看護師漫画家のあさひゆりが自身の経験をもとに描く4コマエッセイ漫画。看護師あるあるからお役立ち情報、ナースの恋愛事情まで、とくとご覧あれ!
あさひゆりさんからのメッセージ
新卒で看護師として入職し、窓のない地下室での数週間の研修を終え、やっと病棟での勤務が始まったあの頃、たいした仕事はしていないはずなのに、毎日なぜかものすごく疲れていた覚えがある。
自分以外のスタッフは全員年上、先輩ナースといっても自分の母親以上の歳のスタッフもいる。医師や管理職の看護師は雲の上の存在。とにかく周りに迷惑をかけないようにその場に溶け込むだけで精一杯、毎日毎日何度も「すみません」と頭を下げて先輩に目をつけられないように、目立たないように・・・。
同期達と自分にどんどん差が出てくるのではないかとビクビクしたり、でもそんなことは後から振り返ると本当にどんぐりの背比べで、大事なのは同期との競争ではなくチームワークなのだとおのずと気付かされるのである。
この新卒1年目というのは、本当に看護師、そして社会人としても鍛えられる時期なのだが、やはり同期の中には仕事のストレスで体調を崩したり、半年もしない間に離職して実家に戻ったりする者もいた。
他の一般職と違うところは「患者さんの命をお預かりしている」という根本的なテーマがこの業界にはあって、絶対的最優先のそれに対して自信を持って仕事をしていくには、知識や経験を積むしかないのだけれど、その道のりは勤め先の職場によっては100通りも1000通りもあり、その環境が自分に合っているかは実際に歩いてみないと分からないのである。
春、多くの新卒看護師が誕生する季節。看護師国家試験に打ち勝った後に待ち受けている看護師としてのはじめの扉が、どうか分厚く重すぎないと良い。あなたの腕を折らずとも開けて前に進めるように、一緒に扉を押してくれる仲間がいればなお良い。でも頑張りすぎて身体が壊れそうな予感がしたら、その時はどうか自分のことを守って欲しい。