がんに関係する医療用語としてよく用いられる「腫瘍」と「腫瘤」。医療従事者でも違いが明確にわかっていない人はいるのではないでしょうか?そこで今回は「腫瘍」と「腫瘤」の違いをご紹介!血液内科やがんセンターで働く看護師さんは必見です!
「腫瘤」は組織にできたこぶ状の塊のこと

「腫瘤・しゅりゅう」とは「組織や臓器にできた異常な塊の総称、腫れもののこと」です。身体の表面や体内にできたものはすべて「腫瘤」と呼ばれるため、よく耳にする「血腫」や「粉瘤(ふんりゅう)」も腫瘤に分類されます。炎症性、腫瘍性の2種類にわかれているのが特徴で、針で組織の一部を抽出する生体検査で、種類を判別します。炎症性の場合は抗生剤の内服、切開による摘出となり、腫瘍性の場合は、後述する「腫瘍・しゅよう」と診断され、より詳しく検査を行うことになるでしょう。
引用元:ナースプラス用語辞典「腫瘤」
「腫瘍」は細胞が異常に、かつ過剰に増殖した病変のこと

「腫瘍・しゅよう」とは、前述した「腫瘤」の一種で「細胞が、異常細胞(腫瘍細胞)に変化し、無秩序に自律性をもって過剰に増殖した病変」を指し、良性と悪性にわかれているのが特徴です。良性の場合は経過観察になることがありますが、悪性の腫瘍は肺がん、乳がん、大腸がんなどが挙げられ治療一択。細胞の異常増殖や、組織への浸潤・破壊、遠隔転移、再発を起こす可能性があるため、触診、超音波検査、MRI、CT、X線、血液検査、細胞診などを行い、適切な診断をくだします。
引用元:ナースプラス用語辞典「腫瘍」
制作:TAC企画