看護師と看護士の違い
  • 2024年2月17日
  • 2024年2月15日

看護師と看護士の違いとは? 正しい呼び名や看護職の種類を紹介

 

「看護師と看護士の違いって何?」「どちらが正しいの?」など、看護師の表記や呼び名について疑問を持っている方もいるでしょう。看護師の正しい表記は「看護師」です。

この記事では、「看護師」と「看護士」の違いや名称・表記が変わった理由を解説。また、看護職である看護師・准看護師・助産師・保健師の概要と、看護師のキャリアアップに繋がる資格を紹介します。

「看護師」と「看護士」の違いとは

「看護師」と「看護士」はいずれも、看護を行う者を表す言葉です。かつては、女性看護師のことを「看護婦」、男性看護師のことを「看護士」と呼んでいました。呼び方・表記が異なるだけで、役割や業務内容などに違いはありません

「看護師」に変わった理由

「看護婦」「看護士」の呼び名が変わったのは、2001年の法改正で「保健婦助産婦看護婦法」から「保健師助産師看護師法」に名称が変更されたことがきっかけです。翌年の2002年には性別による読み方の区別が撤廃されて、男女ともに「看護師」へ統一されました。

「看護婦」「看護士」から名称が変更されて20年以上が経過した現代では、「看護師」の呼び方や表記が一般化しています。しかし、未だに「看護婦さん」と呼ぶ人がいたり、インターネット上で「看護婦」「看護士」と表記されていたりすることがあります。医療業界では、「看護婦」「看護士」と表記することはありません。現役看護師の方はもちろん、看護職をめざす方は正しい表記・呼び名をするようにしましょう。

参照元:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」

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看護職は4種類に分けられる

看護職は4種類

看護職は保健師助産師看護師法によって、看護師・准看護師・助産師・保健師の4種類に分けられます。いずれも医療に携わる職種ですが、資格や仕事内容は異なり、活躍する場所もさまざまです。

以下では、それぞれの看護職について詳しく説明します。

看護師

看護師は、看護職における代表的な職種です。国家資格である看護師免許を有しており、2020年時点で約132万人が看護師として働いています。

看護師は医師やリハビリスタッフ、ケアマネジャーといった他職種と連携しながら、患者さまのサポートを行います。主な業務は、医師の診療のサポートや患者さまの看護・身の回りのお世話、患者さまおよびご家族の心のケアなどです。

看護師が活躍する主な職場は、以下のとおりです。

  • 病院
  • クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • 福祉施設
  • 健診センター
  • 企業

看護師の約70%は病院で活躍しています。また、訪問看護のニーズの高まりにより、訪問看護ステーションで働く看護師も増えています。

准看護師

准看護師は、看護師と同様に医師の診療のサポートや患者さまの看護を行っています。ただし、保有する資格が異なり、看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が発行する准看護師免許です。

基本的な仕事内容は看護師と同じですが、准看護師は自分の判断で業務を進めることができません。必ず医師や看護師の指示を受けてから業務を行う必要があります。

准看護師が活躍する主な職場は、以下のとおりです。

  • 病院
  • クリニック
  • 介護施設
  • 福祉施設

准看護師の主な勤務先は、病院とクリニックです。業務の幅が限られることから、看護師よりも勤務先の選択肢が少ないといえます。とはいえ、ニーズが低いわけではありません。介護・福祉施設でもニーズが高く、欠かせない存在です。

助産師

助産師は、妊婦の認識・出産のサポートや新生児の保健指導を行う看護職です。2020時点で約4万2,000人が従事しています。

助産師になるには、看護師と助産師の2つの国家資格が必要です。ただし、日本で助産師になれるのは女性だけで、男性が助産師資格を取得することはできません。なお、助産師は看護職で唯一独立開業ができます

助産師が活躍する主な職場は、以下のとおりです。

  • 病院
  • クリニック
  • 助産院
  • 産後ケアセンター
  • 保健所・保健センター
  • 不妊治療専門クリニック

助産師は、産婦人科(産科)で勤務するのが一般的です。妊婦の心身のケアや分娩介助のほか、新生児のお世話、育児のアドバイスなどを行います。また、産後ケアセンターや保健所・保健センターで出産後の母子をサポートをしたり、不妊治療専門クリニックで不妊治療に臨む患者さんの心のケアを行ったりすることも。助産師の活躍の場は多岐にわたります。

保健師

保健師は保健所・企業・学校などで、健康指導・保健指導を行う看護職です。2020年時点で約6万7,000人が従事しています。

保健師になるには、看護師と保健師の2つの国家資格が必要です。また、保健所や保健センター、市区町村の役所、厚生労働省といった行政機関で勤務するには、職員採用試験(国家・地方公務員試験)を受ける必要があります。

保健師が活躍する主な職場は、以下のとおりです。

  • 保健所・保健センター
  • 病院
  • クリニック
  • 企業
  • 教育機関

保健師の半数以上が、保健所や市区町村といった行政機関で勤務しています。

保健師は働く場所によって呼び名が変わります。行政の施設で働く保健師は「行政保健師」、企業勤務は「産業保健師」、病院・クリニック勤務は「病院保健師」、教育機関勤務は「学校保健師」です。仕事内容も勤務先によって異なります。

参照元:
日本看護協会「看護統計資料」
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」

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看護師になるには

看護師になるには

看護師になるには、国歌試験を受けて看護師免許を取得する必要があります。看護師をめざすルートは、以下の4通りです。

  1. 高校卒業後、4年制の大学に通う
  2. 高校卒業後、3年制の短期大学に通う
  3. 高校卒業後、3年制の看護師養成所に通う
  4. 中学卒業後、5年一貫看護師養成課程校に通う

