• 2022年3月17日
  • 2024年6月7日

病棟看護師とは | 仕事内容・年収・向いている人の特徴を紹介

 

病棟で働く看護師のことを「病棟看護師」といいます。看護師の職場といえば病棟をイメージする人が多く、実際に看護師の半数以上が病院勤務です。

しかし、病棟勤務をしたことがない看護師の場合、具体的にどのような仕事をするのか、給料はどれくらいなのかわからないという人もいるでしょう。そこでこの記事では、病棟看護師の役割や病棟別の仕事内容、年収、向いている人の特徴を紹介します。病棟看護師の仕事に興味・関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

病棟看護師とは

病棟看護師とは、病院の入院施設である病棟で働く看護師のことです。多くの新人看護師が病棟看護師としてキャリアをスタートさせています。

病棟看護師は、24時間365日体制で入院患者さんの看護ケアや医療サポートを行います。そのため、2交代制もしくは3交代制のシフト勤務で働くのが一般的です。

病棟看護師の役割

病棟看護師は、ほかの医療スタッフよりも近い距離感で患者さんの療養生活を支えています。病棟看護師が日々行う基本的な仕事内容は、以下のとおりです。

  • バイタルサイン測定
  • 注射・点滴・与薬
  • 生活介助
  • 身の回りのお世話
  • 体位交換
  • ナースコール対応
  • カルテ記入
  • 多職種カンファレンス など

働く病棟によって仕事内容は異なりますが、上記の業務は基本的にどの病棟でも行うものです。

そのほか、日々の看護業務を行うなかでインシデントがあった際は、同じ過ちを繰り返さないようにインシデントレポートを作成します。また、病棟に入院する患者さんだけでなく、家族の不安を解消するのも病棟看護師の重要な役目です。

外来看護師との違い

外来看護師は、その名の通り外来勤務をする看護師のことです。病棟看護師が入院する患者さんの看護をするのに対し、外来看護師は通院する患者さんのケアやサポートを行います

病棟看護師とは違って24時間365日体制で患者さんのケアを行わないため、基本的に日勤のみという安定した働き方が可能です。その一方で、患者さんと関わる時間が短く、限られた時間内で素早くアセスメントしたり、コミュニケーションを取ったりすることが求められます。

また、規模の小さな病院やクリニックなどでは、受付・電話対応といった事務業務を行うこともあります。

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病棟看護師が働く「病棟」の特徴と仕事内容

病棟の特徴と仕事内容

病棟の種類によって仕事内容や働き方は異なります。そのため、各病棟の仕事内容を把握したうえで「自分にはどの病棟が適しているのか」を考えましょう。

ここでは、病棟の種類と仕事内容を紹介します。

高度急性期病棟

高度急性期病棟とは、容体が変化しやすく緊急性を要する重篤患者さんに対して、最先端かつ高度な医療を提供している病棟です。「救命救急病棟」「集中治療室(新生児集中治療室・小児集中治療室含む)」「ハイケアユニット」「総合周産期集中治療室」などが例として挙げられます。

高度急性期病棟で働く看護師は、患者さんの看護ケア・処置に加えて、医師による検査や診療の補助なども行います。主に容体急変のおそれがある重篤患者さんの看護をするため、状態把握からアセスメントまで素早く行わなければなりません。ほかの病棟に比べてやや緊張感が高く、バタバタと忙しくすることもあります。

急性期病棟

急性期病棟とは、急病や外傷、手術後の患者さんなど、病状が急激に変化する患者さんを集中的に治療・看護する病棟です。主に一次救急や二次救急の受け入れを行っています。

急性期病棟で働く看護師は、病気や怪我を発症して間もない、重症度の高い患者さんに対して看護ケアを行います。一刻も早く適切な処置を行わなければならないため、高度急性期病棟と同様、スピード感が求められるのが特徴です。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟とは、急性期で治療したのち回復期(病状安定から1~2ヶ月後)に入った患者さんに対して、適切な医療とリハビリを提供する病棟です。リハビリでは、基本的に「発症以前の状態を目指したリハビリ」を提供します。

回復期リハビリテーション病棟で働く看護師は、病棟看護師の基本的な業務内容に加えて、ほかの医療スタッフと連携をとりながら日常サポート補助・リハビリ補助を行います。医療スタッフや患者さんとじっくり関わるため、コミュニケーション能力が求められます。

