• 2021年10月12日
  • 2021年11月16日

「看護師」「看護士」正しい表記は? 看護士の定義・仕事内容も

 

看護師について情報を調べているとき、「看護師・看護士で2つの表記があるけど、どちらが正しいのだろう」と気になったことはないでしょうか。「看護師」と「看護士」はいずれも読み方が一緒で、看護を行う者であるという意味も同じです。

特にネット上では2つの表記が入り混じっている傾向にありますが、実は看護を行う者を指す「かんごし」には正式な名称があるため、正しく把握しておきましょう。

今回は、「看護師」「看護士」どちらが正式名称なのか、あらゆる漢字の使い分けにも触れながら説明します。また、看護師の定義や仕事内容、平均年収も解説しているため、看護師を目指す方もぜひ参考にしてください。

「看護師」「看護士」どちらが正式名称?

看護を行う者を指す「かんごし」の正式名称は、「看護師」です。

かつては、女性看護師のことは「看護婦」、男性看護婦のことは「看護士」と呼ぶことが一般的でした。しかし2001年の法改正で「保健婦助産婦看護婦法」から「保健師助産師看護師法」に名称が変更されたことにより、翌年2002年に性別による読み方の区別が撤廃され、男女ともに「看護師」と統一されるようになります。詳しい背景には、男女雇用機会均等法や社会における男女格差の改善問題が挙げられます。

「看護師」という表記が基本となってから約20年経過した現在もなお、ネット上では「看護士」と称されていることが多々あるものの、医療業界などにおいて「看護士」という表記が使用されることはほとんどありません。

社会における男女格差や男女平等などの問題は、現在も多くの方が注目している話題です。看護師を目指す方はもちろん、医療業界で活躍したいと考えている方であればなおさら、現在では基本的に使用しない表記で覚えないようにしましょう。

「師」「士」「司」の使い分け

「~シ」のつく資格の名称は、看護師だけではありません。その他にも下記のようなものがあります。

  • 教師
  • 医師
  • 保育士
  • 弁護士
  • 祭司
  • 児童福祉司

では、それぞれの「シ」はどのように使い分けられているのでしょうか。全体的に明確な使い分けの基準はないものの、傾向が存在します。各種類とその意味については、下記表を参考にしてください。

種類 意味
「~師」 本来は「集団の人間を教え導く者」を指す言葉でした。現在では、「医師」「看護師」「調理師」「美容師」など、特定の技術や芸に秀でた専門家に使用される傾向にあります。
「~士」 本来は「才能をもってことを処理する者」を指しており、男性に向けて使用されることが一般的でした。近年では男女ともに、「弁護士」「技能士」「栄養士」など専門的な技術をもったあらゆる職業・資格名に付けられています。
「~司」 本来は「責任をもって役目を受け持つ者」を指す言葉でした。現在でもこのような傾向はあり、「行司」「祭司」「児童福祉司」「保護司」など責任のある職業名に付けられています。

看護師とは? 定義・仕事内容・平均年収などを種類別に解説!

看護師・准看護師・助産師・保健師の女性

高齢化社会が進んでいる近年、国民による医療ニーズは急速に増大しています。また人々の暮らしに合わせてニーズも多様化していることが特徴で、細かなニーズに対応すべく医療体制を整えることが最優先とされています。特に看護師は今後も需要が高まることが見込まれており、規定や知識に基づき臨機応変に行動できる看護師はさらに多くの医療機関から必要とされるでしょう。

また、看護師とひとくちに言っても、看護師には主に下記4つの種類に分けられます。種類によって業務内容も大きく異なることが特徴です。

  • 看護師
  • 准看護師
  • 助産師
  • 保健師

ここからは、それぞれの職業の概要や仕事内容、平均年収について詳しく解説するため、幅広い医療業界で活躍できる看護師を目指している方はぜひ参考にしてください。

看護師

看護師とは、主に医療現場において病気やけがで療養している患者さんの世話・ケアや、医師による診療のサポートなどを行う職業です。

看護師の定義
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

(引用:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

看護師の仕事内容
看護師の主な仕事内容は、診療補助や患者さんと患者さんの家族に対する医療面・心身面のケアやサポートです。働く施設によっても基本的な業務は大きく異なる点に注意してください。常に他業種のスタッフと連携をとり、チーム医療で進めていく必要があります。

看護師が活躍する職場

看護師が活躍できる主な職場は、下記の通りです。

  • 病院
  • クリニック・診療所
  • 福祉施設
  • 介護施設
  • 保健所

看護師の平均年収
看護師の平均年収は、「約492万円」です。高齢化率の上昇が顕著なエリアでは、需要の高さからより高い年収が設定されている場合もあります。

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

看護師のなり方
看護師になるためには、「正看護師」の国家資格を取得する必要があります。国家資格を得るためには、大学・専門学校を卒業して受験資格を得たのち、看護師国家試験を受けて合格しなければなりません。

