• 2022年5月6日
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宿直とはどんな勤務? 当直や日直との違いも解説

 

「宿直はどんな勤務のことを指すの? 」「夜勤や当直と一緒? 」など、宿直勤務についてよく知らないという方もいるでしょう。宿直は通常業務は行わない夜間の待機要員としての位置付けで、電話があった際の対応や定期巡回などを行います。

この記事では、宿直の役割や業務内容、夜勤・当直との違いを解説。宿直勤務のある仕事やアルバイトのほか、宿直がきついといわれる理由も紹介しているので、ぜひご一読ください。

宿直とは

宿直とは、夜間に勤務先に泊まりこんで勤務することです。ただし、通常業務を行う夜勤とは異なり、緊急事態が発生したときに対処する要因としての位置づけとなります。

以下では、宿直の概要と業務内容を解説します。

通常業務は行わない夜間の待機要員

宿直は緊急事態が発生したときに対応する待機要因のため、夜勤のように通常業務は行いません。基本的な業務は、電話があった際の対応や定期巡回などです。非常事態が発生した際には、適宜担当者へ連絡します。

労働基準監督署長の許可が必要

宿直を行う事業所は、労働基準監督署長の許可を取る必要があります。労働基準監督署長の許可を得ると、労働基準法で定められた以下の規定の適用が除外されます。

  • 労働基準法32条
    休憩時間を除き、週に40時間以上・1日8時間以上の労働をさせてはならない
  • 労働基準法34条
    労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を与えなければならない
  • 労働基準法35条
    週に1回、休日を与えなければならない

なお、上記の規定の適用が除外されることで、「時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)」の届出は不要。雇用主は、割増賃金の支払いをする必要がありません。

【参照元】

宿直と当直・夜勤の違い

宿直と当直・夜勤の違い

宿直と当直・夜勤の働き方は似ていますが、役割や仕事内容には明確な違いがあります。ここでは、宿直と混同されやすい「当直」と「夜勤」について解説します。

当直とは

当直とは、勤務時間外にシフト交代制・当番制で働く勤務形態のことです。

当直というと「夜勤」を想像する方もいますが、「夜勤」とは働き方が異なります。当直は法定労働時間に含まれず、通常業務を行いません。なお、当直の中でも日中に働く場合を「日直」、夜間に働く場合を「宿直」といいます。

「日直」と「宿直」は働く時間が日中か夜間かというだけで、業務内容は変わりません。いずれも待機要員として、電話があった際の対応や定期巡回などを行います。

夜勤とは

夜勤とは、夜間に勤務先に泊まりこんで働く勤務形態のことです。待機要員として電話対応や定期巡回だけを行う「宿直」とは異なり、「夜勤」では通常勤務と同様の業務を行います。

労働基準法が適用されるため、労働時間は日勤と合わせて週40時間以内です。そして、基本賃金に割増賃金を加算した夜勤手当が支給されます。

なお、労働基準法32条で「週に40時間以上・1日8時間以上の労働をさせてはならない」と定められていますが、看護師の3交代制などでは1回の夜勤が16時間程度になることもあります。これは、「変形労働時間制」を採用しているためです。

「変形労働時間制」を採用することで、一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日または週に法定労働時間を超えた労働が可能です。

【参照元】

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宿直のルール

宿直のルール

前述したように、宿直を行う際は労働基準監督署長の許可を得なければなりません。許可を得るには、勤務の態様・宿直手当の金額・宿日直回数などの許可基準をクリアし、必要書類を提出する必要があります。

以下では、許可基準である勤務の態様・宿直手当の金額・宿日直回数について解説します。

通常業務は行わない

宿直は、常態としてほとんど労働をする必要のない勤務のみが認められます。

業務内容としては、定期的な巡視、緊急の文書や電話の収受、非常事態に備えての待機などです。これらの業務を目的とする場合に限って、宿直が許可されます。

原則として、通常の労働の継続は許可されていません。

宿直手当は賃金の3分の1以上

宿直手当の最低額は、当該事業所において、宿直勤務に就く労働者の賃金(労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金に限る)の1人1日平均額の3分の1を下回ってはいけません。日直手当も同様です。

