人間ドックや健康診断で使用するCTやMRI。この2つの違いを明確に説明できますか? そこで今回はそれぞれの特徴をご紹介! 検査説明が曖昧になりがちな看護師さんも要チェックです!
「CT」は放射線を活用した検査
CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)は、放射線をあてて身体の断面を撮影する機器のことです。10~15分で広範囲の撮影が可能なため、緊急時の検査に適しています。また空間分解能力に長けており、骨の細かな状態や、肺など空気を多く含む組織を見たいときに使用されることが多いです。放射線を使用して撮影するため、被ばくのリスクがありますが、1回の被ばく量は人体に影響ない程度。しかし胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠している人は事前に医師に伝えるようにしましょう。
CTの得意分野
・肺の病気(肺炎・肺がんなど)
・緊急時の短時間検査
・骨折
「MRI」は磁力と電波を活用した検査
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)は、電波と磁場を用いて、身体の断面を撮影する機器のことです。検査にかかる時間は30分~45分とCTより長いものの、横、縦、斜めなどさまざまな角度の断面を撮影でき、また組織分解能力が高く、脳、靭帯損傷や骨の腫瘍、生殖器の病変が見つかりやすいのが特徴です。使用するのは磁気と電波であるため、被ばくのリスクはありません。しかし機器周辺には強力な磁場が発生しているため、体内にペースメーカーなどが入っている方は、MRI検査はできません。
MRIの得意分野
・脳の病気(脳梗塞・脳動脈瘤など)
・子宮・前立腺の病気(子宮頸がん・前立腺がんなど)
・靭帯損傷
CTとMRIはそれぞれ得意分野やリスクが異なるため、医療現場では個々の特性に応じて使い分けています。看護師も医師と同様に検査結果を確認することがよくありますので、それぞれの特徴をよく覚えておきましょう!
制作:看護師/内山直弥(TAC企画)