チームナーシングの看護方式をとっているそうですが、看護師さん同士が協力し合ってお互いを高めている具体的な事例はありますか？

病棟では看護師同士が３～４人のワーキングチームを組み、「感染チーム」「医療安全チーム」「褥瘡チーム」「認知症ケアチーム」「記録チーム」に分かれて、日々協議を行っています。 たとえば医療安全チームでは、インシデントレポートから医療の安全性をどのように確保するかについての情報を抽出し、再発防止のための対策を立てています。感染症チームは、病院の中をラウンドして、感染予防に何が必要かを話し合っています。 チーム会が週に１回開催され、そこで皆がディスカッションを行い、各々の専門分野を向上させています。この取り組みは、成功しているかなと思います。

患者さんにしっかりと寄り添って、看護ができる環境はあるでしょうか？

当院は患者さんの入院期間が長いケースが多く、看護師は受持制になっているので、患者さんにしっかりと寄り添える環境があります。病床の３分の２が地域包括ケア病床なので、平均在院日数は24 日と長く、同じ患者さんに１カ月以上 関わり合うこともあります。 一人ひとりの患者さんとじっくり向き合って看護をすることができ、退院後に患者さんができる限り普段の生活に戻れるよう、リハビリなども行っています。週に２回退院カンファレンスを行っていて、その患者さんがどうすれば一番いい状態で退院できるかを、しっかりと考えながら看護にあたっています。

通常の働き方以外にも、いろいろな勤務形態を選べるのですか？

一般的な病棟看護師の働き方のほかに、子育て中の人は日勤だけの勤務を希望したり、逆に夜勤勤務のみを希望する人もいます。それぞれの人の希望やライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができます。同じ職場で長く働き続けるためには、ワークライフバランスが整っていることが重要です。 看護師の多くは家庭を持つ方が多いため、仕事が終わって家に帰ってからも、家事や育児など何かと大変です。そのため、働き方に多様性を持たせることで、ストレスを軽減し、長期間にわたり働き続けることが可能となります。

勤務時間以外はきっちり休んでリフレッシュできるそうですね

看護師の職場は多忙なことが多いですが、当院ではスタッフが休みを取りやすい環境を整えることを重視しています。働くことは生活の一部であり、全てではないという考えを大切にしています。生活が仕事中心で回るのではなく、仕事と私生活のバランスが取れていることが、働く意欲を高めると考えています。 看護師は真面目な人が多く、就業時間前から出勤していろいろ準備をしたり、夕方も「これが終わるまでは帰らない」と決めて残業をしたりしがちなのですが、当院の残業時間は月５時間程度です。休むときはきっちり休んでリフレッシュし、メリハリを大事にして仕事に臨んでほしいと思います。