看護師になるには、最短でも3年かかります。少しでも早く看護師として働きたいという方は、3年制の看護師養成所に通うと良いでしょう。また、助産師や保健師をめざすのであれば、4年制の大学に通うのがおすすめです。一部の4年制大学では、看護師と助産師または保健師のダブル取得をめざせるコースがあります。

社会人や主婦を経て、看護師をめざす人は大勢います。働きながら・主婦業をしながら、看護師になることは可能です。各学校のカリキュラムや掛かる金額を見て、自分に合った方法で看護師をめざしましょう。

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看護師としてキャリアアップをめざすなら

看護師としてキャリアアップをめざすなら

キャリアアップをめざすなら、知識・スキルを証明できる資格を取得するのがおすすめです。看護師のキャリアアップ資格には、以下の4つがあります。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 特定看護師
  • 診療看護師

いずれの資格も看護師としての実務経験を経て、教育・研修を修了することで取得できます。簡単に取得できる資格ではありませんが、高い専門性を証明できるので、キャリアアップや昇給に繋がるでしょう。

以下では各資格の概要と資格取得の条件、取得方法などを紹介します。

認定看護師

認定看護師は、高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できる者と認められた看護師のことです。認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら、「実践・指導・相談」の役割を果たしています。

認定看護師資格を取得するまでの道のりは、以下のとおりです。

  1. 看護師免許取得後、実務研修を通算5年以上積む(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
  2. 日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修了する
  3. 認定看護師の認定審査に合格する

2023年末時点の認定看護師数は、A課程で20,351人、B課程で3,745人です。
既存のA課程認定看護分野(21分野)は、2026年度に教育終了することが決まっています。これから取得をめざす人は、2020年度から開始されたB課程認定看護分野(19分野)の教育を受けましょう。

なお、A課程の認定看護師資格を取得している場合は、特定行為研修を修了して必要な手続きを行うことで、B課程の認定看護師になることが可能です。

参照元:日本看護協会「認定看護師」

専門看護師

専門看護師は、水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師のことです。専門看護分野の専門性を発揮しながら、「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の役割を果たしています。

専門看護師資格を取得するまでの道のりは、以下のとおりです。

  1. 看護師免許取得後、実務研修を通算5年以上積む(うち3年以上は専門看護分野の実務研修)
  2. 看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得する
  3. 専門看護師の認定審査に合格する

2023年末時点で、3,316人が専門看護師として登録されています。なかでも、専門看護師の確立と同時に認定が開始された「がん看護」の人数が最も多く、1,090人でした。一方、2022年に認定が開始された「放射線看護」の人数は6名です。各分野ともに、年々登録者数は増加傾向にあります。ニーズの高まりによっては、今後さらに新たな分野ができる可能性もあるでしょう。

参照元:日本看護協会「専門看護師」

特定看護師

特定看護師は、特定行為研修を修了した看護師のことです。

2015年10月にスタートした「特定行為に係る看護師の研修制度」を修了することで、看護師は自らの判断で特定行為を実施できるようになりました。特定行為に係る看護師の研修制度は特定行為研修と呼ばれ、研修を修了した看護師が通称として「特定看護師」と呼ばれています。

なお、特定行為には21区分38行為があり、各区分ごとに研修があります。特定看護師になるまでの道のりは、以下のとおりです。

  1. 看護師免許取得後、臨床経験を積む
  2. 特定行為研修を受講する
  3. 筆記試験に合格する

特定行為研修を実施している指定研修機関は全国にあります。研修機関によって研修を行う区分別科目は異なり、費用はもちろん研修期間も5ヶ月~2年間とさまざまです。また、eラーニングで実施する機関もあれば、登校が必要な機関もあるなど受講方法も異なります。
そのため、業務と両立できる方法を職場と相談して受講スケジュールを立てましょう。

参照元:日本看護協会「特定行為研修制度とは」

診療看護師(NP)

診療看護師(NP)は、大学院修士課程において、医学に関する知識や特定の医療業務に関する実践を学んだ看護師のことです。2011年から資格認定試験が実施され、2020年3月時点で487名の診療看護師(NP)が活躍しています。

診療看護師と混同されやすい職種として、前述した特定看護師が挙げられます。特定看護師は21区分38行為のうち、 研修を受けた特定行為だけを行えます。一方、診療看護師は特定行為に加え、医師からの具体的指示(直接指示)により、相対的医行為も行うことが可能です。

診療看護師になるまでの道のりは、以下のとおりです。

  1. 看護師免許取得後、実務研修を通算5年以上積む
  2. 診療看護師の教育課程がある大学院(修士課程)に進学して2年間履修する
  3. 診療看護師(NP)資格認定試験に合格する

2024年2月時点で、診療看護師の教育課程がある大学院は18校あります。
なお、日本の看護師・助産師・保健師のいずれかの資格を有し、海外のNP資格を取得した人であれば、資格認定試験を受験することができます。

参照元:日本NP教育大学院協議会

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まとめ

かつて看護師は性別によって、「看護士」「看護婦」と表記・呼び名が異なっていました。「保健婦助産婦看護婦法」から「保健師助産師看護師法」に名称が変更されたことがきっかけに、男女ともに「看護師」へ統一されています。現代では、「看護士」「看護婦」と表記することはないので、注意しましょう。

なお、看護職には看護師・准看護師・助産師・保健師の4種類があります。役割や仕事内容、活躍の場がそれぞれ異なるので、看護職をめざす人は将来のプランを考えて資格を取得しましょう。

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