• 2024年8月7日
  • 2024年8月22日

「整形外科」と「形成外科」の違いは?骨折したときに受診するのはどっち?

 

診療科の名前が似ているため、「どの診療科を受診したらいいのだろう…」と思うこと、ありませんか? 診療科は細かく分けると約60以上あり、それらすべてを把握することは難しいでしょう。今回は、そんな診療科の中から間違えられやすい「整形外科」と「形成外科」の違いについて紹介します!

整形外科」は、運動器全般の機能改善を治療する診療科

整形外科と聞くと、手や足などを骨折、打撲した人が入院しており、包帯や松葉杖を持った人がいるイメージが強いですよね。整形外科は、「骨格系」と呼ばれる骨・関節、それらの周りにあり、運動機能に携わる部分を治療する分野です。日本整形外科学会でも以下のように定義されています。

整形外科は、身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科で、背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢を主な治療対象にしています。

背骨と脊髄を扱う「脊椎外科」、上肢を扱う「手の外科」と「肩関節外科」、下肢の「股関節外科」、「膝関節外科」と「足の外科」、スポーツによるけがや障害を扱う「スポーツ医学」、「リウマチ外科」、腫瘍(できもの)を扱う「骨・軟部腫瘍外科」、骨粗鬆症などを扱う「骨代謝外来」と多数の専門分野があります。
引用:公益社団法人 日本整形外科学会

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「形成外科」は頭や顔面を含めるからだ全体を治療する診療科

一方、形成外科は運動に携わる骨や筋肉以外に、皮膚なども治療対象としているのが特徴です。そのため、皮膚科の診療内容とも重なる部分があります。

形成外科は、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する(治療する)外科で、頭や顔面を含めたからだ全体を治療対象としています。

熱傷(やけど)の治療、怪我や手術後の皮膚の瘢痕・ケロイドや生まれつきの母斑(あざ)の治療、皮膚や皮下の腫瘍の切除、眼球がおさまっている骨のくぼみやほほ骨などの顔面骨折の治療などが、形成外科の一般的な治療です。

頭蓋骨や顔・あごの骨の生まれつきの変形に対する変形矯正手術、口唇裂、口蓋裂、小耳症などの顔面の生まれつきの異常に対する形成手術、癌や外傷などによる顔面の部分欠損に対する再建手術、漏斗胸、鳩胸などの生まれつきの胸の変形の矯正手術や乳癌で切除された乳房の再建、生まれつきの性器の異常に対する形成手術などは、最も形成外科的治療といえます。
引用:公益社団法人 日本整形外科学会

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どちらも、ケガや病気などで機能的な異常がみられた部分を修復するという点では共通していますが、骨格系を中心に治療するのか、皮膚など表面上の損傷を中心に治療するのかによって受診先は異なります。整形外科と形成外科、受診先を迷っている人は、こちらを参考に判断してみてください。

制作:内山直弥(看護師・TAC企画)

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