療養型病棟

療養型病棟とは、急性期での治療を終えたあとも長期にわたり療養が必要となる患者さんに対して、看護や介護、リハビリなど適切な医療を提供する病棟です。

療養型病棟には経口摂取困難な患者さんや体が思うように動かない患者さんも多いため、介護職を含むほかの医療スタッフと連携しながら日常的なケアを行います。療養型病棟は平均在院日数が長いのが特徴です。患者さんの長い療養生活を支えることが、療養型病棟で働く看護師の役目といえます。

慢性期病棟

慢性期病棟とは、急性期で治療したのち病状は安定しているものの、長期的な看護や治療が必要となる慢性期の患者さんに対して、適切な医療を提供する病棟です。

慢性期病棟で働く看護師は、病棟看護師の基本的な仕事内容に加えて、合併症予防やターミナルケアなども行います。なお、慢性期の患者さんは少しの変化が生命にかかわる可能性もあるため、慢性期病棟の看護師には小さな変化も見逃さない観察眼が求められます。

緩和ケア病棟

緩和ケア病棟とは、身体的・精神的苦痛を緩和し、生活の質(QOL)を向上するためのケアを提供する病棟です。末期がんなど、治癒をめざした治療の継続が難しい患者さんなどが入院しています。

緩和ケア病棟で働く看護師は、治療を目的とした看護ケアではなく、痛みや不快症状を和らげるためのケアを中心に行います。具体的には、痛みのコントロールや褥瘡予防・ケアなどです。これら「ターミナルケア」に加えて、患者さんの家族に対してメンタル面のサポートなども行います。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟とは、急性期での治療が終了し病状が安定したものの、在宅復帰に不安のある患者さんが在宅復帰をめざして入院する病棟です。医療ケアやリハビリテーション、介護支援などを行っています。

地域包括ケア病棟で働く看護師の主な仕事内容は、退院支援や家族へのケア指導、在宅介護のサポートなどです。介護職と連携をしながら患者さんの支援をするため、看護技術に加えて介護技術も求められます。

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病棟看護師の一日の流れ

ここでは、慢性期病棟で働く看護師の一日の流れを紹介します。

時間 業務内容
8:00~9:00 【出勤・朝礼】
出勤したら夜勤看護師からの申し送りを受け、受け持ち患者さんの情報収集を行います。
その後、朝礼にて当日の計画をチーム全員で確認します。
9:00~11:30 【ラウンド・患者対応】
受け持ち患者さんの病室を巡回し、
状態確認・バイタルサイン測定・清拭・洗髪など各患者さんのケアを行います。
11:30~ 【昼食配膳・配薬】
患者さんに昼食を配膳し、必要に応じて食事介助を行います。
このタイミングで、看護師は交代で昼休憩をとります。
13:00~13:30 【カンファレンス】
各医療スタッフが集まり、患者さんの情報を共有します。
13:30~15:00 【ラウンド・患者対応】
受け持ち患者さんの病室を巡回し、
午後のバイタルサイン測定や午前中にできなかったケア業務の続きを行います。
15:00~16:00 【カンファレンス・カルテ記入】
各医療スタッフが集まり、患者さんの情報を共有します。
その後、患者さんの情報をカルテに記入します。
16:00~17:00 【申し送り・終礼】
夜勤看護師が出勤したら、チーム全体で夜勤看護師へ申し送りをします。
その後、チーム全体で終礼を行います。
17:00 【退勤】

上記は、あくまでも慢性期病棟で働く看護師のスケジュールの一例です。実際には、職場ごとに細かな違いがあります。

病棟看護師の年収

病棟看護師だけを対象とした年収データは、公的機関から出されていません。とはいえ、厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、看護師の半数以上が病院勤務です。そのため、全看護師の年収と病棟看護師の年収にそれほど大きな差はないと考えられます。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約508万円です。ただし、勤務先の給与水準や夜勤回数、夜勤手当、その他手当によって年収は異なるので、一つの目安として考えるようにしましょう。

なお、マイナビ看護師に掲載されている求人のなかには、年収600万円以上と看護師の平均年収を大きく上回る求人もあります。

参照元:
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
マイナビ看護師「病棟の看護師求人・転職・募集一覧」

高収入・好待遇の求人の特徴

マイナビ看護師に掲載された病棟看護師求人のうち、高収入・好待遇の求人には以下のような特徴がありました。

「高収入」が特徴
  • 東京都・大阪府などの都市部
  • 高度急性期病棟・急性期病棟
「好待遇」が特徴
  • 全国展開しているグループ病院
  • 企業立病院
  • 都市部の大学病院・特定機能病院

