看護師資格を活かして企業で働くことができる、治験業界。
治験業界で働く魅力や仕事内容、給料などをマイナビ看護師がお届けします。

目次

1

治験とは、「薬の候補」における最終段階で、人への薬の効果や安全性を調べるために行う臨床試験のことです。通常は少人数の健康成人(第Ⅰ相試験:臨床薬理試験)、少人数の患者さん(第Ⅱ相試験:探索的試験)、多数の患者さん(第Ⅲ相試験:検証的試験)について、3つのステップを踏んで進められます。
それらの臨床試験で得られた成績を国が審査し、厳しい基準をパスして国から承認されたものが「薬」となります。

治験とは

治験には製薬会社や病院が関わっています。製薬企業は国際的な医薬品開発の激化に伴って業務を分業・協業の方向へシフトし、外部のCRO(医薬品開発業受託機関)に治験を依頼するケースが増えています。
また、一方の治験を実施する医療機関は、1998年のGCP(医薬品の臨床試験の実施に関する基準)改定により業務が増大。SMO(治験施設管理機関)に業務委託し、治験がスムーズに実施できるようにしています。

質の高い治験を行うため、CROはCRA(臨床開発モニター)、SMOはCRC(治験コーディネーター)を育成し、治験業務をサポートしています。
看護師などからの転職も多い治験関連企業には女性が多く、時短勤務や有給・育休制度などの社内制度が充実。女性が安心して働けるように配慮した企業が多いことが特徴です。

2

治験業界での看護師の仕事内容 治験業界での看護師の仕事内容

私たちが飲む薬はすべて「治験」を経てきたものです。その治験に関わる仕事に、実は元看護師が活躍しています。

看護師の転職先として選ばれている主な職種は、CRA(臨床開発モニター)とCRC(治験コーディネーター)。どちらの職種も、主な仕事は新薬開発のお手伝いをすることです。
主な勤務先は製薬会社や医療機関の業務委託機関で、CRAは薬を開発する製薬会社側に所属してモニタリングを行い、CRCは治験が実施される病院側の立場で各種業務支援を行います。

治験は国が定めた厳格なルールに沿って、薬事法、GCP(医薬品の臨床試験の実施に関する基準)に基づいて行われます。GCPの主な内容は、被験者の人権保護、治験で得たデータの信頼性の確保、治験依頼者(製薬会社)と医療機関の責任・役割分担の明確化、記録の保存などです。

このGCPは、治験協力者の安全性と人権を保護し、また「薬の候補」の影響を科学的な方法で正確に調べるためのもの。CRAやCRCは、治験を実施する機関に対して、これらをしっかり守ってもらうことも大事な仕事のひとつです。 CRAやCRCとして働く場合は、GCPについて必ず長時間の研修が行われます。

3

資格
看護師有資格者・業界未経験歓迎
年齢
20〜30代の方
長期的なキャリア形成の観点から、20〜30代の方を求める企業が多いようです。治験に関する深い知識が問われることはほとんどありません。
CRA(臨床開発モニター)もCRC(治験コーディネーター)も人と接する仕事のため、面接ではコミュニケーションスキルが重視されます。
仕事内容はそれぞれ下記の通りです。
治験業界で求められている人は?

CRA:臨床開発モニター

薬を開発する製薬会社側に携わり、治験実施計画書の作成と実施期間の選定、治験実施状況の確認、症例報告書の回収などを行います。被験者と直接的な面会はありません。外勤と内勤があり、外勤では全国各地にある担当医療機関の訪問を、内勤では報告書などの資料作成をします。外資系企業も多く、どちらかというと英語が得意、出張が苦にならない人に向いているといえます。

CRC:治験コーディネーター

医療機関の業務に携わり、治験を円滑に進めるための調整 が主な仕事です。治験が行われる病院などで、治験実施計画書の理解、被験者への治験中のフォロー、症例報告書のドラフト作成などをします。被験者に直接会うため、相手の立場になって考え、精神面のサポートができる人が向いています。

どちらの職種も、病院のシステムに詳しく、医師や患者との対応にも慣れている元看護師は頼りになる存在です。薬とその症例に対しても一通りの知識があるため、重宝されています。

