• 2022年6月10日
  • 2022年10月17日

収入アップや生活スタイル改善も!?フリーランス看護師として働くメリット3つ

 

ライフステージの変化や体力的な問題などで、今後のキャリアを考えている看護師さんも少なくないはず。自分にあった働き方で看護師を続けていくにはどうしたらいいのでしょうか。

看護師のスキルを活かして働ける仕事は、病棟やクリニック、訪問看護ステーションに限りません。
今回は、看護師コミュニティ「ナースライフバランス研究室」のメンバーで、看護師資格を用いてフリーランスとして働く看護師さんにインタビューを実施。看護師の資格と経験を活用してさまざまな仕事に携わる働き方を選んで変わったことやメリットについて伺いました。

取材にご協力いただいた看護師さん

筑井由紀子さん
・年齢:50歳
・看護師歴:約30年
・現在の働き方:フリーランスの看護師として、メンターナース、小児救急のコールセンター、添乗ナースなど、複数の職場をかけもちしている。

なぜ、フリーランス看護師を目指したの?

もともとは終末期のケアに興味があったという筑井さん。いまの働き方にシフトしたのは、どのような経緯からだったのでしょうか?

筑井さん:病棟や訪問看護ステーションで働いていたときは、プライベートが確保できなくて、もどかしい思いをしていました。生活の優先順位も「夜勤」や「夜間対応」が中心になっていたんです。終末期ケアにやりがいを感じていたものの、それ以上に自分の生活が犠牲になっていました。

今後のキャリアを考えたときに、病棟、訪問看護ステーション、クリニック以外でも看護師資格をベースに働ける職場がたくさんあることを知りました。

「もしかしたら、もっと自分にあった働き方ができる環境があるかもしれない」とも思ったんです。

人生経験も積めるだろうし、そんな思いもあって開業届を出してフリーランスの看護師として働こうと決めました。

看護師資格を用いてさまざまな仕事に携わることで、看護観やライフスタイルはどう変わった?

携わる仕事が多いほど、ワークライフバランスを維持するのが難しそうに感じます。筑井さんのライフスタイルや看護観はどう変わったのでしょうか?

筑井さん:いま携わっている仕事は、自分でスケジュールが組めるのでプライベートとのバランスが取りやすいです。夜勤中心の生活をしていたころはできなかった趣味が、いまはできるようになりました。
仕事や生活などの優先順位も自分の理想に合わせて変えられるので、ワークライフバランスを重視した働き方を望んでいる人には合っていると思います。

仕事に対する価値観も変わりました。病棟や訪問看護師時代は、「いつまで体力が持つだろうか……」という不安が強かったんです。何歳まで看護師として働けるのか、未来が想像できませんでした。

でもいまの働き方を始めて、看護師としての働き方が広がったことで「未来が想像できない=無限の可能性」と考えられるようになりました今後、看護師としてどんな仕事に携われるのか楽しみです。

また、看護師として働く際の心構えにも変化があったそうです。

筑井さん:いままでは「業務を完璧にこなさなきゃ。自分1人でできるようにならなきゃ」と思い過ぎていて、誰かに頼ることが苦手でした。でも看護師以外の人がいる職場で働くようになってから「人にはそれぞれ得意・不得意がある。助け合うことがベスト」と気付いたんです。
それ以降は心に余裕ができて、人に頼れるようになりましたね。

さまざまな仕事に携わることのメリット・やりがいは?

筑井さんがいまの働き方を続けているのは、看護師資格や経験を土台にさまざまな仕事に携わる中でメリット・やりがいを感じられたからとのこと。

筑井さん:病棟や訪問看護ステーションで働いていたときは、看護師としての思考が固まっていましたね。「これは絶対にこうであるべきだ」が、口癖だったかもしれません。

でも、看護師以外の方と一緒に仕事をするようになった今は、色々な人の考えや価値観に触れられるようになって思考が柔軟になりました。

そのおかげで、人にアドバイスするときにも役立っていると感じています。自分が複数の職場で経験・見聞してきたことを、また別の職場で活かせたり還元できたりするんです。
「こういう考え方もあるよ、でも○○さんはこんな道を選んでいたよ」みたいな感じです。おかげで「筑井さんに相談して良かった」と言ってもらえることが増えました。

きっといまの働き方を選んでいなかったら、このようなやりがいは感じられなかったと思いますね。

▶︎「多重業務」をこなすには、〇〇するのがオススメ!

フリーランス看護師を目指す際に気を付けること、必要な準備はある?

筑井さんがフリーランスの看護師を目指す際に気を付けたことは?

筑井さん:フリーランス看護師になるなら、税金や確定申告に関する知識は必要です。給与明細を確認する癖、どんな税金がひかれているのかチェックする癖をつけておくと良いと思います。

▶今さら聞けない確定申告の基本

また、SNSを活用して、看護師同士のつながりを作ることも大切私自身、SNSのつながりからお仕事の話に発展した経験があります。

最初は無理に自分から発信しなくていいので、情報収集ツールの1つとしてSNSのアカウントを作ってみてください。

▶︎どうやって副業を始めるの? 看護師&デザイナーの働き方を大解剖!

看護師として長く働き続けるためのコツは?

最後に看護師歴30年以上の筑井さんに、看護師を長く続けるためのコツを伺いました。

筑井さん:看護師として長く働き続けるためには「看護師としてどんな仕事をしたいか?」や「その仕事にやりがいや楽しさを感じるか?」を常に問うことが重要だと思います。

看護師の就職先はどんどん増えていますし、色々な職場で重宝される資格です。もし今の仕事が合わないなと感じるなら、一歩外に出てみてもいいと思います。自分が理想とする看護の仕事ができるよう環境を整えられれば、長く働き続けられるはずです

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<まとめ>

これからも看護師資格と今までの経験を活かして、さまざまな仕事に携わってみたいと話す筑井さん。
ワークライフバランスを保ちつつ、看護師として長く働き続けたいと思っている人は、筑井さんのように看護師資格を活かした仕事を探すことから始めてみるのも良さそうです。

 ナースバランス
研究室


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企画・取材:内山直弥(TAC企画)、編集:藤田佳奈美(同)

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