• 2022年10月14日
  • 2022年10月13日

それ、実はよく思われてないかも。病院で意外とやっちゃいがちなNG行動TOP3

 

病気や怪我で病院にお世話になる際、知らず知らずのうちに良くない振る舞いをしてしまっている患者さんは少なくありません。

現役看護師900人に実施したアンケート「みんなに知ってほしいこと」では、看護師さんが患者さんに対する本音を激白!

気付かぬうちに看護師さんの負担になっていないか確認しておきましょう。

Q.看護師がみんなに知ってほしいことと言えば……?

「マイナビ看護師」調べ(2022/09/01~8 n=900)

第6位「保清は大切にしてほしい」(1.4%)

入院時において「面倒だから」「汗をかいていないから」などの理由で、お風呂に入れるのに入らない患者さんに向けた本音が6位にランクイン。自分が気付いていないだけで、実は体臭があるかもしれません。保清は、皮膚や粘膜からの感染を予防する上でも欠かせないので、ぜひしっかり行ってください。

第5位「薬の飲み忘れ、必ず教えてほしい」(6.2%)

人によっては、用法・用量・服用のタイミングなどが厳しく決められているため、飲み忘れを隠すのは絶対にNG。間違っても「昨日、あの薬飲み忘れちゃったんだよね」と時間が経ってから伝えないようにしましょう!

第4位「点滴が終わっても自己抜針しないで……」(10.3%)

意外なことに、「点滴終わったから、自分で針を抜いておいたよ」と伝え、看護師さんをゾッとさせる患者さんが約1割いることが判明しました! 点滴の針は非常に細いため、無理に抜くと針の一部が折れて血管の中に残って傷つけてしまうことも……。必ず看護師さんに抜針してもらってください。

第3位「特別扱いはできません」(12.7%)

「私は湯舟に浸かりたい」「夕飯の時間は常に20時くらいにしてほしい」など、特別な待遇を望む患者さんは多いようです。「(6人部屋と同じ料金で)個室を使わせてほしい」なんて強者もいるとのこと……。ですが、患者さんは皆平等です。

第2位「ネットの知識を過信しないで…」(18.8%)

現役看護師からも「『ネットに○○が効くって書いてあるから、この治療法に変えてほしい!』と言われたことがある」「『この薬は○○の副作用が強いとネットに書かれているから飲まない!』と服薬を拒否された」など多くのエピソードが寄せられています。目の前の看護師さんを信じましょう。

看護師800人に聞いた「こんな患者さんに困ってます」ランキング第1位は?

第1位「看護師だって人間、メイドじゃない」(48.6%)

アンケートの中でもっとも投票数が多かったのは「看護師をメイドだと思わないでほしい」という回答でした!「売店で○○買ってきて」「テレビのリモコン取ってもらえる?」「寝てばっかりで肩凝ってるからマッサージして」といった、看護業務ではないことを頼まれて困っている看護師さんは多いようです……。そもそもどこからどこまでが看護師さんの業務範囲内なのか分からないのかも?

この中で以下の4つは、みなさんも入院・来院時に知っておかないといけないことです。

① 保清を大切に

② 薬の飲み忘れは教えてほしい

③ 点滴の自己抜針はしないでほしい

④ ネット情報を過信しすぎないでほしい

看護師さんの負担を軽減させるためにも、ぜひ覚えておきましょう。

現役看護師からアドバイス!知ってほしいことを患者さんにうまく伝える方法

一方、看護師さん側も「ちゃんと知ってほしいけど、なるべく角が立たないように伝えたい」と思っているはず。ではどのような伝え方がベターなのでしょうか? 

経験豊かな現役看護師さんに、患者さんへの伝え方のコツを伺いました!

しっかり保清してほしい人への伝え方は?

看護師歴9年/整形外科勤務/Tさん


「なぜその人が保清を嫌うのか?清潔ケアを進んでやらないのか?」を考えることが大切だと思います。人によっては「入院前の生活リズムを崩したくない」「もともと毎日シャワーを浴びていない」という場合も。そういうときは「温かいタオルで体を拭いてみませんか?」と、ハードルを下げた代替案を提案してみます。

看護師歴10年/呼吸器内科勤務/Kさん


皮膚や粘膜部分の清潔を維持することがどれだけ大切なのか、理解できていない人が多いと思います。ですから「このまま清潔ケアをしないとどうなると思います?」のように質問を投げかけると保清の大切さを再認識してくれるんです特に、子どもには有効な伝え方だと思います。

薬の飲み忘れを必ず教えてもらうためにはどうすれば?

看護師歴18年/消化器内科勤務/Wさん


患者さんから「あなたの反応が怖くて、薬を飲み忘れたことを伝えられなかった」と言われてしまったことが。
それ以来「薬の数が多くて大変ですよね」とワンクッション置いてから、飲み忘れないように伝えています

点滴の自己抜針予防に適した対応は?

看護師歴13年/泌尿器科勤務/Hさん


針の異物感が苦手な患者さんもいますので迅速に抜針してあげることが大切。「終わったら教えてください。すぐに針を抜きに伺います!」と伝えたら、安心してもらえました。

看護師歴10年/小児科勤務/Bさん


患者さんの目に点滴の針が見えないようにするのも大切だと思います。特に子どもは無意識に針の周辺を触ってしまうので、点滴中は薄手のTシャツなどを着てもらったりします。

ネットの知識を過信している人への対応は?

看護師歴8年/小児科勤務/Nさん


まず「ネットに書いてあることは嘘も多いですから、過度に信じないでくださいね」と伝えるのはNGです。患者さんやご家族は、分からないなりに調べた結果を私達に伝えてくれているので、まずは最後まで話を聞くことが大切。その上で治療方針や処方薬について改めて説明しましょう。患者や家族に納得してもらうには、何度も話し合う根気も必要だと思います。

看護師歴15年/リハビリテーション科勤務/Fさん


わざわざネットで調べてくるのは、それだけ病気を治したい気持ちが強い患者さんなんだと思います。まずは労いの言葉をかけてください。その上で「私たちの説明で不安に感じたことはありますか?」と聞いてみるなど声掛けから信頼感を築けると、まずは看護師に聞いてくれるようになるはずです。

お互いの理解が深まれば、入院・来院時の快適度も変わるはず

今度から病院にお世話になる際は、これらのことを忘れずにいたいものです。また、看護師さんも、患者さんの行動背景に理解を示しながら上手に伝えられると、よりよいリレーションを図れるようになるかもしれません。


取材:内山直弥(TAC企画)、編集:藤田佳奈美(同)

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