病院やクリニック勤務の、一般的にイメージされるような看護師として活躍したいのであれば、学校卒業・国家資格取得は必須です。活躍の場が広く、勤務先によって働き方も大きく変わることを覚えておきましょう。

准看護師

准看護師とは、医師や看護師の指示を受けて、病気やけがで療養している患者さんの世話や診療補助を行う職業です。

准看護師の定義
「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。

(引用:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

准看護師の仕事内容
医師や看護師の指示のもと、患者さんの看護サポートや診療補助を行います。基本的に看護師の仕事内容と同様ですが、業務範囲や業務の進め方に大きな違いがあります。准看護師は医師・看護師の指示に従って動く必要があるため、看護師とは違い自分の判断で業務を進めることができません。

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

准看護師が活躍する職場

准看護師が活躍できる主な職場は、下記の通りです。

  • 病院
  • クリニック・診療所
  • 福祉施設
  • 介護施設 など

准看護師の平均年収
准看護師の平均年収は、「約413万円」です。看護師と同様の仕事内容でも、国家資格を持つ看護師と比べると年収はやや低くなります。地域によっては、看護師と同じくらいの年収を得られる場合もあるでしょう。

准看護師のなり方
准看護師は国家資格ではなく、都道府県知事が発行する免許となります。准看護師の免許を取得するためには、各都道府県で行われる准看護師試験に合格しなければなりません。

准看護師は医師や看護師の指示のもと動く職業のため、看護師よりも平均年収はやや低くなります。准看護師試験は中学校を卒業していれば誰でも受けることが可能です。看護師を目指している方でも、まずは准看護師の免許を取得するという方法が基本と言えます。

助産師

助産師とは、看護師の中でも妊娠・出産など産婦人科に関する医療行為に主に携わるといった、専門性の高い職業です。

助産師の定義
「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。

(引用:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

助産師の仕事内容
助産師はその名の通り、女性の妊娠・出産など産婦人科関連の医療行為に携わることが基本です。分娩介助だけでなく、妊娠中や出産後の体調管理や乳児への保健指導も行います。働く施設によっては、月経トラブルにも携わります。

助産師が活躍する職場

助産師が活躍できる主な職場は、下記の通りです。

  • 病院
  • 助産院・助産所 など

助産師の平均年収
助産師の平均年収は、「約570万円」です。助産師資格に加えて「産後ケアリスト資格」などの資格を取得している方の場合は、さらなる給与を得られるでしょう。

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

助産師のなり方
助産師になるためには、まず看護師の国家資格を取得し、その後1年以上の授業を受けて助産師国家試験に合格する必要があります。なお現在の日本の法律において、国内の助産師は女性限定となっており、男性が助産師資格を取得することはできません。

助産師は、医療業界でも唯一女性しかなれない(免許取得ができない)職業であり、その分需要も高い傾向です。そのため平均年収も高く、中には独立する助産師も多くいます。

保健師

保健師とは、学校や企業、さらに保健所などにおいて、健康管理に関する指導や病気・けが予防のための保健指導を行う職業です。

保健師の定義
「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。

(引用:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

保健師の仕事内容
地域の方々へ向けて、健康維持や増進、病気やけが予防のための健康指導・保健指導を行うことがメインの仕事内容です。企業に勤める「産業保健師」、学校に勤める「学校保健師」、病院や診療所に勤める「病院保健師」など職場によっても呼び名が変わることが特徴です。

保健師が活躍する職場

保健師が活躍できる主な職場は、下記の通りです。

  • 保健所・保健センター
  • 病院・診療所
  • 福祉施設
  • 教育機関企業・事業所
  • 役所 など

保健師の平均年収
保健師の平均年収は、「約476万円」です。地域や働く施設によって平均値に幅があることも特徴となっています。

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

保健師のなり方
保健師になるためには、まず看護師の国家資格を取得し、その後1年以上の授業を受けて保健師国家試験に合格する必要があります。

看護師の主な役割は「治療」である一方、保健師は「予防」が主な役割となっています。地域の人々の健康をサポートしたい・維持したいという方にはおすすめの職業です。

まとめ

ここまで、「看護師」が正式名称であることや、看護師の各種類について詳細を解説しました。

看護を行う者を指す「かんごし」の正式名称が「看護師」であることには、主に男女平等などの問題が背景にあります。医療業界において「看護士」と使用する方はいないため、正しい表記を使用するようにしましょう。

なお、看護師とひとくちに言っても看護師・准看護師・助産師・保健師などさまざまな種類があります。自身のなりたい看護師像をきちんとイメージして、適切な就職先を見つけてください。

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