4

2021年6月時点で、マイナビ看護師に掲載されている看護師・准看護師の治験関連の求人の平均給料は以下の通りです(*各種手当や残業代、賞与などは含みません)。
治験関連 給料(下限~上限) 平均給料
正社員・契約社員(月給) 24.3万円 ~ 28.2万円 26.2万円
パート・アルバイト(時給) 1,200円 ~ 2,177円 1,326円

日本看護協会の2020年病院看護実態調査*1によると、看護師全体の月額給与は、平均基本給与額が24万2587円、平均税込給与総額が31万8916円(2020年度実績)でした。あくまで平均給料だけでみると、治験関連の求人の平均給与は、その他の環境で働く看護師よりも良いようです。

では諸手当を含めた年収ではどうでしょう。マイナビ看護師によれば、看護師の平均年収は約402万円*2。そして、CRAの平均年収は約430万〜780万円(未経験の場合は350万〜550万円前後)、CRCの場合は約370万〜430万円でした*3。

勤務先や勤続年数など条件にもよりますが、CRAは概ね看護師よりも年収アップが見込めそうです。CRCは看護師よりも年収が下がる場合もあるようです。

ところで、CRAとCRCの年収に差がある主な理由は、CRAが所属する大半は外資系の企業や機関で成果主義が徹底されているからです。その一方で、CRCの所属先は規制によって国内企業のみのため、外資系とは違って、成果を上げられなかった場合でも働き続けられるという利点があります。

このふたつは、似ているようで仕事内容が全く異なります。転職を考える際は給料だけでなく、働き方や自分の性格なども含めて検討するとよいでしょう。

*1)
*税込給与総額には通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当、当直手当を含む(時間外勤務の手当は除く)。
*夜勤をした場合は、当該の月に三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)をしたものと想定)
*高卒+3年課程新卒、平均勤続10年、31〜32歳、非管理職を想定

*2)
調査対象プロフィール
*看護師335名(平均年齢40.1歳)
*病院、クリニック、施設、訪問看護で常勤・夜勤あり
*北海道〜沖縄在住、22〜58歳の男女

*3)
※出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html

5

ひとつの医薬品が誕生するには、長い研究開発期間を必要とします。その間、細胞や動物で、様々なテストを繰り返し、有効性の確認と安全性の評価を行います。そして、最後の段階で人を対象に行う試験が「治験」(ちけん)です。治験では、患者さまを対象に治療を兼ねた試験を行っています。
CRA(臨床開発モニター)」や「CRC(治験コーディネーター)」は、治験で大きな役割を果たす職種です。

6

治験業界への転職に「興味がある」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も歓迎です!

Q

看護師ですが、企業で働いたことがないので不安です。

A

名刺の渡し方とか、電話のかけ方とか、不安なことはいっぱいあると思います。でも、ほとんどの看護師の方は企業で働いた経験はないはずです。多くの治験関連企業では入社時の研修において、名刺の受け渡しや電話対応などのビジネスマナーを学ぶ講習を用意しています。確かに不安だと思いますが、現時点であまり気にする必要はないと思います。

Q

CRAとCRC、自分にはどちらが向いているのでしょうか?

A

どんな職業にも向き・不向きがあると思います。どちらが向いているかはその方の考え方やお仕事に対する考え方によって異なってきます。お一人おひとりの考え方を伺った上で、アドバイスいたします。キャリアアドバイザーにご相談ください。

Q

女性の場合、結婚・出産後も仕事を続けられますか?

A

治験業界は総じて女性比率の高い業界です。もともと女性の多い看護師や薬剤師出身の方が多いからです。まさに女性のパワーで支えられた業界ですね。そのため他業界に比べると女性が長く続けられる環境を整えた企業が多いのも治験業界の特徴です。例えばCRAの場合、外勤や出張がどうしても伴うのですが、お子さまが小さい間は内勤の職務に配置するなどの措置をとっている企業もあります。

Q

CRAやCRCに必要とされる資質とは?

A

治験や疾病・検査に関する学習意欲があることが大前提ですが、知識面では入社後に勉強する機会がたっぷりありますのでそれほど心配する必要はありません。知識以上に必要とされるものが、コミュニケーションスキルです。「自分の考え・意見が的確に伝えられるか」あるいは「相手の話をしっかりと傾聴できるか」。このような基本的なコミュニケーション能力が問われます。会社の代表として、医師や医療スタッフなど大勢の方と信頼関係を築く必要がありますからね。
また新薬開発の一端を担う仕事ですので、「生命に対する倫理観の強さ」も当然必要です。

Q

CRAの場合、出張が多いと聞きました。出張の頻度はどの程度ですか?

