「CT」と「PET検査」。どちらも身体の中を調べる検査ではあるものの、それぞれの使い分けが明確にわからない看護師さんは少なくないはず。そこで今回は「CT」と「PET検査」の違いをご紹介!
「CT」は組織の形や広がりから病変を発見する
「CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)」は、放射線をあてて身体の断面を撮影する検査のこと。10~15分で広範囲の撮影が可能で、緊急時に異常がある箇所の画像を短時間でピンポイントに確認できます。空間分解能力に長けており、がんの形や大きさの詳細がわかりやすく、ほぼすべてのがんに有用な点も特徴です。放射線は被ばくのリスクがあり、妊娠中の人は事前に医師に伝える必要があります。
<CTのメリット>
・異常の有無を確かめたい組織を短時間、かつピンポイントで検査できる
・がんの形や大きさがわかりやすい
・血液のがんを含めた、ほぼすべてのがんに有用
「PET検査」はがん細胞に集まりやすい薬剤を投与し、病変を発見する
「PET検査」は「Positron Emission Tomography(陽電子放射断層撮影)」の略称で、CTと同様、放射線を用いた検査です。検査前に「18F-FDG」と呼ばれるブドウ糖を含む薬剤を投与し、1時間ほど安静にすると、がん細胞にブドウ糖が集まり、疑いのある箇所が映し出されます。またがんの大きさや転移の有無だけでなく、発見されたがんが活動的かどうかも判断できます。一度の検査で数種類のがん検査を行える点が特徴ですが、スキルス胃がんや泌尿器系のがんなどはPET検査で発見されにくいため、CTも併用して総合的に診断することも。また糖尿病の人で高血糖の人は、検査結果が正確に出ないことがあります。事前に医師に伝えましょう。
<PET検査のメリット>
・一度に数種類のがん検査を行える
・がんが活動的かどうかを調べることも可能
・頭頚部がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、大腸がんなどの検査に有用
現在は「CT」と「PET検査」の両方が同時に行える「PET-CT検査」を主流としている病院がほとんどですが、それぞれの特徴をよく覚えておくことはとても大事。これを機に違いを理解しておきましょう!
制作:TAC企画