• 2022年3月25日
  • 2022年6月22日

10月からの看護職員の処遇改善に関する議論がスタート~中医協総会

 
中央社会保険医療協議会の総会(3月23日)で10月からの看護職員の処遇改善に関する議論がスタート。まずは「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(現・入院医療等の調査・評価分科会)で必要となる調査・分析や技術的課題の検討を進める方針を決定しました。「入院医療等の調査・評価分科会」の所掌事務に外来医療を加え、「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に名称変更することも了承。かかりつけ医機能などに関する検討の必要性が高まっていることや、外来医療でデータ提出の取組みが始まることなどが考慮されています。

中央社会保険医療協議会は3月23日に開いた総会で、10月からの看護職員の処遇改善に関する議論を開始し、まずは「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(現・入院医療等の調査・評価分科会)で必要な調査・分析や技術的課題の検討を進める方針を決めた。

看護職員の処遇改善については、2022年度の予算編成を巡る大臣折衝で看護職員の賃金を段階的に引き上げることで合意。具体的には、▶22年2月~9月に4000円程度、▶同年10月以降は1万2000円程度―の賃上げを行うことになり、前者については補助金による措置が2月から始まっている。

後者の10月以降の賃上げ分については、22年度の診療報酬改定財源(プラス0.43%)のうち0.20%を充当して診療報酬で対応することを決定。対象者の要件は補助金事業を継承し、▶地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関(「救急医療管理加算」を算定する年間救急搬送件数200件以上の医療機関や三次救急医療機関)に勤務する看護職員を対象とする、▶処遇改善で得た財源を看護補助者や理学療法士・作業療法士などのコメディカルの処遇改善に充ててもよい柔軟な運用を認める―との方針が大臣間で確認されている。

ただ、この日の総会の議論では処遇改善の対象を特定の医療機関に勤務する看護職員に限定することを問題視する意見も出た。診療側の池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)は、「勤める病院によって看護職を差別化することになり、官民格差の拡大にもつながりかねない」と懸念。丁寧に議論を進める必要性を強調した。城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、患者数の増減によって医療機関の収入(総算定額)が変動する診療報酬と、安定的な財源確保が不可欠の処遇改善の仕組みをどのようにして両立させるかが課題だとの認識を表明。支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、診療報酬での手当が実際に処遇改善につながったのかを事後検証する仕組みの創設を求めた。

入院医療等分科会の所掌事務に外来を加え、名称も変更

同日の総会は、「入院医療等の調査・評価分科会」の所掌事務に外来医療を加え、「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に名称変更することも了承。かかりつけ医機能などに関する検討の必要性が高まっていることや、外来医療でデータ提出の取組み(外来データ提出加算)が始まることなどを考慮した。


出典:Web医事新報