A

治験を実施している医療機関は全国各地に散らばっていることが多いためCRAの仕事には新幹線や飛行機などを使った出張が付き物です。 CRAを目指す方は、逆に出張を楽しむくらいの気持ちが必要かもしれません。出張のついでに全国の美味しいもの巡りを楽しんでいる方も多いようです。出張の頻度は企業によっても異なりますが、宿泊を伴うような遠方への出張は月に数回程度のケースが多いようです。

Q

CRAとCRCの給与水準は?

A

CRAの場合、企業によっても異なりますが、治験業界未経験者の場合の初年度年収は諸手当込みで、400万円~500万円前後です。もちろんその後の活躍(昇給や昇格)によって給与もアップします。 CRCの場合、300万円台後半~400万円台前半からスタートする企業が多いようです。

Q

語学力(英語力)は必要ですか?

A

名刺の渡し方とか、電話のかけ方とか、不安なことはいっぱいあると思います。でも、ほとんどの看護師の方は企業で働いた経験はないはずです。多くの治験関連企業では入社時の研修において、名刺の受け渡しや電話対応などのビジネスマナーを学ぶ講習を用意しています。確かに不安だと思いますが、現時点であまり気にする必要はないと思います。

Q

治験業界にチャレンジする前に、何か勉強すべきことはありますか?

A

特に改まった勉強は必要ありませんが、最低限の知識だけは身につけておく必要があります。マイナビ看護師が開催している転職相談会やセミナーにまずはお越しください。お電話でもご相談を承っています。

7

治験業界への転職に「興味がある」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も歓迎です!
  • 仕事のイメージがつかめない…
  • CRAやCROなどの用語が
    よく分からない…
  • 会社によって
    どんな違いがあるの?
治験業界への無料転職相談会

そんな看護師さんのために、
相談会を実施しています!

8

治験業界についてご説明 01

治験業界に
ついてご説明

治験業界についてご説明

「CRAとCRCの違いは?」「CRAとCRCどちらが自分に向いている?」 治験業界に精通したキャリアアドバイザーが、一見して分かりにくい治験業界の仕組みや職種について、分かりやすく説明します。
求人企業のご紹介 02

求人企業の
ご紹介

求人企業のご紹介

「研修が充実している企業は?」「福利厚生が充実している企業は?」 一社一社、求人に基づいて説明します。
応募書類を添削 03

応募書類を
添削

応募書類を添削

後日、応募したい企業が決定したら応募書類(職務経歴書)を用意していただきます。書類選考は重要です。万全の体勢で面接に臨めるよう、応募書類の書き方の指導・添削も行います。
面接対策(模擬面接) 04

面接対策
(模擬面接)

面接対策(模擬面接)

面接に対して自信のない方には、面接対策(模擬面接)を行います。これまでの各社の傾向を踏まえて、的確なアドバイスをします。

治験業界への電話転職相談

お電話でのご相談は
こちらまで!

治験業界に関心のある方は、まずはお電話でのご相談も承っています。「とりあえず話だけ聞いてみたい」という方も歓迎です。必要があれば、治験業界に関する資料や求人情報をお送りすることも可能です。お気軽にお電話ください。

エリアから治験業界関連企業の求人を探す

都道府県で探す 首都圏 東京都 / 神奈川県 / 千葉県 / 埼玉県 / 茨城県 / 栃木県 / 山梨県 / 群馬県
関西 大阪府 / 京都府 / 兵庫県 / 滋賀県 / 奈良県 / 和歌山県
東海 愛知県 / 静岡県 / 岐阜県 / 三重県
北海道・東北 北海道 / 青森県 / 岩手県 / 宮城県 / 秋田県 / 山形県 / 福島県
信越・北陸 長野県 / 新潟県 / 富山県 / 石川県 / 福井県
中国・四国 岡山県 / 広島県 / 鳥取県 / 島根県 / 山口県 / 香川県 / 徳島県 / 愛媛県 / 高知県
九州・沖縄 福岡県 / 佐賀県 / 大分県 / 熊本県 / 長崎県 / 宮崎県 / 鹿児島県 / 沖縄県