看護師の前残業は当たり前?
  • 2022年9月27日
  • 2022年9月26日

看護師の前残業は当たり前? 実態と減らす方法を紹介

 

「看護師が前残業をするのは当たり前? 」「前残業した際に残業代は出るの? 」など、前残業に関して疑問がある看護師の方もいるでしょう。看護師は数ある職業のなかでも、前残業をすることが当たり前になっている傾向にあります。

この記事では、前残業の概要や残業代の発生有無について解説。また、看護師が前残業をする理由や現役看護師の前残業の実態について紹介しています。

前残業とは?

前残業とは、始業時間前に出社して勤務する時間外労働のことです。

前残業には勤務後の残業を減らせるほか、朝早く出社することで通勤ラッシュを避けられるといったメリットがあります。朝や夕方の時間を有意義に使うために、前残業をする人もいるようです。

しかし、なかには「夕方の残業だけでは仕事が終わらない」「夕方は家庭の事情で残業できないので前残業をするしかない」など、前残業を余儀なくされている人もいます。

前残業を効率的な働き方と捉える人がいる一方で、前残業をしないと仕事が回らないという人もいるのが現状です。

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前残業で残業代はつかない?

前残業で残業代はつかない?

前残業で残業代がつくか気になっている方もいるでしょう。前残業でも基本的に残業代は出ますが、なかには残業代が出ないケースもあります。

業務上、必要であれば残業代は出る

業務上、必要な前残業または上司や会社の指示による前残業であれば、基本的に残業代は発生します。必要な前残業と認められるのは、以下のようなケースです。

  • 上司に始業前に出勤して、プレゼンの準備をするように言われた
  • 早朝会議に参加するよう指示があった
  • 業務上必要な勉強会への参加が義務付けられている

前残業で残業代が出るか出ないかは、始業前に働いた時間が労働基準法上で「労働時間」とみなされるかによって異なります。労働時間とは、労働者が雇用主の指揮命令下に置かれている時間のことです。つまり、会社や上司に勤務時間前に働くよう指示されていれば、その前残業は労働時間とされ、残業代が出ます。

労働基準法で1日の労働時間は8時間1週間の労働時間は40時間までと定められています。この労働時間をオーバーした分は割増賃金の対象で、通常の賃金の1.25倍の残業代が支払われるのです。

参照元:e-Gov法令検索「労働基準法」

残業代が出ないケース

上司や会社から指示されておらず、業務上必要がないにも関わらず自己判断で前残業した場合は残業代が出ません。たとえば、以下のケースが該当します。

  • 通勤ラッシュを避けるために、早めに出勤をして仕事をしている
  • 上司が早く会社に来るため、気を遣って早めに自分も出勤している

自主的に早めに出勤している場合は労働時間とみなされないため、基本的に残業代は発生しません。
理由があって前残業をする際には、事前に会社や上司に「残業代は出るのか」「勤怠管理はどのようにしたら良いか」などを確認しておくのが賢明です。

看護師が前残業をする5つの理由

看護師が前残業をする5つの理由

前残業をする人は数多くいますが、なかでも看護師は前残業をするケースが多い傾向にあります。以下では、看護師が前残業をする理由を5つ紹介します。

1.情報収集をするため

前残業をして、情報収集をする看護師は数多くいます。
勤務時間になったらすぐに業務開始できるように、事前に患者さんのバイタル変化や検査結果、当日行う点滴・処置、前日の状態などを看護記録や医師記録で確認するのです。なかには、病室まで行って患者さんの様子を見たり話をしたりすることも。前日が休みだった場合は、2日分の記録をチェックするため時間がかかります。

2.ほかの看護師が早く来ているから

ほかの看護師が早く来ているから、それにあわせて早く出勤するという看護師はいます。また、早く出勤するのが当たり前の雰囲気になっている職場もあるようです。

特に看護師長や看護主任、先輩看護師などが来るのが早い場合、自分だけ始業ギリギリに出勤するのはなかなか難しいでしょう。

3.前残業をしないと仕事が終わらないから

業務量が多く仕事が終わらないため、早めに出勤して前残業をする場合があります。
勤務時間終了間際は申し送りや看護記録の作成など、やることが多々あるのが現状です。なかには、勤務時間終了後でないと、看護記録の作成をする暇がないという看護師もいるでしょう。
勤務時間後の残業を減らすために、早めに出勤して業務に取り掛かる看護師がいるようです。

