訪問看護ステーションのスタッフ(主任)としてご活躍のお2人に、訪問看護のやりがいや訪問看護師としての成長について、ご自身の体験を語っていただきました。

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主任

宮城昌子さん

新卒時は大学病院で6年間勤務し、消化器外科、ICU、透析の看護を経験。
その後、総合病院で3年間勤務し、女性外科、脳神経外科、ICUの看護を経験。訪問看護歴は3年半。
呼吸療法認定士の資格も持つ。

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宮城さん

患者さんの生活の一部に

大学病院に勤務していた頃は、夜勤から17時間連続で働き、休憩時間もパソコンで書類を作り、勤務が終わったら委員会が始まるというような、本当にハードな生活でした。ワークライフバランスもプライベートの充実も、願い続けているのにかなわないから、そのこと自体がストレスになっていたような気がします。今も仕事量が少ないわけではありませんが、ワークライフバランスのとらえ方は一変しましたね。ワークとライフは不可分のもので、ワークが楽しければライフも楽しい。それほどまでに仕事が充実しています。

所長からよく言われるのは、「私たちがいるのは治療ではなく生活の場でしょ」ということです。訪問看護の魅力も難しさも、まさにこの言葉に詰まっています。患者さんの日常生活における“登場人物”の1人として居宅を訪問し、ニーズをくみ取り、ケアの方針を組み立てていく。病院勤務では見えなかった「患者さんの生活」の一部になって、一緒になって生きていくという感覚ですね。急性期病棟での経験が長い私は、せっかちな性分もあって、ある意味でサッと片が付かない慢性期の看護が苦手でした。でも今は、訪問看護の簡単に片付かないところに面白さとやりがいを感じています。

患者さんの生活の一部に
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主任

出田有里さん

新卒時から理学療法士として訪問看護ステーションへ入職。
勤務を続けながら准看護師資格を取得。
現職での経験は8年目。
認知症ケア専門士の資格も持つ。

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出田さん

ステーション所属のPTとして

私は理学療法士(PT)として訪問看護ステーションに入職し、その後に准看護師と認知症ケア専門士の資格を取得しました。一般的に、PTは病院に所属するとリハ室にこもりっきりになってしまうのですが、訪問看護であれば街に出て患者さんのお宅を訪ねることができる。そういう働き方が私に合っていたんだと思います。ただ、PTとして1人で訪問していて、現場でのフィジカルアセスメント能力に常に不安を抱えていたので、そこを勉強しようと思って働きながら准看護師を目指しました。

訪問看護の現場で難しいのは、患者さんやご家族との距離感をどう保つかということでしょうか。言葉遣いひとつを取ってもそうです。打ち解けてきたと思って友達に話すような言葉をうっかり使ってしまったら、ご不快を与えてしまいかねません。関わる姿勢としても、対象に入り込みすぎては適切なケアができないこともあるし、突き放してしまえばケア自体が成立しません。一人ひとりに応じて適切な距離感を保っていくところに、難しさも面白さもあるような気がしています。最近では、PTを置く訪問看護ステーションも増えてきましたが、まだまだ非常勤であることが多いです(※出田さんは常勤)。また、地域から病院のリハ室へつなぐ連携も、もっともっと活発になればいいですね。看護と理学療法の2つの視点と専門性を持ったスタッフとして、今後も患者さんのお役に立つことができればいいなと思っています。

ステーション所属のPTとして

おひさま訪問看護ステーション

グループ内の診療所を中心に、在宅診療・在宅看護の密接な連携体制をとっています。院内外の研修制度を利用しての資格取得を積極的に応援するほか、海外での研修も行っています。 グループの理念である「手当ての心」「安全で安心」「よろこび」を実現し、地域住民の皆様から信頼していただけるケアの提供を目指します。

東京都墨田区業平5-3-15クリスタルハイム201/202
所属スタッフ:12名
所長:鈴木典子

訪問看護ステーションの所長さんは、どんなことを考えながらスタッフの皆さんと向き合っているのでしょうか。お話をうかがいました。

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所長

嶋田美貴さん

専門学校を卒業後、総合病院へ入職し、外科・内科混合病棟へ配属。手術室、救急などの看護も経験。
その後、大学病院、県立循環器・呼吸器病センターなどを経て、2009年より現職。

魅力その1

病棟とは異なる世界が見える看護

私が訪問看護に関わるようになったきっかけは、以前勤務していた病院で訪問看護分野の立ち上げを命じられたことでした。 訪問看護について、初めは私自身も「のんびり介護中心の看護をする」というイメージで、積極的にやってみたいという思いはありませんでした。けれど、外来、手術室などを兼務しながら少しずつ訪問看護の実務に触れ、その楽しさを知ることができたように思います。そして本格的に訪問看護に取り組みたいと思うようになってから、当ステーションの管理者として就職し、今に至ります。

訪問看護は「患者さんにじっくりと向き合った看護ができること」が一番の魅力。漠然と楽にできると思っている方が多いようですが、じっくり関わるからこそ看護スキルも必要です。病棟看護で基本を身に付けた方なら、個人差はありますがしっかりとした認識さえ持っていれば数カ月で独り立ちできると思いますよ。もちろん、いきなり1人で訪問させることはありません。自信がつくまでは先輩ナースが同行で訪問し、ステーションに戻ったらフィードバックするという教育体制を整えています。

訪問看護師として働き始め、「私は今まで病棟で何をしてきたんだろう。患者さんの一部しか見えていなかった…」と愕然とする人も多いようです。訪問看護ならではの楽しさはたくさんありますから、ぜひ足を踏み入れてほしいと思いますね。当ステーションのスタッフも、全員が訪問看護経験ゼロでしたが、今は立派に活躍してくれています。

病棟とは異なる世界が見える看護
魅力その2

スタッフに寄り添う管理者でありたい

私がスタッフと接する上で気をつけていることは、管理者としてではなく、いちスタッフの目線で、いつも柔軟な姿勢であることです。スタッフの健康管理も大切にしていますね。また、いつもより元気がないスタッフには声をかけるようにしています。そこで「子どもが熱を出して休んでいる」といった答えが返ってくれば、その日は彼女が早く帰れるように調整したり。スタッフにはそれぞれ妻や母親という大事な役割もあるわけですから。家庭が上手くいっていれば、仕事にも集中できるし、笑顔も自然と出ますし。

現在は「こんな職場で働きたい」と思ってもらえるよう、ワークライフバランスを整えるようにしています。基本的には土日休み、シフトも基本的には希望通り、有休も100%取得可能、妊娠、出産後の休暇取得可能といった形です。これは、私だけでなくスタッフ間での思いやりの心があって実現している面が大きいですね。スタッフに対してもケアマインドを持った管理者でありたいと思っています。 訪問看護は病棟看護師が若手のうちからでも大きなスキルアップを望める、チャレンジングなフィールドです。皆さんのキャリアの中で、ぜひ一度は経験してみることをお勧めします。

スタッフに寄り添う管理者でありたい

すみれ訪問看護ステーション

2009年の開設以来、グループ内の目黒病院およびすみれ居宅介護支援事業所と連携しながら、地域に密着した訪問看護サービスを提供しています。連携するなかで他職種とかかわる機会も多く、看護師としての幅が広がる学びを得られます。事務所は閑静な住宅地にあり、周囲も落ち着いた雰囲気です。

東京都目黒区中央町2-12-6
所属スタッフ:6名
所長:嶋田美貴

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*掲載内容は、2013年12月時点のものです。

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