関係が長ければ長いほど、一緒にいる時「もうひとりの自分」が存在します。そのもうひとりの自分が成長してしまって、違う人になってしまったような感覚があり、寂しくなるのです。
そんな時は、その「もうひとりの自分」の成長を認めてあげることです。
このご縁での学びは終わり、卒業の時期を迎えたのです。 今は、卒業したはずの人間関係でも、機械が「この人は、友達ではないですか?」と聞いてきます。SNS社会の中では、卒業したはずの人間関係でも、何らかの形でつながり続け、情報も入ってきやすいですから、人間関係にも、胆力が必要です。
どんなに頭で表面上の情報をキャッチしてしまうことになったとしても、お腹の奥では、惑わされることなく、思い出とともに消化する。
それは、未来のあなたのためでもあるのです。
何かが終わることは、何かが始まっていくことですから、未来からの「ここに来てね、待ってるね」という合図なのです。
過去に縛られず、惑わされず、一歩前にふみ出しましょう。
本当の私はどうしたいのか見極める

忙しい仕事の中でも自分を見失わない!
人間関係も可視化できる世の中だからこそ、誰と太く長くつながっていくかは、お腹の奥で判断します。日本人の魂は、お腹にあるのだと思います。映画でも、外国では銃で頭を撃つシーンがありますが、日本の時代劇では、切腹、腹を切ります。「腹におちる」「腹をくくる」などの言葉があるように、お腹は重要な場所です。
頭がモヤモヤしたり、心がザワザワしたら、お腹の奥に聞いてみてください。
「本当の私は、どうしたいの?」と。
本当の私で生きていくことが、幸せへの近道です。

『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』横田真由子著(2019年 クロスメディア・パブリッシング)
本コラムは同書を元に再構成しています。
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