4.研修や勉強会に参加するため

研修や勉強会に参加するために、前残業を余儀なくされている看護師もいます。
たとえば、午前11時から研修が行われる場合、日勤の看護師は勤務時間内に参加可能です。しかし、遅番や夜勤の看護師は、早めに出勤しなければなりません。
このように、看護師がシフト勤務であるがゆえに、前残業が発生するケースもあります。

5.若手は早く出勤する暗黙のルールがある

職場によっては、若手看護師は「先輩看護師よりも早く出勤する」という暗黙のルールがある場合も。なかには、1年目の看護師が1時間前に出勤している職場もあるようです。若手看護師は早めに出勤して、情報収集や業務の準備、勉強をします。

看護師の前残業の実態

看護師の前残業の実態

ここでは、現役看護師に聞いた前残業の実態を紹介するほか、看護師の前残業に残業代が支払われているかを、日本看護協会のデータをもとに解説しています。

看護師にアンケート! 前残業をしていますか?

現役看護師に前残業をしているかアンケートを取った結果、以下のような回答が寄せられました。

  • 30分前には出勤して情報収集をしている
  • 連休明けや夜勤前は30分では足りないので、1時間早く行っている
  • 準備が多々あり、始業時間の出勤では絶対に間に合わない
  • 始業ギリギリにきて、的確に情報を取れる人はすごいと思う
  • 今は外来なので前残業はないが、病棟のときは45分前に出勤していた
  • 始業5分前に来て先輩から嫌味を言われた時代もあった
  • サービス残業になるが、しょうがないので前残業をしている
  • 前残業禁止になった。師長や主任も5分前にしか出勤しない
  • あんまり早く出勤すると、先輩に「休んでなさい」と休憩室に戻される

前残業をしないと、効率よく業務を行えないという声が多く聞かれました。また、残業代はつかないが、前残業せざるを得ないという看護師もいました。

なお、昔は早めに来て当たり前という雰囲気だったようですが、近年は前残業を禁止する医療機関も増えているようです。

前残業は時間外勤務として扱われている?

日本看護協会の「2019年病院看護実態調査」によると、「前残業」を時間外勤務として扱っている病院は21.5%。一方、時間外勤務として扱っていないと答えた病院は62.9%でした。

多くの病院では、看護師の前残業が時間外勤務として扱われていないのが現状です。つまり、看護師はサービス残業をしていることになります。なお、前残業の実態はないと答えた病院は12.4%と、非常に少ない結果となりました。

参照元:日本看護協会「2019年病院看護実態調査」

看護師の前残業を減らす3つの方法

看護師の前残業を減らす3つの方法

ここまで説明したとおり、多くの病院では前残業が当たり前になっているようです。以下では、看護師の前残業を減らす方法を3つ紹介します。

1.勤務開始直後に情報収集の時間を作る

多くの看護師は前残業をして情報収集をしています。そのため、勤務開始直後に情報収集の時間を作ることで、前残業の時間を減らせるでしょう。実際に、前述のアンケートでは「業務改善をして、始業後15~20分は情報収集の時間になった」と答えた看護師がいました。

前残業を減らすには、勤務時間前に前残業をすることが当たり前になっている状況を根本的に変える必要があります。

2.業務分担を行う

看護師が行う業務は多いため、検査の準備をする人・入院患者の受け入れをする人・バイタルチェックをする人など、業務分担をすることで看護師一人ひとりの負担を減らせるでしょう。
業務負担が減ると、その分看護記録を作成する時間ができ、勤務時間後の残業だけでなく前残業を減らすことに繋がります。また、看護助手を採用して、看護師の負担を減らすのも前残業の削減に繋がるでしょう。

3.看護記録を見やすくする

看護記録を見やすくすると、情報収集の時間短縮に繋がります。看護記録は誰にでもパッと見でわかるように、簡潔に要点をまとめて書くことが大切です。必要な情報をすぐに収集できるように意識して看護記録を作成することで、自分だけでなく、ほかの看護師の前残業の削減にも繋がるでしょう。

まとめ

看護業界では、前残業をすることが当たり前になっています。とくに休み明けや夜勤前は確認することが多く、勤務開始の1時間前に出勤する看護師もいるようです。
しかし、多くの病院では前残業を勤務時間外とみなしておらず、サービス残業として働いている看護師が多いのが現状です。今後は看護業界全体で、看護師の働き方を見直す必要があるでしょう。

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