• 2023年9月16日
  • 2023年11月2日

ケアミックス病院とは? 特徴や働くメリット・デメリットを解説

 

ケアミックス病院とは、一般病床と療養型病床・精神病床など複数の病床機能を兼ね備えるタイプの病院です。そのため、急性期から回復期・慢性期までの一貫したケアを提供しているという特徴があります。

この記事では、ケアミックス病院の詳細な特徴や、ケアミックス病院で働く場合の仕事内容について、詳しく解説します。また、ケアミックス病院で看護師さんが働く場合のメリット・デメリットについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

ケアミックス病院とは? 特徴も解説

ケアミックス病院とは、一般病床と療養型病床・精神病床など複数の病床機能をあわせ持つ病院です。厚生労働省では、ケアミックス病院について次のように説明しています。

【厚生労働省による説明】

ケ アミックス病院は、一般病床と療養型病床または精神病床の混合型であるが、その発生過程は、療養型病院または精神科病院が一般病床へ進出したというよりも、もともと一般病院であったものが、療養型病床などへ転換したものがメインと思われる。その背景として、一般病床削減政策のもとで、診療報酬上、療養型病床を優遇する方針があったことが挙げられる。それが18年度の診療報酬改定で、療養型病床優遇策が大きく方向転換した影響を大きく受けたものと推測される。

(引用:厚生労働省「houkokusho3_0004」

ケアミックス病院が増えた背景としては、一般病床数の削減政策の影響が挙げられます。平成18年度に療養型病床の診療報酬が一般病床より優遇されるようになったことをきっかけに、一般病床を療養型病床に変える病院が増えたのが原因の1つといえるでしょう。

ケアミックス病院は、急性期・回復期・慢性期とさまざまな区分に応じた病棟を備えており、一般的な治療から回復期のリハビリまで一貫したケアが行える点が特徴です。病院によっては終末期病棟を備えていることもあります。

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【看護師】ケアミックス病院の仕事内容

ケアミックス病院での看護師の仕事は、主に病棟業務となっています。ケアミックス病院の看護師さんは、具体的に次のような仕事を担当するのが一般的です。

  • 点滴や注射、採血などの医療行為
  • 食事、排泄、入浴などの介助
  • 体位変換
  • 夜間巡回
  • 手術、検査の補助 など

仕事内容は多岐にわたるものの、ほとんど一般病院と変わりません。ただし、担当の病棟によって患者さんの疾患や症状、重症度に違いがあり、求められるスキルや知識なども変わるため、上記の仕事内容はあくまでも1つの例です。

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ケアミックス病院で看護師が働く3つのメリット

ケアミックス病院で看護師が働く3つのメリット

ケアミックス病院は、一般病院とは異なる特徴があり、看護師さんの働き方も異なります。ここでは、看護師さんがケアミックス病院で働くことで得られるメリットを3つ解説します。

幅広い経験ができる

ケアミックス病院は、さまざまな病棟が備わっている施設です。患者さんは急性期・回復期・慢性期と症状が移り変わっても、ほかの病院に転院することなく1つの病院でケアを受け続けられます。そのため、患者さんへの対応を行う看護師さんも幅広い経験を積める、魅力的な職場です

自分の担当している仕事にくわえて、ほかの病棟とのつながりや隣接する領域の知識に触れ、包括的に看護の知識を増やす機会も多々あります。

ライフスタイルに応じた働き方ができる

ケアミックス病院は一般の病院と比べて扱う領域が広く、看護師さん自身が配属病棟の希望を出せるという特徴があります。そのため、自分のライフスタイルに応じた働き方を選びやすい点は大きなメリットです

出産や育児などでライフステージが変化し、現在の配属先で働きにくくなった場合も、同じ病院内で配置転換を希望して働き続けられます。

また、ケアミックス病院は全体的に残業が少ない傾向にあり、プライベートを確保しながら、働きやすい病院も少なくありません。

さまざまなキャリアプランを選べる

さまざまなステージでのケアに携われるのが、ケアミックス病院勤務の特徴です。そのため、単独の領域でスキルや知識を高められるだけでなく、幅広い領域からさまざまなキャリアプランを選んで働ける可能性があります

