1.　福岡県における看護師の求人状況と特徴

福岡県の求人状況を把握するためには、雇用動向を示す指標である有効求人倍率をチェックする方法が効果的です。

以下は、eナースセンターの統計情報を基に、福岡県の看護師と准看護師の有効求人倍率を抽出したデータです。独立行政法人労働政策研究・研修機構が算出した、福岡県における一般企業の有効求人倍率と比べると、福岡県では看護師・准看護師ともに需要が高いことがわかります。

また、以下では福岡県における看護求人の特徴について3点ご紹介します。

●看護師・准看護士ともに需要が高く、好条件の求人を見つけやすい

看護師の有効求人倍率は2.17倍、准看護師の有効求人倍率は2.01倍と、どちらも2倍を超えており、平均すると1人あたり2件以上の求人があることになります。

福岡県では看護師・准看護師に対する需要が高いため、好条件で求人を出す医療機関も少なくありません。例えば、マイナビ看護師には「有給を使った大型連休も1年に数回取得可能」「年収500万円以上可能」などの求人も公開しています。

●病棟・外来・透析室のほか、検診・健診などさまざまな業務に携わることができる

2022年2月時点で「マイナビ看護師」に登録されている福岡県の求人情報を見ると、福岡県では都市圏を中心に、大病院からクリニックまで、さまざまな施設形態の医療施設が存在しています。

また、厚生労働省のデータによると、2021年3月末の福岡県における病院数は455、一般診療所数は4,732であり、病院数においては東京・大阪に次ぐ多さとなっています。さらに、日本医師会が公表したデータでは、福岡県の人口10万人あたり施設数は病院・一般診療所ともに全国平均を上回っています。このことからも、福岡県には看護師の方が活躍できる場が豊富に用意されていることが分かります。 （出典：厚生労働省「医療施設動態調査（令和3年3月末概数）」） （出典：日本医師会・地域医療情報システム「地域別統計（福岡県）」）

●正社員でも夜勤なしで働ける施設からの求人もある

2022年1月時点で「マイナビ看護師」に登録されている福岡県の求人数は1,140件を超え、雇用形態や勤務形態も多様な傾向です。例えば、正社員でも夜勤がない求人や、土日が休みの求人なども多くあります。また転職にあたって給料を重視している方であれば、夜勤多めの求人や夜勤専従の求人を選ぶことも選択肢のひとつでしょう。 （出典：マイナビ看護師）

2.　【福岡県】看護師の平均給与

下記は、厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」を参考に、福岡県と全国それぞれの看護師の平均給与を比較した表です。

福岡県の看護師・准看護師の平均年収は、全国平均と比較すると若干低い金額となっているものの、全国の一般的な給与所得者と比較すると福岡県で勤める看護師は高給傾向です。

また、上記の表はあくまで平均値であり、福岡県は医療機関の数が全国的にも充実している地域であることから、就業先の条件や待遇によっては平均年収を超える収入を得られるケースも多くあります。実際に、マイナビ看護師には平均年収500万円～を提示する求人の保有もある状況です。

また、平均年収は基本給だけでなく、賞与や手当によっても金額が変動するため、転職先を探すときは給与以外の情報もチェックしましょう。

3.　福岡県が進める看護人材の支援・取り組み

福岡県は、看護人材の充足や技能の向上を図るために、修学や就職を積極的に支援する制度が充実しています。ここでは、福岡県が独自に取り組む看護人材を対象とした支援制度について解説します。

看護師として働くことを希望している方には、いずれの制度も修学や就職の負担軽減が期待できるため、条件に合う方はぜひ積極的に活用してみてください。

3-1.　福岡県看護師等修学資金貸付金

福岡県看護師修学資金貸付金とは、福岡県内にて看護業務に従事する予定の看護学生を対象に、修学資金を貸し付ける制度のことです。修学に必要な資金を補助して金銭的な負担を軽減することで、県内で働く看護人材の資質向上や人員確保を目的としています。

福岡県看護師等修学資金貸付金の概要は以下の通りです。

福岡県看護師等修学資金貸付金制度の優れた点は、卒業後に福岡県内の特定施設で5年間以上従事することを条件に、貸付金の返還が免除されることです。

また、貸与期間は、入学月から卒業月（正規の修業年限の修了月）までとなっています。年額で最大432,000円を支給してもらえる、充実した制度といえるでしょう。

3-2.　就職相談会・復職研修

福岡県の医療機関や自治体では、転居・結婚・出産などの理由で現場を離れている看護師の方を対象とした就職相談会や復職研修が積極的に行われています。

支援団体のひとつである福岡県ナースセンターでは、以下のような研修・復職支援などのサポートを提供しています。

例えば、看護技術セミナーでは「採血・注射編」「喀痰吸引編」「感染管理編」など、豊富な講義が提供されています。相談会や研修を通して知識・技術を習得すれば、不安や疑問を解消したうえで復職できるでしょう。

4.　【福岡県】看護師の求人が多いエリア

最後に、福岡県内で求人数が多いエリアを3つ紹介します。これから看護師の仕事を探す方は、まずは求人数の多い地域をチェックしてみましょう。