東京都や大阪府などの都市部にある病院や急性期病棟では、年収600万円以上を得られる求人が数多くありました。また、全国展開しているグループ病院や企業立病院など母体がしっかりしており、経営が安定している病院は福利厚生が整っている傾向にあります。都市部の大学病院や特定機能病院では、「託児所・保育支援あり」「残業10時間以下」「年間休日120日以上」などの待遇も多く見られました。

病棟看護師が給料アップをめざすには

病棟看護師として給料アップをめざすのであれば、「夜勤をする」または「専門資格の取得」を意識すると良いでしょう。

夜勤をする

夜勤をすれば夜勤手当がつきます。日本看護協会の「2023年病院看護実態調査報告書」によると、夜勤1回あたりの手当額の平均は、2交代制で11,368円、3交代制の準夜勤で4,234円、3交代制の深夜勤で5,199円です。月に夜勤を5回すると、2交代制の場合は5万円以上の給料アップに繋がります。

参照元:日本看護協会「2023年病院看護実態調査報告書」

資格を取得する

専門資格の取得も給料アップをめざす方におすすめです。
代表的な資格として、「専門看護師」「認定看護師」「認定看護管理者」が挙げられます。これらは看護師の上位資格であるため、資格手当がついたり昇給に繋がったりするでしょう。そのほかにも、さまざまな資格があるため、自身のキャリアに合った資格取得を検討してみましょう。

参照元:日本看護協会「資格認定を目指す方へ(資格について)」

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病棟看護師はきつい? やりがいとは

病棟看護師はきつい?

病棟看護師は看護ケアをこなしながら、ときには緊急入院などの対応も行います。基本的に立ち仕事なうえ、入浴・排泄・移乗介助などは体力が必要です。また、夜勤は看護師の人数が少ないため、心身ともに負担を感じる人もいるでしょう。生活リズムが不規則になることもあり、人によっては、「きつい」「つらい」と感じてしまいます。

しかし、大変な分やりがいが大きな仕事でもあります。病棟看護師は、医療スタッフのなかでも最も近い位置で患者さんをサポートします。そのため、患者さんやその家族から感謝の言葉をかけられることも少なくありません。さらに、自身の看護がQOLの向上や回復につながったときは、大きな喜びを感じられるでしょう。

また、病棟は看護技術やコミュニケーションスキルを磨くにはうってつけの環境です。基本的な知識・技術を習得できるほか、専門性の高い病院であればさらなるスキルアップも期待できます。努力次第で、ジェネラリスト・スペシャリストをめざすことも可能です。

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病棟看護師に向いている人の特徴

病棟看護師に向いている人

キャリアアップや給料アップを目標に、病棟看護師をめざす方もいるでしょう。ここでは、病棟看護師に向いている人の特徴を3つ紹介します。自身に病棟看護師の適性があるか、判断する際の基準にしてください。

多職種との連携を円滑に行える

病棟看護師は医師や同じ病棟で働く看護師のほか、外来看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・介護スタッフなど、あらゆる職種と日々関わって働いています。

特に高度急性期病棟・急性期病棟などスピーディーな動きが求められる病棟の場合、多職種と円滑に連携を取れる人材は重宝されます。周りからの信頼のもと多くの業務を任せてもらえるため、キャリアアップもしやすくなるでしょう。

患者さんと信頼関係を築ける

病棟にいる患者さんは、毎日を院内で過ごします。患者さんの生活を支えつつ生命を守るためには、患者さんが安心して信頼できる病棟看護師でなければなりません。そのため、患者さんと信頼関係を築くのが得意な看護師は、大いに活躍できるでしょう。

また、信頼関係を築き上げるべきは患者さんのみではなく、患者さんの家族も同様です。患者さんの家族と関わる時間は限られているため、短い時間で密なコミュニケーションを取れる人が病棟看護師に向いているといえます。

所属病棟で必要な専門知識やスキルを学ぶ意欲がある

病棟看護師といっても、所属する病棟によって必要な知識やスキルは異なります。また、医療は日進月歩であり、つねにアップデートが必要です。

そのため、勉強会やセミナーに参加したり、書籍で勉強したりなどして、所属病棟で必要となる専門知識やスキルの習得に励める方が病棟看護師に向いているでしょう。

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まとめ

病棟看護師とは、その言葉のとおり病棟で働く看護師のことです。入院患者さんに対して、24時間365日体制で看護ケア・サポートを行います。

病棟といってもさまざまな種類があり、役割や仕事内容はそれぞれ異なります。転職先として病棟を選ぶのであれば、自分に合った働き方を把握することが重要です。

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