▶︎職場の派閥で板挟みに。「あなたはどっち派?」と聞かれたらどうするべき?
12月。せっかくボーナスが支給されたからには、有意義な使い方をしたいところ。人生の先輩たちの“お金の失敗談”から模索してみませんか? 産業医の井上智介さん、作家のワタナベ薫さん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!
イラスト:菜々子
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
ボーナス使う前に知りたい、先輩たちの“お金の失敗談”教えて!
看護師1年目です。
コロナ禍で給与やボーナスがカットされることも少なくないなか、看護師になって初めての夏のボーナスは10万円程度でした。
冬のボーナスも似たような感じではあるのですが、新人看護師にとっては大金です。
少ないボーナスだからこそ有意義に使いたいので、後悔しないように先輩たちの「失敗したお金の使い方エピソード」を教訓にさせてもらえれば幸いです。また、そこから得た学びも教えてください。
スペシャリスト3人のアドバイスは?
医療従事者は真面目な人が多いので、これを機に「気になっていた、ちょっと高めの参考書を買おう」とか「グレードの高い聴診器を買おう」なんて思うこともあるでしょう。
しかし、ボーナスで仕事関連の物品を買うのはやめておくのが無難です。
そもそも、今まで必要なかった物なのだから、購入しなくても大丈夫です。本当に仕事で必要だなと思ったら、ボーナスを待たずに購入しているはずですから。
きっと参考書を買っても、本棚の飾りと化して、ほぼその恩恵を受けられないでしょう。まさに自分がそうだったので(笑)。「毎月の給与から5%は仕事関連に使う」という習慣を持つほうが健全です。
あと、目的意識が低い習い事への投資もやめた方がいいと思います。私の場合、「英語が話せたらかっこいいな」くらいの低いモチベーションで始めたオンライン英会話は、見事に続きませんでした。
ボーナスだからこそ、好きなモノを食べたり旅行に行ったり、思いっきり私利私欲のために使ってください。それが明日からの仕事への活力になりますよ!(by 井上智介さん)
私の若い頃のお金の失敗は、「通信講座を申し込んでは何度も途中で投げ出す」ということがありました。結局、独学は向かないということが分かり、以来その手の類に手を出すのはやめました。
また、最近周りから聞く若い人々のお金の失敗は、「ブランド物をローンで買ってしまい、ローン地獄」。さらには、「お金を増やしたいと思うばかりに、投資詐欺に引っかかった」という話も近頃ではよく聞きます。
知らない人の話をいとも簡単に信じてしまうのは、お金が欲しいという欲望ゆえのこと。ラクに稼げるものなどありません。
それよりも、奪われることのない学びと経験にお金を使い、後にお金を生むような知見を貯められる自己投資がおすすめです(by ワタナベ薫さん)。
私が失敗したお金の使い方は、これに使うと決めずに、ダラダラと洋服を買ったり、ご飯に行ったりして、何にどれくらい使ったかも把握できていないまま、あっという間にボーナスを使い切っていたことです。
せっかくのボーナスなので、目的を持って使った方がいいと思います。旅行に行く、一生物のブランド品を買う、大きな電化製品を買うなど、やりたかったことや欲しかった物、記念になる物を決めて、早めに買っておくことが大事ですね。
でも、あまり失敗した使い方だったとマイナスに思うのはもったいないので、どんな使い方でも経験を積んだとプラスに考えるのも大切かと思います。
自分で働いて稼いだお金なので、どんな使い方でも自分で自由に使うことが良いお金の使い方だと感じます(by青木美沙子さん)。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか? アドバイザーのみなさんの失敗談は身につまされます……。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)
井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。
ワタナベ薫さん
株式会社WJプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。
青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。