なお、1回の宿直または日直で支給される手当は、4,000円までが非課税です。4,000円以上になると、課税対象となります。

宿直は原則週1回まで! 週2回以上は違法

宿直の勤務回数は、原則週1回までです。また、日直の勤務回数は、原則月1回までと定められています。

ただし、当該事業所に勤務する宿直または日直を行いうるすべての人に、宿直または日直をさせても人員配置かつ勤務の労働密度が薄い場合には、週1回を超える宿直・月1回を超える日直についても許可される場合があります。

睡眠設備が必要

宿直を行うには、仮眠室や宿直室といった宿泊設備の設置をすることが条件です。許可申請をする際には睡眠場所の見取図や写真など、睡眠設備の概要が分かる資料の提出を求められます。

【参照元】

宿直で許可される業務

宿直で許可される業務

宿直では通常の労働の継続は許可されていませんが、医師や看護師は人の命に関わる可能性があるため、一部業務が許可されています。また、社会福祉施設の場合も同様です。

ここでは、宿直で許可される医師・看護師の業務と、社会福祉施設の業務を紹介します。

医師・看護師の場合

医師・看護師の場合も、宿直は「通常の勤務時間の拘束から完全に解放されたもの」としています。ただし、一般的な宿直業務以外に、特殊な措置を必要としない軽度または短時間の業務に限って許可されています。

医師・看護師が許可される軽度または短時間の業務は、以下のとおりです。

<医師>

  • 少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診などによる診察等(軽度の措置を含む)や看護師への指示・確認
  • 外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間に、少数の軽症の外来患者やかかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等や看護師への指示・確認

<看護師>

  • 外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間に、少数の外来患者やかかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等を行うことや医師への報告
  • 病室の提示巡回や患者の状態の変動の医師への報告、少数の要注意患者の定時検脈・検温

なお、「担当する患者の人数」や「夜間・休日に来院する急病患者の発生率」から考えて、通常の勤務時間と同等の業務をするであろうと判断されれば、宿直自体の許可がされません。

社会福祉施設の場合

社会福祉施設の場合、一般的な宿直業務のほかに、少数の入所児童や入所者に対して行う夜尿起こし・おむつの取替え・検温等の介助作業が許可されます。

ただし、軽度の作業に限ってのみです。夜尿起こしやおむつの取替えの際に要介護者を抱きかかえるといった身体に負担がかかる作業は含まれません。また、1回の作業における所要時間は10分程度の短時間とされています。作業回数は1回ないし2回が限度です。

なお、夜間における入所児童の生活指導や起床後の着衣指導といった、通常の労働と同態様の業務は許可されていません。

宿直勤務のある仕事・アルバイト

宿直勤務のある仕事・アルバイト

宿直勤務のある仕事やアルバイトは以下のとおりです。

  • 学校
  • ビル
  • 病院
  • 介護施設
  • 児童養護施設
  • 市役所

どの職場においても、宿直の基本業務である電話対応や定期巡回などを行います。ビル勤務では職員が退館した後の施錠(戸締り)、市役所勤務では戸籍届出等の受領や職員への緊急連絡の取り次ぎなどを行うこともあるようです。

宿直はきつい?

宿直はやることが少なく「楽な仕事」と考える人がいる一方で、「きつい」「つらい」と感じる人もいます。「きつい」「つらい」といわれるのには、以下のような理由が挙げられます。

  • 勤務時間が長い傾向にある
  • 気が抜けず、気疲れする
  • 仮眠時間があっても眠れない
  • 緊急事態が発生したときは忙しい

勤務する職場にもよりますが、宿直は夜8時から翌朝の8時までというように勤務時間が長い傾向にあります。行う業務が少ないとはいえ、トラブル等に備えて長時間待機しなければならないため、気疲れする人もいます。また、暇な時間が多いと時間の経過が遅く感じるため、上手く時間を潰せないときついでしょう。

なお、宿直勤務は基本的に一人です。トラブルが発生した際には自分一人で対応しなければならず、多忙を極める場合も。一人で業務を行うことに不安を覚える方にとって、宿直はつらい勤務といえます。

まとめ

宿直と夜勤はどちらも夜間帯に勤務しますが、役割や行う業務が異なります。夜勤は日中と同じように通常業務を行えますが、宿直では通常業務を行うことを認められていません。夜間勤務の仕事を行いたい方は、違いを理解しておきましょう。

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