現在の仕事が合わないと感じたときにも、転職せずに別の領域にチャレンジできるので、働き方を変えてキャリアを継続できます。また、1つの病院で複数の領域を経験し、新たなキャリアにつなげられるのもケアミックス病院ならではの特徴です。

ケアミックス病院で看護師が働く3つのデメリット・注意点

ケアミックス病院で看護師が働く3つのデメリット・注意点

ケアミックス病院での勤務にはメリットが多々ある一方で、看護師さんのキャリアや考え方によってはデメリットや注意点もあります。ここでは、ケアミックス病院で働く看護師さんにとって、デメリット・注意点になりうるポイントを解説します。

専門的なスキルを高めにくい

ケアミックス病院では幅広い経験が積める一方で、専門的なスキルを高めにくいため、スペシャリスト志向の方は注意が必要です。1つの領域で経験を積んでいる最中に領域の異なる病棟に異動となるケースもあり、スキルアップが中断されるおそれもあります。

反対に、高度なスキルや知識を求められない現場も多いことから、専門的なスキルに不安のある方も働きはじめやすい職場であるともいえるでしょう。新卒者の就職やブランクがある方の復帰の場としても、ケアミックス病院が向いています。

関心の薄い領域に異動することがある

ケアミックス病院には、さまざまな領域の病棟があります。そのため、関心の薄い領域に異動する可能性もあり、看護師さんによってはデメリットになるおそれがあるでしょう。特に明確に希望する領域のある方にとっては、希望しない領域で働くことがあり、希望通りのキャリア形成が進めにくくなるかもしれません。

一方で、1つの病院でさまざまな経験ができるため、明確に自分の希望が定まっていない方にとっては、キャリア形成の参考になります。

病院によって違いがある

一言でケアミックス病院といっても、病院ごとの方向性や特徴はさまざまです。病院によってそれぞれ力を入れている領域が異なり、患者さんの層や必要なケアにも違いがあります。看護師さん本人の希望と病院の特徴との間でミスマッチが起きやすく、希望するキャリアプランがあっても、希望通りの働き方が難しくなるケースもあるため注意が必要です。

ただし、就職・転職時に病院の特徴をしっかり確認することで、自分の希望や目的にあった病院選びができます。ケアミックス病院に就職・転職する際は、ミスマッチを防ぐためにも、病院見学に行くなど情報収集を徹底するとよいでしょう。外部からはケアミックス病院かどうかが分かりにくいため、医療従事者・看護師専用の求人サービスを利用するのも1つの方法です。

ケアミックス病院で働くことに向いている方の特徴

ケアミックス病院で働くことに向いている方の特徴

ケアミックス病院は、ほかのタイプの病院との違いが多々あり、看護師さんの働き方も特徴的です。ここでは、どのような方がケアミックス病院での勤務に向いているかを解説します。

・幅広い領域に興味を持っている方

ケアミックス病院では、1つの病院で複数の領域を経験できるため、幅広い領域に興味を持っている方に向いています。看護のジェネラリストとして働きたい方にとっては、ほかの病院にはない経験ができる職場です。また、目指したい働き方や希望の領域が定まっていない方にとっても、キャリア形成の参考になるでしょう。

・長期的な看護に興味を持っている方

ケアミックス病院は、急性期から慢性期までのケアを1つの病院で一貫して行います。看護師さんにとっても、看護のさまざまなステージを経験できる場です。そのため、1つの領域に特化するより、患者さんのケアについて長期的な視点から看護を学びたい方に向いています。

・ワークライフバランスを重視したい方

ケアミックス病院は比較的に残業が少ない傾向にあり、転属で働き方を変えることも可能です。育児・介護などで家族のケアが必要な方や、ワーク・ライフ・バランスを重視した働き方を希望する方に適した職場です。

ケアミックス病院は、幅広い領域を経験できるのが最大の強みとなっています。ケアミックス病院でキャリアを形成することで、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、看護の各領域を横断的に理解した看護師さんとして活躍できるようになるでしょう。

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まとめ

ケアミックス病院は、一般病床と療養型病床・精神病床の混合型の病院です。元々は一般病床であった病院が、療養型病床などに転換していったものです。

ほかのタイプの病院に比べて、ケアミックス病院では幅広い看護の経験が積めます。また、ライフスタイルに応じた働き方や柔軟なキャリアプランを選択できる点も魅力です。

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※当記事は2023年7月時点の情報をもとに作成しています

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