• 2020年1月28日
  • 2022年2月1日

患者さんとのコミュニケーションをサポートする 新コンセプトのナースウェア「プロフェッショナルプライド」誕生

 

1950年に創業し、医療業界や食品業界のユニフォーム事業を展開してきた住商モンブラン株式会社。話題の映画やドラマへの衣装提供を積極的に行っていることから、その名をご存じの方も多いと思います。そんな同社が2020年1月に、新しい切り口で開発したナースウェア「プロフェッショナルプライド(プロ-プライド)」シリーズを発売します。いったいどんなところが新しいのか、同社商品企画室課長の吉倉康二さんにお話を伺いました。

「オシャレで可愛い」だけのユニフォームは未完成品?

ユニフォームはそれを着る人だけのためにあるのではない――。住商モンブランによる新しいナースウェアの開発は、そうした気づきから始まりました。そのきっかけとなったのは、同社が参加した「マネジメント視点から看護師のユニフォームを考える研究会」。病院看護部長をメンバーに迎え、と住商モンブランの開発チームが定期的なミーティングを開催し、ユニフォームとは何なのか」という根本的なところから議論したそうです。

「これまでのナースウェアは、デザインや着心地などを重視した『着る人の視点』から選ばれることが多かったと思います。もちろん、それも大切なことですが、最良の医療を提供するためには患者様に対する価値を高めることが重要で、その視点からあらためてユニフォームという存在を見つめ直していきました」(吉倉康二さん)

確かに、女性が大部分を占める看護の世界では、「オシャレで可愛いナースウェアを着たい」という現場サイドのニーズが大きいでしょう。また、病院サイドとしても、人材採用におけるアピールポイントの一つとして、「現場のウケがいい」ナースウェアを採用することがあるという話を聞きます。

しかし、ほかにも大切な視点があるのではないか、という問題意識から、研究会での議論は深まり、やがて「ユニフォームに求められる3つの視点」として次のポイントが導き出されました。

(1)安全を確保する
(2)患者とのコミュニケーションをサポートする
(3)良質な看護を提供する

この3つの視点から「患者に対する価値」を高めることを、もっとも重要な「マネジメント視点」と考える。

そして、これらの視点をもとに試作を繰り返し、完成したのが「プロ-プライド」なのです。

開発に込められた思いを語る、住商モンブラン株式会社商品企画室の吉倉康二さん。

グラデーションカラーにより「ぱっと見」で職位がわかる

患者とのコミュニケーションをサポートする」という視点でナースウェアを見つめ直すのは、これまでになかったこと。この点に注目して開発されたことが「プロ-プライド」の最も大きな特徴だといえます。

「従来のナースウェアを着ていると、患者さんやご家族から見て、一般のスタッフナースなのか、あるいは師長クラス、部長クラスなのか、見た目で判断できないことがありました。『プロ-プライド』では、ピンク系とブルー系の2種類をラインナップし、一般看護師はピンク/サックス、師長クラスはコーラルピンク/ターコイズ、部長クラスはバーガンディ/ネイビーといったように、薄い色から濃い色へのグラデーションで職位ごとのカラー設定ができるようにしています。ぱっと見で看護師さんの職位を把握できるため、困ったときに誰に何を頼めばよいのかわかりやすくなります」(吉倉さん)

ちなみに、ピンク系は思いやりや優しさを感じさせ、話しかけやすい雰囲気を作る。ブルー系は誠実さを感じさせ、心を開いたコミュニケーションを促すなどの色彩心理学的効果を狙ったカラー設定でもあるとか。まさに患者さんの立場を思い、ホスピタリティを発揮するという医療の本質を体現した工夫ではないでしょうか。

もちろん、ナースウェアとして「安全を確保する」「良質な看護を提供する」ための機能性についても様々な工夫が取り入れられています。透けない生地やストレッチ生地の採用、ポケットのPHS落下やインク染みを防止する機能の付加など、現場ナースにとって“嬉しい工夫”が多い中、特に目を引くのが「スマートポケット」。ポケットに物を入れたとき、膨らみを抑えたスマートな見た目が保たれるようになっています。

カラー展開は、ナースウェアの象徴といえる「白」をアクセントカラーに、比翼ファスナー(前開きの隠しファスナー)を採用し、誰が着ても「きちんと見え」する点も好印象。ナースとしての清潔感や誠実性を存分にアピールできる一着に仕上がっているといえるでしょう。

カラーバリエーションを検討する様子。色彩心理学の知見も加味しながら、もっとも望ましいパターンを選び抜いた。

現場ナースもコンセプトに共感

「プロ-プライド」の開発過程では、複数の病院で現場のナースに試着をしてもらい、意見を吸い上げて商品に反映させることも怠りませんでした。「マネジメント視点」からナースウェアを作っても、スタッフが本当に「着たい」と思えるようなものになっていなければ、せっかくの試みでも価値が下がってしまうからです。その際、現場のナースからは、例えば次のような声が聞かれたとか。

「ポケットが仕分けされていたり、PHS専用のポケットがあったりして、機能性にすぐれていると思う。何でも物を突っ込んでいた自分を反省したい」

「同系色のグラデーションで現場に一体感が生まれそう。カラー自体も新鮮なものが多く、着てみたら気分が上がった」

「ナースウェアのことを患者さん目線で考えたことがなかったので、最初はコンセプト自体に驚いたのですが、もっともなことだと共感しました」

東京都看護協会に100人前後の看護部長が集まった席で「プロ-プライド」のお披露目会(ファッションショー)を行ったときも、「見た目がすっきりしていて清潔感がある」「色合いが可愛い」と大きな評判を呼んだということです。

「医療の本質をウェアに落とし込むため、ここまで現場と密着して開発を進めたのは初めての経験でした。ユニフォームは着ている本人のためだけのものではなく、患者さんをはじめとする周囲の人々や職場環境にも影響するものだということを改めて実感しました」(吉倉さん)

現場ベースの発想から工夫を尽くして生み出された「プロ仕様」のナースウェア。皆さんも身にまとってみたいと思いませんか?

東京都済生会向島病院で行われた意見交換会。看護部長などのマネジメント層だけでなく、現場レベルの意見も吸い上げて商品に反映させた。

「プロ-プライド」を手に、「ユニフォームが持つ可能性を信じて、よいものを現場に届け続けたい」と決意を語ってくれた吉倉さん。

文:ナレッジリング/ナースプラス編集部

住商モンブラン株式会社

「気品と美しさを兼ね備えた名山・モンブランのように、商品を通じて感動を届ける存在でありたい」という理念のもと、1950年に創業。テキスタイル事業から医療業界、食品業界に対応した白衣ユニフォームへと活動の場を広げ、その“気品を感じさせる独特の白さ”は、清潔さが求められる分野において高い評価を得ている。

大阪市中央区北浜4丁目7番28号 TEL:06-6228-8068(商品企画室)
URLhttp://scmb.montblanc-web.jp/

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